昨年6/29(金)に成立した「働き方改革法」がいよいよ、施行(2019/4/1~)されます。企業は労働者に、上限(原則として月45時間)を超えた時間外労働を強いることができなくなり、一定日数以上の年次有給休暇の取得が義務付けられるようになりました。

これまでと大きく異なるのは、違反企業・経営者・担当役員・部長等が逮捕・送検される可能性が出てくるという点です。施行されるその日から再び、随所で、「働き方改革」が大きな話題になることでしょう。「日本株投資戦略」でも改めて、この法律施行に関連する銘柄をご紹介し、好パフォーマンスが期待される銘柄の抽出を試みてみたいと思います。

「働き方改革法」施行!好業績期待の関連銘柄はコチラ!?

日本株投資戦略,投資チャンス到来銘柄
(画像=PIXTA)

それではさっそく、「働き方改革」をビジネスチャンスにとらえ、好業績が期待できそうな関連銘柄の抽出を試みてみたいと思います。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)当社「テーマキラー!」または検索ツールで「働き方改革(支援)」と入力した時に紹介される銘柄であること
(2)12月決算銘柄の場合、前期営業利益が直前の会社予想を上回って「着地」した銘柄であること
(3)上記以外の決算期の銘柄の場合、四半期累計営業増益率が通期会社予想営業増益率を上回っていること
(4)今期会社予想営業利益が増益予想であること

上記すべての条件を満たす銘柄について、今期予想営業増益率の高い順に10銘柄ご紹介したものが表1となります。「日本株投資戦略」では、これらの銘柄は、「働き方改革」をビジネスチャンスにとらえ、好業績が期待できそうな「働き方改革関連銘柄」であると考えています。

当社WEBサイトでテーマ株投資の有力なツールとなる「テーマキラー!」では「働き方改革」の関連銘柄として10銘柄をご紹介しています。また、当社WEBサイトの銘柄検索ウィンドウに「働き方改革」と入力すると予測変換で「働き方改革支援」というワードも追加され、計14銘柄紹介されます。これら24銘柄を母集団としている形ですが、これらの銘柄だけが「働き方改革関連銘柄」という訳ではありませんので注意が必要です。

このように母集団の銘柄数は決して多いとは考えられませんが、好業績銘柄として10銘柄ご紹介できるということは、逆に、表1に掲載された銘柄にとり、「働き方改革」の波は、実際の企業業績に追い風になっている可能性が大きいと考えられます。

「働き方改革法」施行!好業績期待の関連銘柄はコチラ
(画像=SBI証券)

表1:「働き方改革法」施行!好業績期待の関連銘柄はコチラ!?
コード / 銘柄 / 株価(3/29) / 前四半期増益率 / 今期予想増益率 / 投資ポイント
<2146> / UTグループ / 2,536 / 66.2% / 53.9% / 製造工程一括請負に強み。
<3969> / エイトレッド / 1,203 / 79.9% / 36.1% / 社内書類電子化ソフト。中小企業向けに強み。
<9742> / アイネス / 1,319 / 294.1% / 30.6% / 社内向けにもガイドブックを作成。
<6539> / MS-Japan / 1,635 / 64.9% / 29.2% / 管理部門特化型エージェントでトップ級
<2168> / パソナグループ / 1,673 / 42.5% / 26.9% / セミナー等も積極展開。ビジネスチャンス。
<2427> / アウトソーシング / 1,366 / 32.7% / 26.1% / 製造請負・研究・開発の受託。
<6200> / インソース / 2,451 / 28.9% / 23.8% / 社会人研修事業。「働き方改革」前面に。
<3923> / ラクス / 2,018 / 41.9% / 18.3% / 経費精算システム。自社にも働き方改革。
<2379> / ディップ / 1,912 / 20.5% / 17.1% / アルバイトサイトを展開。転職紹介も。
<4848> / フルキャストホールディングス / 2,360 / 33.3% / 15.8% / アルバイト紹介が主体に。

※会社公表データ、BloombergデータをもとにSBI証券が作成。増益率は営業利益を対象にしました。前四半期増益率は直近四半期の累計営業増益率(前年同期比)で、12月決算銘柄の場合は前期(通期)営業増益率。業績データは2019/3/28(木)現在のものであり、その後変更・修正されている場合もありますのでご注意ください。

「働き方改革法」施行の影響を想定する

今回の「働き方改革法」のポイントは3点に集約されます。

(1)時間外労働に上限を設けて規制を厳しくします。
(2)一定日数以上の年次有給休暇の取得を義務化します。
(3)労働時間を改めてしっかり把握することを求めます。

さらに、これらのルールに関し、違反した企業や役員・役職員が逮捕・書類送検等され、処罰されるケースも出てき得るというのが、これまでと大きく異なる点です。

このうち、(1)については、残業時間の上限が原則月45時間、年360時間とされ、特別な事情があってこれらを超える月がある場合は、他の月と調整されることになります。月100時間超の残業は認められず、45時間超の残業は年間6回とすることなどがルール化されています。また、(2)については年間5日が義務化されることになります。

企業はこれらの対応に苦労する可能性があります。特に施行月に当たる2019年4月は下旬から「10連休」を控えています。連休後に先送りできない業務の対応に追われる企業も少なくないとみられます。

それでも、施行月から残業代でルール違反することはできず、業務を強制的にカットする例が増えそうです。労働投入量の減少による生産量の低下や、残業代減少による消費の減少等、国内景気への影響にも注意が必要です。

基本的には、対応できない業務を新たな人材で回すしか方法はなくなるというケースも多そうで、人材関連企業の活躍余地は増えそうです。表1ではUTグループ(2146)や、MS-Japan(6539)、パソナグループ(2168)、アウトソーシング (2427)等はその典型例であるとみられます。

図1:UTグループ(2146)・日足
(画像=弊社チャートツールを用いてSBI証券が作成)

「働き方改革」をどう乗り切るのか、悩める企業へのアドバイスも活況が見込まれ、社会人研修事業のインソース(6200)などには直接的な追い風になりそうです。

「ワークフローシステム」という言葉がありますが、稟議書や報告書、届出書など承認手続きが電子化されることで、人手を省くことが可能になります。無論、RPA等を導入し、業務をロボットに任せる流れも加速しそうです。社内書類電子化ソフトのエイトレッド(3969)や、情報システムのアイネス(9742)など、システム投資等の恩恵を受ける企業も増えそうです。

図2:エイトレッド(3969)・日足
(画像=弊社チャートツールを用いてSBI証券が作成)

通常、4月下旬から5月中旬にかけ、上場企業の決算発表が予定されているのですが、今年は新元号への移行や10連休があり、例年以上に繁忙になることが予想されます。ただ、新たな法律の施行で残業もしにくくなります。上場企業の決算発表担当部署の方々の苦労がしのばれ、株式市場で混乱が起こらないよう、祈りたい所です。

図3:ラクス(3923)・日足
(画像=弊社チャートツールを用いてSBI証券が作成)

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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