「アフターフォローの電話1本」ができるか?
営業パーソンの業績格差はアフターフォローの場面に極端に表れる。「売れる営業」は次の案件や横展開のために「顧客満足度」を把握し、次の一手を講じようとする。
営業格差を生み出すポイントは、「不満」まではいかないが、「満足とはいえない」事柄が把握できるか否かだ。
今回は誰でも「売れる営業」に変われるアフターフォローのノウハウについて共有する。
自身の営業は「売り逃げ」になっていないか?
「売り逃げ」という言葉がある。
これは、極端な言い方には違いないが、顧客側からみると成約するまでは熱心に足しげく通っていたくせに、成約になったとたんに、顔さえ出さなくなる営業パーソンを揶揄した表現だ。
営業パーソンにしてみれば、受注後は設計や納品を担当する別な部署に引き継ぐのだから、営業は次の案件に集中した方が営業効率が上がると思い込んでしまうケースも少なくない。
だから、ここで差がつく。
わざわざ訪問しなくても満足度を気にかけたフォローの電話1本がかけられるか、かけられないかが、その後の営業パーソン人生の明暗を分ける。
「不満まではいかないが、満足とはいえないこと」にフォーカス
もちろん、私達営業パーソンは相手からの「満足しています」という言葉やそれを示唆する言動を期待してしまうが、「売れる営業」になるために必要なのは、その言葉ではない。
引き出したいのは「満足していること」ではなく、「不満まではいかないが、満足とはいえないこと」だ。
不満は放っておいても顧客の方から口にしてくれるものだが、そこまではいかないが、満足とはいえないグレーゾーンにこそ、追加受注や次の案件のためのヒントが満載だということを肝に銘じて欲しい。
あるいは顧客のその声が、次のバージョンアップやモデルチェンジのポイントになるので、営業だけでなく全社の長期的売上向上に大きな影響を及ぼす。
逆に「顧客満足度」というあまりに使い慣れた言葉を鵜呑みにしてしまうと、どの程度の満足かという“水準”を把握しようとするようになるので、改善提案のヒントになるような「まあ、不満まではいかないけど、ここがこうなるともっと便利なんだけど……」という小さなニーズ、細かなニーズをキャッチする妨げになりやすいのだ。