心と身体の疲れをとる「2つの睡眠」

人間の疲労には、3種類あります。1つ目は肉体的疲労、2つ目は精神的疲労、3つ目はパソコン作業などによる神経的疲労です。睡眠を十分にとれば、この3つはほぼ除去できます。

ここで重要なのは「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2種類の眠り。レム睡眠は「浅い眠り」、ノンレム睡眠は「深い眠り」です。

ポイントは、両者の役割の違い。主にレム睡眠は精神と神経の疲れを、ノンレム睡眠は身体の疲労をとる役目を果たします。レム睡眠時、身体は眠っても脳は活動を継続し、日中の記憶の整理整頓を行ないます。

この活動により健康な思考力が保たれ、メンタル管理に効果的です。対してノンレム睡眠時は、傷んだ筋肉の修復、肌の再生、血流停滞の解消、免疫力アップなど、フィジカル管理に有効です。

レム睡眠とノンレム睡眠は約90分周期で交互に訪れますが、寝入ってすぐはノンレム睡眠が多く、そのあとレム睡眠が多くなります。ということは、1~2周期だけでは十分なレム睡眠がとれません。

精神と神経の疲労回復のためには、まとまった睡眠の長さを確保することが必須なのです。

なお、ビジネスパーソンの方はしばしば「疲れているのに眠れない」という症状を訴えますが、これは神経が高ぶりすぎているせいで起こる可能性があります。

この場合は無理に眠ろうとしないこと。焦りがかえって神経を緊張させてしまうからです。

睡眠不足は良くないと言いましたが、2~3日眠らなくても「死にはしない」のもまた事実。ここは大きく構えて、眠くなるまで眠らないのが得策です。