眠りを妨げる「問題」の見つけ方
次に、睡眠の質を上げる方法をお話ししましょう。睡眠の質は基本的に、個人要因と環境要因の掛け合わせで決まります。
個人要因とは、ごく簡単に言えば「体質」。寝つきの良し悪し、レム・ノンレムの周期の長さなど、人それぞれ違いがあります。いわゆるロングスリーパー・ショートスリーパーと言われるように、睡眠時間の長さにも個人差があります。
環境要因にも、音・光・着るもの・寝具・温度湿度など、多くの要素があります。したがって、質の良い睡眠をとる方法も千差万別。「万人向けの正解」ではなく、「自分のための最適解」を見つけることが肝要です。
そこで役立つのが「睡眠ログ」。入眠時間・起床時間・両者から算出できる睡眠時間・目覚め感・日中のパフォーマンス、および「30分の昼寝」「飲み会」「3時間の残業」などの外的要因を簡単にメモしましょう。
これは自分の睡眠の「見える化」であり、「イシュー(問題)の分析」でもあります。ビジネスにせよ睡眠にせよ、物事の改善を図るためには「問題の特定」が必須です。平日5日間ほどログをつけていると、どのような要因が眠りを妨げたかが見えてきます。
寝る直前の大食、深夜までのパソコン作業など「原因らしきもの」を、1つずつストップして様子を見ましょう。このとき2つ以上同時にストップすると、原因を正確に特定できないので要注意。
「良いこと」を試すときも同様です。「日中に身体を動かす」「夜の食事は軽めにする」など、1つずつ試して変化の有無を確認すれば、確実に「最適解」へと近づきます。