(本記事は、藏本猛Jr氏の著書『誰も知らなかったラーメン店投資家になって成功する方法』=合同フォレスト、2019年10月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

他の投資のほうがおいしくないのか

ラーメン
(画像=Elena Eryomenko/Shutterstock.com)

ラーメン店投資より、一般的な投資のほうが儲かるのでしょうか? 代表的な投資を見ておきましょう。

●自動販売機ビジネスはほとんど儲からない

ラーメン店投資と比較するのは少々無理があるかもしれませんが、ちまたでは自動販売機を設置して不労所得を得るというサイドビジネスが注目されているようです。確かに自動販売機は設置から補充、清掃のメンテナンスまでをメーカーに任せてしまう方法であれば、あとは設置場所の使用料(自分の土地なら不要)と電気代を負担するだけですから、まったく何もしなくてもお金が入ります。

これで儲けている成功例では、月に会社員の月給以上の金額が入ってくることもあるそうです。しかし、そのような成功例はかなり少数派だと考えたほうがよさそうです。

実は、私も自動販売機を設置しています。しかし収益は月に数千円いくかどうかです。

私の知り合いにも自動販売機を設置している人がいますが、本当に子どものお小遣い程度しか入らないと言っていました。

清涼飲料の自動販売機の場合、マージンは1本当たり20~25円です。一方、月の電気代は5000円前後かかります。つまり、毎日10本以上コンスタントに売れてくれないと、赤字で持ち出しになってしまいます。ところが、1日に10本以上毎日売れるには、かなり条件の良い場所でなければ難しいでしょう

私の場合はラーメン店の近くに設置していましたが、それでも電気代を引いたら月に2000~4000円くらいしか残りませんでした。電気代がかからないという意味では、ガチャガチャやガチャポンなどと呼ばれるカプセルトイを設置するほうが多少は手取りが多くなるかもしれません。

ただ、東京・錦糸町のラーメン店の近くに設置した自動販売機は割と稼いでくれています。これは、ラーメン店のお客さまだけでなく、駅の利用者が購入していたためで、メーカーが1日に3回は補充していたほど売れていました。それでも、手元に残ったのは月に1万円前後です。

●駐車場ビジネスはつまらない

やはり、不労所得として注目されているものに駐車場ビジネスがあります。ただし、駐車場ビジネスを始めやすいのは、自分で空いている土地を持っている人です。

駐車場ビジネスには月極タイプとコインパーキングタイプがあります。いずれも収益が良いか悪いかは立地条件次第です。

うまく駐車ニーズが高いところに土地を持っていれば、不労所得を得ることができます。ただ、駐車場ビジネスは面白みがありません(と、少なくとも私は思います)。ラーメン店であればお店やメニュー、接客方針などで自分の個性を出したり、より売上を上げるために工夫することなどができますので面白みがありますが、駐車場ビジネスではそのような面白みは得られません。

●資産運用は不動産だけじゃない

資産運用と言えば、不動産投資も注目されています。特にアパートや賃貸マンションをローンで購入して家賃収入を不労所得にするというものです。しかし、アパートや賃貸マンションには空室リスクがあります。借り手がいない間は家賃収入がないため、本業の収入をローン返済に充てる赤字経営になってしまいます。

また、中古物件などを購入した場合、思わぬ修繕費の出費が発生したり、入居者が現れないことで家賃を下げざるを得なくなり、予定していたリターンを得られなくなったが、売却しようとしても購入時の価格では売れなくなっていたということもあります。

●株、FX、先物取引は一晩で全財産を失う危険大

株式投資やFXは以前からサラリーマンには人気のある投資でしたが、最近ではスマートフォンを利用して取引できるようになったため、ますます手軽に投資できるようになりました。

しかし、株式投資やFXは元本が保証されるわけではありませんし、株価が暴落したり為替相場が思惑とは逆に動いたりすれば、瞬時に投資した資産を失ってしまいます。しかも、株式相場や為替相場は、投資した個人の工夫や努力でどうにかなるものではありません。かなり運任せな要素が高いと言えます。

●ビットコイン投資には不確定要素が多すぎる

近年、ビットコインをはじめとする仮想通貨投資が流行しています。仮想通貨投資では、その価値が数十倍から数百倍になることもあり、一夜にして億万長者になった「億り人」と呼ばれる人たちが誕生しました。

この、絵に描いたような一獲千金を求めて、仮想通貨に投資する人が急増しました。仮想通貨にはまだ未知な要素があり、今後暴落する可能性もあれば、幾度も暴騰する可能性もあります。ですから、確かに数少ない一獲千金を狙える投資手段であることは間違いありません。

したがって、仮想通貨については、夢を購入するくらいの気持ちで投資してみるのもありかもしれませんが、個人的にはやっぱり確実に儲かるラーメン店投資だな、と考えています。

●銀行の投資商品はすずめの涙しか儲からない

堅実な運用を行うなら、銀行の金融商品だろう、という人も多いかもしれません。銀行を窓口とした金融商品には普通預金や定期預金、外貨預金、仕組預金、国債、社債、投資信託、MMFなどがあります。

銀行が取り扱っている金融商品というと、堅実な印象がありますが、すべてが元本保証ではありません。中には元本割れを起こす金融商品もあります。また、リターンがすずめの涙であることも特徴です。たとえば普通預金や定期預金の金利は0.001~0.3%程度です。外貨預金はもっと金利が良いですが、それでも実質0.5~1.5%程度ですから、100万円預けても1年で数千円のリターンしかありません。

南アランド(南アフリカの通貨ランド)のように金利が高い外貨は、政治的・経済的に不安定な情勢によるリスクも高いということを示しています。我が国の国債も個人向け最低金利が0.05%となっていますが、事実上はマイナスです。

このように銀行が取り扱っている金融商品の利回りは低いのですが、会社員としてコツコツ働いてきて投資などしたことがない人が退職金でまとまったお金を得た場合は、銀行くらいしか資産運用の相談先が思い浮かばないかもしれません。

ラーメン店投資は実利も楽しさも手に入る

特に会社員の方が注目している投資もしくは不労所得を得られる手段について簡単に見てきました。それぞれ一長一短があると思いますし、投資される方の予算やリターンを得るまでの期間、そしてリスクに対する考え方などでどのような投資を行うかが決まってくると思います。

ただ、リターンの大きさとリスクの小ささという点で比べれば、いずれもラーメン投資に及ぶものはない、というのが私の結論です

また、ラーメン店投資には、他の投資では得られない面白みがあります。それは、自分のお店を持つことができることや、実業家になれること、お客さまがいっぱい入って繁盛している光景を自分の目で確かめられること、お店を増やして事業を拡張していけることなどです。

誰も知らなかったラーメン店投資家になって成功する方法
藏本猛Jr(くらもと・たけし・ジュニア)
ラーメンプロデューサー。国際ラーメン協会代表(International Ramen Association CEO)1996年、父親の急死によって、27歳で父親の経営するゴルフ場の社長に就任。その後、ゴルフ場で売れ行きの良かった「ラーメン」に注目し、ラーメン店開業を目標に試行錯誤が始まる。簡単でおいしい、誰でも作れるスープを開発し、スープメーカーからの製品化を果たす。2010年に念願のラーメン店を東京に開業。2014年にラーメンプロデューサーとしての活動を開始する。2019年に国際ラーメン協会を設立。

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