筆者はこれまで、数々の「億を稼ぐ経営者たち」を見てきた。稼ぐ社長の中には「浮気」というリスキーな行為に及ぶものもいた。個人の性格の違いはもちろんあるが、それ以上に稼ぐ人は浮気をしてしまう理由があるように思える。なお、本コラムの筆者の個人的見解であることを最初にお断り申し上げておく。

浮気は男性ホルモンと相関性がある?

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(写真=4 PM production/Shutterstock.com)

男性を浮気へと駆り立てやすい科学的な要素が存在する。ある脳神経内科の専門家の主張によると、ドーパミンやテストステロンが関係しているという。

恋愛をしている時のドキドキ感はドーパミンが関係しており、テストステロンは性欲のもととなる男性ホルモンだ。この男性ホルモンが過剰に分泌されている男性ほど、行動的、活動的、そして強い性衝動に駆られるという。「英雄好色」という言葉があるように、ビジネスや投資に挑戦的、活動的でたくましい男性ほど、異性である女性を強く求める傾向にある。

もちろん、パワフルで男性的な人が全員浮気をするわけではない。人間には理性があるので、衝動的な行動を理性でコントロールする力がある。だが、あまりにも衝動的な欲求が強いと、時に論理的思考も屈する局面もあり得るだろう。

浮気と男性らしさあふれる強さとは相関性があるのだ。

経営者はパワーが有り余っている

そして会社員と比べて、経営者はパワフルな人が多い傾向にある。彼らはある種「クレイジー」と言って差し支えないレベルのパワフルさを見せる。

月収2,000万円超のIT企業経営者K氏は、もう10年以上に渡って1年365日1日20時間近く働き続ける生活を送っている。彼はパートナーに「たまには温泉旅行でも行ってのんびりしたら?」と提案され、そのどおりに出かけていった。

だが、温泉旅行にいっているのに、ひっきりなしにビジネスチャットで指示や課題検討が送られてくるという。いわく、「温泉には間違いなく浸かってきた。残りの時間はすべていつもどおりビジネスをしていた」というからそのアグレッシブさには呆れてしまった。

ビジネスをパワフルにこなすような、経営者は揃いも揃って野性的で底なしのパワフルさがある。それ故にビジネスが安定期を迎えると、行き場のないエネルギーが次のビジネスチャンスを求めるのだ。…一歩間違えると「浮気」というエネルギーを注ぎがいのあるフロンティアにも手を出してしまうというわけである。

デキる人ほどバレない浮気をする理由

まず、筆者は決して浮気を推奨しているわけではない。一般的に、バレない浮気をすることは簡単ではないだろう。女性は男性よりも直感が強く働くともいう。男性では気づきもしない微細な変化から疑いを持ち、男性の浮気はあっさりとバレてしまうことが多いのではないか。

「バレない浮気」をするには用意周到さ、計画性、感情を浮つかせないなどのインテリジェンスさが求められる。浮気にうつつを抜かして、気分が高まり、いつもと違う行動をするような人はたちまちバレてしまう。

だが、ゼロからビジネスを立ち上げ、軌道に乗せて稼ぎまくるような実力派経営者であれば、こうした細かい点にも気を配ることができる。

筆者が聞いたことがある話では、足がつかないようにもうひとつ携帯電話を持ち、連絡はPCメールと音声通話のみ。浮気相手も距離が近い人を避けて、自宅も絶対知られないようにする。極めつけはアリバイを常に作る、という周到さで驚かされたほどである。

浮気も技術、ばれない浮気もバカには出来ないのである。それ故に、デキル経営者の奥さんもそれに気づく嗅覚とインテリジェンスさが求められるのではないだろうか。

文・黒坂岳央(水菓子 肥後庵 代表・フルーツビジネスジャーナリスト)

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