「自己紹介のフォーマット」を作っておく
それでは、魅力的な自己紹介のポイントは何でしょうか。
初対面における自己紹介の内容は、①名前、②出身地、③趣味・興味、④家族、⑤仕事内容・勤めている会社、⑥具体的にどんな仕事をしているか、⑦どのような想いで仕事をしているか、が挙げられます。これらを「自己紹介の基本フォーマット」としてあらかじめ言語化しておくのです。
⑤に関しては、先ほども述べたように、単に所属を語るのではなく、その会社で自分がどんな役割を果たしているのかを伝えることが大切です。またそれにプラスして、一人の個性ある人間として趣味や興味についても語れるよう準備しておきましょう。
「肩書き」ではなく「個人」を見る
日頃の職場においても、名刺に頼り過ぎない意識転換は、仕事の成果に結びつきます。名刺に書かれている相手の「肩書き」ではなく、「個人」に興味を向けてみるのです。名刺交換後はいきなり本題に入らず、少しだけパーソナルな会話をすることを心がけるのです。
たとえば相手の名前に使われている漢字、出身地、これまでの職歴、今の仕事についてなど。それだけで場が和み、会話がスムーズになります。
多種多様な国籍のHBSの学生やグローバルファームのビジネスパーソンにとっては「Where are you from?」は定番の質問です。
その質問を起点に、その街はどんなところか、名物は何なのか、おすすめの観光地はどこか、仕事は何か、どうやって勉強し、スキルを身につけてきたのかなど、話をどんどん発展させることができます。
興味を持ってくれる人に対しては、相手も自然と関心や好意を抱いてくれるものです。
「□□会社の○○部長の△△さん」ではなく、相手が唯一無二の存在であることを意識することです。そこに魅力的な自己紹介が加われば、あなたの存在感と人間的魅力は格段に上がっていくでしょう。
戸塚隆将(とつか・たかまさ)
1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。ゴールドマン・サックス勤務後、ハーバード経営大学院(HBS)でMBA取得。マッキンゼーを経て、2007年、ベリタス株式会社(旧シーネクスト・パートナーズ株式会社)を設立、代表取締役に就任。
同社にて企業のグローバル人材開発を支援するほか、HBSのケーススタディ教材を活用したプロフェッショナル英語習得プログラム「ベリタスイングリッシュ」を主宰。グローバル人材を輩出し続けている。著書に『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』(朝日新聞出版)等がある。
ベリタス株式会社
http://www.veritas-english.jp/company/
ベリタスイングリッシュ
http://www.veritas-english.jp/ (『THE21オンライン』2019年05月18日 公開)
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