老後、お金でトラブルになる人とならない人の違い
日本ではこれまで、お金の話題はなんとなく下品なもの、言ってはならないものとして避けられてきました。以前は誰でもある程度の金額を金融機関に預けておけば、預貯金と年金だけで老後も問題なく生活できたということもあるでしょう。
しかし、低金利が続き寿命が延び、非正規雇用の問題もあり、今後は老後の資金の心配と向き合わなければいけない人達が大勢出てくるだろうといわれています。
ただ、年収が同じくらいであっても、お金で老後にトラブルを抱える人もいれば、そうではない人もいます。その違いは何なのか、トラブルにならないためにはどうしたらいいのでしょうか。
「夫の定年」を機に、しっかり考えるように
私はこれまで、会計監査補助の仕事を手がけ、FP資格も取得するなど、様々な形でお金と接してきました。そんな中、夫が定年(現在は別会社で勤務中)になり、年金をもらう年齢となりました。以来、老後のお金についていろいろと話し合い、実践もしてきました。
一時期は投資資金がマイナスになってしまうこともありましたが、何とか持ち直し、今では30倍・40倍にもなった株式銘柄も出てくるなど、お金の不安はかなり解消されています。そこで自分たちの経験を踏まえ、お金に困らないためにやっておくべきこと、やっておいてよかったことを、ここではご紹介したいと思います。
1 「先取り貯蓄」の導入を
「手取り給与の約25%を先取り貯蓄せよ」とは、明治から昭和にかけての著名な投資家である本多清六氏も言っていることですが、老後のお金の準備についても「先取り貯蓄」は非常に大事。自分にとって一番無理なく、貯蓄していること自体忘れてしまうくらい自然にお金が貯蓄に流れる仕組みを作っておくことが重要です。
勤めている会社に社内預金の仕組みがあれば、ぜひ活用しましょう。給与明細で見る手取り金額はすでに預金後の金額なので、引かれていることが気になりにくくなります。
給与の振込口座を2つに分けて片方は積み立て専用にする、または給与口座から自動積み立てで定期預金に自動積み立てするという手もあります。口座に入金される前に引かれるので、その残額で生活するのが当たり前になります。
先取り貯蓄は続けることが大事なので、金額は無理のない範囲で行うことが大切です。金額をいくらにしたらいいかわからない場合は、昨年の給与明細の金額で最も少ない月から「この金額ならやれそうだ」と思える金額からスタートしてみることです。