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(画像=iStock.com/Yagi-Studio 写真はイメージ。)

3、社内チャットツールの活用

飲食店は日々の業務が忙しいため、メールチェックなどのデスクワークをする時間がなかなか取れない。業務がたまるとフラストレーションとなり、仕事の効率やモチベーションが落ちてしまう恐れがある。

そこでおすすめなのは、店舗間、スタッフ間の連絡を円滑にするツールの導入だ。例えば、チャットアプリであれば、スタンプひとつで報告をすることも可能に。また、カレンダーアプリやリマインダーアプリを活用すれば、 ミーティングの告知やスタッフへの指示も効率的に行うことができる。

ただし、スタッフの休日や勤務時間外にも通知される設定になっていると、精神的に負担をかけてしまうので注意が必要。個人のアカウントではなく、仕事用のアカウントを取得させるなどして、プライベートと仕事を明確に分けるような工夫も忘れずに。スタッフ間のコミュニケーションをシンプルかつ快適にすることで、業務への集中力も高まりやすくなるだろう。

4、客観的な人事評価方法を採用する

「自分がどのように評価されているか」は従業員の満足度に大きく関係する要素だ。自分と他のスタッフが違う基準で評価されていたり、不平等を感じるような仕組みではESは高まらない。

最近は低価格で利用できる人事評価システムも多く登場しているが、目標設定や達成率、面談の記録などがクラウド保存できるようになっていてとても便利だ。スタッフの立場からすると、店長の好みや感情に左右されることはなくなるので、納得して働ける環境になるだろう。

スタッフ同士が評価をしあう仕組みを導入している企業もある。例えば、仕事のサポートをしてくれたスタッフに「感謝ポイント」を送り、ポイントが給与に加算されたり、商品券として送られるようなシステムだ。店長や人事担当者だけの目線ではなく、様々な視点で評価をしてもらえることが従業員の満足度に繋がっている。

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5、学ぶ姿勢を応援する「資格取得支援制度」

従業員の満足度というのは、職場の中だけの話とは限らない。家族手当や住宅手当など、従業員の生活を支えるための制度を整えることも重要なポイントだ。さらには、スタッフの夢を応援するような取り組みはESが高まりやすいと言えるだろう。

例えば、関西圏を中心に展開している『ラーメン横綱』の資格取得支援制度では、簿記検定や英検など、10種の資格を対象として2~10万円の報奨金を支給している。直接的に売上に結びつかなくても、スタッフの学ぶ姿勢を応援することでES向上に繋がっている好例と言えるだろう。

サービス業である以上、CSが大切であることには間違いない。しかし、顧客満足度を追うばかりに厳しい労働環境となり、従業員満足度が下がることになっては意味がない。ESが下がれば、見えないところで手を抜いたり、虚偽の報告をする従業員が出てくる可能性もないとは言えないからだ。

また、正社員だけでなく、アルバイトやパート、産休明けのスタッフなど、様々な働き方に対応した取り組み方をしていくことも今後は重要な課題となるだろう。独自性のある制度を導入して、公式サイトに掲載すれば、それもお店にとってひとつの特徴となる。ぜひ自店にあったものをじっくりと考案してみてほしい。(執筆者:大槻洋次郎)

(提供:Foodist Media