「つみたてNISA(ニーサ)」が制度化してまもなく2年が経ちますが、実はいまいち理解できていない……という人もいるかもしれません。つみたてNISAの口座は一度開設すると1年間は金融機関を変更することができないため、どこで「つみたてNISA」の口座を開設するかは、重要なポイントになります。ここでは、つみたてNISAの概要とともに、比較ポイントを挙げながらおすすめの口座を紹介します。

つみたてNISAとは

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(画像=PIXTA)

「つみたてNISA」とは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。給与口座などの普段使っている口座から自動引き落としなどにより積み立てられ、その額を長期投資にあてるという仕組みです。

「投資」と聞くと少し敷居が高いイメージがありますが、つみたてNISAは長期的な分散投資を後押しすることが目的のため、対象ファンドは長期の積み立て、投資に向いた商品が厳選されており、安心感があります。また、金融庁の取り決めによりどこで購入してもファンドの購入手数料は無料です。解約手数料などもかからないため、一般的な「投資」と比べると運用費用を抑えて取り組めます。

また、毎年40万円まで投資することが可能で、最長で20年間ものあいだ、投資から得た利益が非課税となります。開設できるのは1人1口座までで、もちろん投資である以上、一定のリスクも伴いますが、税制優遇制度とあって節税対策としても活用しやすく、投資初心者にもおすすめです。

金融機関を比較するときのポイント

銀行より証券会社がおすすめ

つみたてNISAは、金融庁が認定した約170本の投資信託から、好みの商品を選んで買い付けますが、金融機関によって取り扱っている商品が異なります。ほぼすべての商品を取り扱っているところもあれば、数本のみというところもあります。当然、多くの商品を取り扱っている金融機関を利用したほうが選択肢は広がります。

全体の傾向として、銀行より証券会社のほうがラインナップは多めです。特にネット証券は多くの商品を揃えています。

また、販売手数料はどこでも無料ですが、信託報酬という保有費用が発生します。この「最安信託報酬」が金融機関によって異なり、特にネット証券は銀行や大手証券会社よりも信託報酬が安めに設定された商品を多く取り扱っているので人気があります。

最低つみたて金額で比較する

「毎月いくら積み立てるか」という積立金額を検討するとき、金融機関によって異なる「最低積立額」を重視すべきです。毎月100円から手軽に積み立てられるネット証券もあれば、大手銀行などには毎月1万円からなど少しハードルが高いところもあります。

どのくらいの負担でやっていくのかを考え、無理のない範囲で取り組めるところを探しましょう。

ポイント還元率で比較する

最後に比較したいのはポイント還元率です。ネット証券を中心に、投資信託の保有残高に応じてポイントがもらえるサービスがあります。

信託報酬や銘柄によって還元率が異なるため、金融機関ごとの単純比較はしにくいのですが、たとえば楽天証券などは、貯まった楽天ポイントをそのまま投資に使えるなどのメリットもあります。日頃から楽天ポイントを貯めている人は連携して取り組みやすいでしょう。

「貯まっているポイントをどう使うか迷っている」「どうせならお得に積み立てたい」という人は、ぜひ気になる金融機関のポイントサービスの有無についても調べてみることをおすすめします。

つみたてNISAにおすすめの口座ベスト3

SBI証券

取り扱っているファンド数が多く、最低100円から始められます。WEBで申し込みが完結し、最短2営業日で口座開設が可能。自動投資なので自分でファンドを選ぶ必要もなく、積み立てるタイミングを「毎日」「毎週」「毎月」から選ぶことができるため、自分なりのペースで無理なく続けられそうですね。

楽天証券

楽天証券の魅力はなんといってもポイントサービスでしょう。他と並んで取扱商品数が多いだけではなく、口座開設や各種取引でポイントがたまるほか、投資信託を保有しているだけでも毎月ポイントがたまります。

たまったポイントで積立投資もできるほか、積立を楽天カードのクレジット決済にすれば楽天カードのポイントも貯まるので、楽天カードを持っている人はよりメリットを感じられるでしょう。

また、SBI証券と同じく投資のペースを選べるほか、自分で選んだ複数のファンドの積み立てをまとめて設定できるので、リスク分散のために複数のファンドへ投資したい人にも使いやすくなっています。

松井証券

テレビで話題の株主優待名人「桐谷さん」も30年愛用しているという松井証券。取扱商品も他と並んで多く、投資専用のスマートフォンアプリを無料で利用できるメリットがあります。

アプリでは、ファンドの購入、運用のメンテナンス、ロボアドバイザーによる投資提案まで、つみたてNISAだけではなく投資全般をサポートしてくれる機能が充実。投資初心者からベテランまで、最新情報を得ながら口座管理を手軽にこなしたい人におすすめのツールです。

つみたてNISA口座は一人ひとつまで

冒頭でも伝えましたが、つみたてNISAの口座は一人ひとつしか持てません。さらに、最低一年間は同じ口座を利用しなければならず、書類手続きが煩雑なこともあり、そう簡単には変更できないと思っていたほうが無難です。上記の3社はいずれも100円から手軽に始められて取り扱い銘柄も多くおすすめですが、生活口座との兼ね合いも加味しながら各金融機関のメリット・デメリットを自分なりに比較してみることをおすすめします。

文・木村茉衣(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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