NISAでは運用益が5年間非課税になるが、ロールオーバーすることで非課税期間を延長できる。基本的にNISAのロールオーバーは行ったほうがいいが、所定の手続きが必要だ。SBI証券で手続きする場合の流れと注意点を解説しよう。

NISAのロールオーバーとは非課税期間が終了する保有銘柄を翌年の新たな非課税投資枠に移すこと

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(画像=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

まずはNISAのロールオーバーとはどのようなものなのか確認しておきたい。

NISAで2015年買付分は2020年の非課税投資枠にロールオーバーできる

NISAでは買い付けた年から5年以内の売却に対する運用益が非課税となる。ロールオーバーとは、非課税期間が終了する保有銘柄を翌年の新たな非課税投資枠に移すことだ。ロールオーバーすることで非課税期間がさらに5年間延長され、最長10年間までNISAによる運用を継続できるのだ。

例えば、2015年にNISAを利用し投資した人は、2019年末に非課税期間が終了する。2020年の非課税投資枠にロールオーバーするには所定の手続きが必要だ。

NISAのロールオーバー手続きは基本的に行ったほうがいい

もしロールオーバーの手続きをせず非課税期間が終了した場合、NISAの資産は特定預かりか一般預かりとして通常の課税口座に自動的に移管される。課税口座への移管で注意したいのは、銘柄の買付単価が変更になることだ。

仮にNISAで買い付けた時の価格より値下がりした状態で移管されると、買付単価が移管時の価格に更新される。その価格から値上がりすると、NISAで買い付けた当初の価格を下回っていたとしても売却益に課税されてしまうのだ。一方、当初の価格より値上がりした状態で移管される場合は、たとえ実際には利益が出ていても移管時の価格から下回っていれば課税対象にはならない。

一般的にはNISAでの買付価格より値下がりしている場合はロールオーバーすべきだが、値上がりしている場合もさらなる上昇を期待できるならロールオーバーするほうがいいだろう。

NISAのロールオーバー手続きをSBI証券で行う流れ

SBI証券でNISA預かり銘柄をロールオーバーするための手続きを確認していきたい。

手続き1……翌年のNISAにロールオーバーできる銘柄を確認する

NISAで保有している銘柄は年ごとに管理されているため、まずはロールオーバーの対象になる銘柄を確認する必要がある。SBI証券では以下の画面で確認できる。

口座管理>口座(NISA)>年度別収支>「NISA口座管理」内のNISA/つみたてNISA保有証券画面

対象になる資産はその年の年末で5年の非課税期間が終了する銘柄だ。

手続き2……ロールオーバーする銘柄はSBI証券WEBサイトで登録する

ロールオーバーする資産は1銘柄ごとに選択でき、翌年の非課税投資枠に移したい銘柄をWEBサイトで登録しなければならない。銘柄の登録は以下の画面で行える。

SBI証券にログイン後の口座管理>口座管理(NISA)>ロールオーバーより、ロールオーバーする銘柄を登録

手続き3……期限までにSBI証券に書類送付する

NISA管理画面からロールオーバーする銘柄の登録が完了したら、SBI証券に必要書類を送付しなければならない。書類はSBI証券から郵送してもらうか、WEBサイトから自分でダウンロードする。書類の提出には期限があるため、ぎりぎりの場合はダウンロードして送付するようにしたい。

期限はホームページでも公表され、2018年は12月7日(金)だった。2019年も大体同じ時期になると考えられるが、ロールオーバーする予定の人は早めに書類を送付しておこう。

NISA預かりの銘柄をロールオーバーせず売却するなら受渡日に注意

ロールオーバーの手続きは難しいものではないため、NISAで非課税投資を継続したいなら忘れないようにしたい。ロールオーバーも課税口座への移管もせず売却する場合は、受渡日に気をつける必要がある。その年のNISAの利用は受渡日が基準となり、発注が年内でも受渡日が年をまたぐと翌年の非課税投資枠の利用になるため注意したい。

文・國村功志(資産形成FP)/MONEY TIMES

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