これから投資を始める人が、最初に直面する難関は投資商品選びだろう。数多くの投資商品の中から、初心者が知っておきたい代表的な投資商品9種類を紹介するとともに、投資初心者に適した少額から始められる金融商品や各種サービスについても解説する。

代表的な投資商品9種を紹介―株式や債券、投資信託など

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(画像=lovelyday12/Shutterstock.com)

まずは、ほとんどの人が一度は聞いたことがあるであろう代表的な投資商品を9つ紹介する。それぞれの特徴やメリット、デメリットを知って、商品選びの参考にしてほしい。

株式―有望な株式会社に出資しながら利益を得る

投資家は、証券会社を介して市場で流通する株式を売買して利益を得たり、配当や株主優待を受けたりできる。株式投資には常に株価変動リスクがあるので注意したい。株式会社にとって株式は、返済義務のない資金調達の手段だ。

債券―元本保証で堅実な投資

債券は元本割れリスクが低く、投資家は利子も受け取ることができる。債券を発行するのは、国や自治体、企業などさまざまだが、彼らは返済義務を負うことになる。

投資信託―少額から投資可能、分散投資でリスク低減

たくさんの投資家から集めた大きな資金を、運用のプロがさまざまな株式や債券などに対して分散投資するのが投資信託だ。運用で得られた利益は、出資した投資家に還元される。

貯蓄型保険―貯蓄しながら万が一の保障を受けられる

生命保険の一種であり、貯蓄と保険、両方の機能を備えている。満期保険金や解約返戻金として、払い込んだ保険料のほぼ100%、あるいはそれ以上に戻ってくる可能性が高いのが特徴。

FX(外国為替証拠金取引)―ハイリスク・ハイリターンで注目の投資

外国為替を使った金融商品であり、証拠金を担保として証券会社に差し入れて行う。リスクは高いが、少ないコストで取引できて、レバレッジ効果を活かした大きな取引ができる。

不動産―資金効率が良く、安定的に収益を得られる

収益不動産は、安定した不動産賃料が得られるため人気が高い。対象不動産を担保とした融資を受けられる、あるいは運営コストなどが必要経費として認められるといったメリットがある。

コモディティ―「商品」が投資対象

商品先物市場で取引されている原油やガソリン、金やプラチナといった貴金属、穀物などの商品(コモディティ)が投資対象。

仮想通貨―価格変動幅が大きくハイリスク・ハイリターン

インターネット上だけに存在する仮想通貨を売買して、値上がり益を狙う投資。価格変動幅が大きく、ハイリスク・ハイリターンである。ビットコインが有名だ。

ソーシャルレンディング―貸付型のクラウドファンディング

投資家は、IoTファンドや再生エネルギーファンドなど、テーマ別に設定されたファンドに出資して、毎月利益の分配を受けられる。社会貢献につながる投資であるのが特徴。

初心者向けの投資3選―少額投資可能、低リスク、低コストが基本

ここまで紹介したように、投資には実にたくさんの商品が存在するが、初心者でも取り組みやすいのは少額から投資可能で、リスクもコストも低い商品だろう。上記で紹介した中から、特に初心者向けの商品をピックアップした。

1 投資信託―初心者に適した商品の代表格

投資知識がない初心者でも、銘柄の選定や運用をすべてプロに任せられるので、気楽に始められるのが最大のメリット。

銘柄数が豊富なので投資方針に合ったファンドを見つけやすく、分散投資の効果で価格変動リスクも低減できる。SBI証券や楽天証券などでは、100円から投資信託を始められる。

取引手数料無料の投資信託も多いが、信託報酬は銘柄によって大きく異なるのでしっかり確認したい。

2 貯蓄型保険―ライフプランに合った資金準備と保障を両立

貯蓄型保険には、終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険があり、各自のニーズや資金計画に合った種類を選ぶことができる。

いずれも、保険期間中に万一のことがあれば保険金が給付される。所得税と住民税の生命保険料控除も受けられる。

ただし、早期に解約すると、解約返戻金が払込保険料の総額を下回る場合がある。

3 個人向け国債―国の保証があって安心安全

日本政府が個人投資家向けに発行する利付国債。利率は日本の金利情勢に合わせて決定されるので、2019年6月時点ではリターンは少ない。しかし、政府によって満期償還が保証されているので、安心して投資できる。額面1万円単位で購入できるだ。

投資初心者の運用をサポートする「ロボアドバイザー」も視野に

初心者でまだ投資知識が不十分、あるいは銘柄情報を収集する時間がない場合は、「ロボアドバイザー」サービスを利用するとよいだろう。

それぞれの投資スタイルに合わせてポートフォリオを組んで全自動で取引を行うため、初心者でも適切に投資運用できる。手数料が安く、少額から始められるのも心強い。

SBI証券「WealthNavi for SBI証券」、楽天証券「楽ラップ」、松井証券の「投信工房」、マネックス証券「Monex Adviser/マネラップ」など、ネット証券各社でサービスが提供されている。

自分の運用スタイルに適した投資商品を

初心者が投資を始める際には、資金的に無理がなく心理的な負担も少ない商品を選ぶのがおすすめだ。慣れてきたら、自分の投資目的や運用スタイルに合った商品選びにチャレンジしてみてはいかがだろうか。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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