「信用力」の概念が変わる スコア社会の到来に備える方法とは?
(画像=J.Score)

今日、「信用力」の概念が変わりつつある。これまでは「良い企業に勤めているか?」「勤続年数は何年か?」「年収はいくらか?」「資産はいくらか?」といった【過去】と【現在】が信用力の評価軸であった。しかし、ビジネス環境の変化が早い昨今では大企業も安泰ではなく、そのヒト自身の今後の伸びしろや価値を生み出す力、言い換えれば【未来】が重要視されつつある。

【過去】と【現在】に加えて【未来】も見てくれるサービス

そのようななか、【過去】と【現在】に加えて【未来】も見てくれるサービスが日本でも広がりつつある。それがみずほ銀行とソフトバンクが共同で設立した株式会社J.Score(ジェイスコア)が提供している「AIスコア」だ。AIとビッグデータを用いて年収、勤務先、性格など今まで重視されていた「過去」「現在」の情報と、更に「将来の可能性」も加味した上で信用力をスコアリングしてくれる。入力情報が多ければ多いほどAIの分析精度が高まり、スコアアップの可能性が高まる。

また「ハビットチェンジ」機能(※アプリ限定機能)でこれからの自分の行動(=未来の行動)によって、スコアアップできる可能性がある。具体的には毎日の運動、継続的な学習、規則正しい睡眠、意識的な自己投資などの継続(習慣化)によってスコアが変化する。これまでは「過去」や「現在」が重視されていたが、J.Scoreが描く世界では「これからの行動や努力次第でスコアが変わる」ので、今までよりも夢へのチャレンジがしやすくなったり、多くのチャンスを得たりすることができるわけだ。

AIスコアが我々にもたらすもの

このAIスコアは様々な場面で活用が期待されている。例えばAIスコアをベースにしたランクに応じて、アライアンス企業から様々なリワード(特典)が受けられる「AIスコア・リワード」を提供している。自己実現や様々なライフスタイルに活用することができるAIスコアを活用した日本初のサービスで、スコアランクが上がると利用できる特典の種類やサービスの内容が充実していく。エントリーは無料なので利用者にとっては嬉しいサービスだ。

またAIスコアを基に適切な融資条件を提示する個人向けレンディングサービス「AIスコア・レンディング」も展開している。このAIスコア・レンディングの大きな特徴は「いま現在」の返済能力だけではなく、「将来の可能性」も加味され判断基準となることだ。より多くの質問に回答することによって、貸出金利や借入限度額が変化するという。

チャンスが増える社会へ プライバシー配慮もしっかり

信用力が我々の生活を変えていく、と言うと「スペックが高い人が一人勝ちするのではないか」「格差が広がる懸念があるのではないか」と感じるかもしれない。しかし、努力して自分を高めようとしている人にはチャンスが増えるということでもある。むしろ正当な努力が報われる世界になりつつあると前向きに捉えたい。

またAIスコアを活用していくうえで論点となるのが個人情報だろう。実はAIスコアは、スコア算出だけでは個人を特定する情報は必要ない。むしろ、名前はニックネームでよく、住所や電話番号は不要、郵便番号は上3桁のみしか聞かれないなど非常にプライバシー保護に配慮している印象だ。

「AIスコア・リワード」を使用するときすら、サービスを利用するために必要なスコアランクのみを利用者同意のもとにアライアンス企業に提供しているだけだ。AIスコア及び個人を特定するような情報をアライアンス企業に提供することはない。

スコア社会が訪れるのは時代の要請

同サービスはAIスコアのログをつけることができるので、自身の軌跡を記録することもできる。インターネットの発展によって情報へのアクセスは容易になり、閲覧履歴や購入履歴などの「データが持つ価値」が世界中で再認識されている。

望む望まないに関わらず、AIの発展によってスコア社会が訪れるのは時代の要請だろう。AIスコアの算出は2分で済む。一度自身のスコアを算出し、これから始まるスコア社会に向けて、今からスコアアップを始めてみてはいかがだろうか。正当な努力が報われる世界に、いち早く飛び込んで備えておこう。