こどもNISAの可能性
先にあげた金融庁の調査ではFP・証券外務員等に対するNISA利用者の意識等に関するアンケート調査の結果も報告しています。それによると、若年層の利用拡大については、これまでの投資一般と比較してNISAへの関心が高いと回答があったのは約3割でした。また、男女によって差はないものの高齢者層および投資経験者の方がより積極的にNISAを活用しているという回答が半数超でした。
若年層がNISA口座開設に踏み切れない理由は、資金的余裕がないことが65.1%と最も高いですが、次いでNISAや投資への理解・認知度不足、投資へのネガティブなイメージが33.6%でした。
このように、若者層の利用が少ないというのがNISAの大きな課題の一つなのです。年齢的にいっても、未成年者の親世代だと20代から40代が中心になります。子どもを通じてNISAへの理解を深め、投資へのネガティブなイメージを払拭し、若者層を取り込もうというのが政府の狙いの一つのようです。
改正案で何がどう変わる?
非課税枠の拡大や子ども版NISAでどう変わるのでしょうか。まず非課税枠の拡大によって、現状のNISA1年間(1月から12月)の非課税枠 100万円から2倍の200万円に拡大されます。つまり、株などへの投資が200万円までならいくら儲けても非課税になるということです。
たとえば、NISAではない通常の税率は20.315%です。これが、ただになるのですから、仮に200万円が2億円になった場合、通常なら約4020万円もの税金がとられますが、NISAなら税金0円、約4020万円も得する計算になります。これは、1年間の非課税枠ですから5年間で最大1000万円の投資が非課税になるということになります。
一方、子ども版NISAは、子供を持つ若者層のNISAへの興味や理解を深めるでしょう。また、若いうちから子供に資産を残す活動がしやすくなります。このため、若者層のNISA利用が現在よりも増加すると予想されます。
NISAを活用し日本経済を活性化
NISAの売りは少額での投資がしやすいということです。投資した株などによっては、大化けする可能性も大です。ヤフーなどは、2000年に上場初値の約168倍になったことがあります。これを例にとると、100万円投資したとしてそれが約1億6800万円になるわけです。この場合、通常なら3390万円も税金がかります。しかし、NISAなら0円、3390万円も得することになります。税金がタダになるわけですから、これを上手く活用しない手はありません。
このように、NISAや今回の改正を機に投資を考える人が増加すると考えられます。そして、若者層が積極的にNISA活用することが日本経済の活性化につながるのです。
日本経済新聞は2014年7月25日に、日経平均は中期的にも上昇基調で推移する見通しと報じました。これは、日米の経済の基礎的条件が堅調なことに加えて、公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今夏にも、資産運用の見直しの具体的な方針を発表するためだそうです。
日米株価が下落することはあるが、影響は一時的で日経平均は8月中に1万6000円を超えると予想しています。NISAの改正とこのような市場の状況で、株への投資のチャンスが広がりそうです。
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