(本記事は、関根 俊輔氏の著書『経費で落ちる領収書・レシートがぜんぶわかる本』新星出版社の中から一部を抜粋・編集しています)

経費
(画像=PIXTA)
【使える勘定科目】
Q.個人事業主、1人社長におすすめの勘定科目は?
A.仕事に必要な本をたくさん買う人は「新聞図書費」。消耗品費を整理したい人は「事務用消耗品費」。ほかには「会議費」もおすすめです。

おすすめは「会議費」

個人事業の青色申告の決算書にあらかじめ印刷されている勘定科目以外に、どんな勘定科目をつくっておくとよいでしょうか。

事業の内容によっても違ってきますが、前項の例のように、新聞や本をたくさん購入する場合は「新聞図書費」がよいでしょう。電子書籍や資料のDVDなどもここに入れられます。

また、コピー用紙や10万円未満の資産のような消耗品費が多くて整理したいときは「事務用消耗品費」があるといいでしょう。

企画などが途中でボツになるケースが多い仕事は「研究費」や「試験研究費」もおすすめです。

そして、どなたにも絶対おすすめしたいのが「会議費」の勘定科目をつくることです。

会議費と聞くと、貸会議室代かと思うかもしれませんが、ここでおすすめしたいのは、会議で出すお茶やお菓子、食事などの経費で、これらも会議費で落とせるのです。

場所も、会議室や事務所に限る必要はありません。喫茶店で取引先と打ち合わせしても会議、食事どきだったらレストランで食事をしながら話をしても会議です。

そのときのコーヒー代や食事代が、会議費になります。

経費で落ちる領収書・レシートがぜんぶわかる本
(画像=経費で落ちる領収書・レシートがぜんぶわかる本)

会議費をつくり接待交際費と分ける

こうした飲食代は、「接待交際費」(取引先など外部の接待のため)でも発生します。

そこで、会議費、接待交際費というグループで考えると、なかでも気をつけたいのが接待交際費です。

接待交際費は異常に額が多いと、税務調査の対象になりやすいのです。

自分や家族の個人的な飲食を、接待交際費で落とそうとする事業主も、なかにはいるからです。

そこで打ち合わせの飲食については、「会議費」の勘定科目をつくり、本来の接待交際費とは分けたほうがよいという考え方ができます。

従業員がいる場合は、その慰労のための分を福利厚生費に分けると、本来の接待交際費だけが残り、額も妥当なものになるでしょう。

個人事業主
(画像=Getty Images)
【事務所・店舗の経費】
Q.私的な出費に見えて経費で落とせるものがある?
A.事務所や店舗などで使った費用は、ぜんぶ経費で落とせると考えていいでしょう。プライベートに見えても経費で落とせます。

事業を行う場所に関わる経費の扱い

個人事業主でも1人社長でも、事業をしている人は必ず、事業を行うための場所を設けているはずです。事業の種類によって、それは事務所だったり、店舗だったり、あるいは商品の倉庫という場合もあるでしょう。

それら事業専用の場所のために使った経費は、まず、ぜんぶ経費で落とせると考えていいでしょう。

家賃はもちろんのこと、電気・ガス・水道、備品、事務用品──ぜんぶ経費で落とせます。

例えば冷蔵庫などは、家ではキッチンに置いてあるのでプライベートなものに思えます。

しかし、事業のための来客に出す飲み物を冷やしているなら、これは経費で落ちます。

経費だけを適切に計上する

このように、専用の事務所、店舗、倉庫の場合は、ぜんぶ経費で落とせると考えられますが、問題は自宅兼用の事務所などの場合です。

個人事業主や1人社長のなかには、専用の事務所を構えるまでもなく、自宅兼事務所で仕事をしている方も多いでしょう。

その場合、例えば家賃にはプライベートの費用と事業の経費が入り交じることになります。

これらはきちんと分けて、事業の経費だけを取り出して計上しなければなりません。

個人事業主ではこれを、「家事按分(かじあんぶん)」という方法で解決します。

つまり、個人事業主のプライベートと、事業の経費が入り交じった費用をそれぞれの割合で2つに分け、プライベートの分を取り除いて、事業の経費だけを取り出すのが、家事按分です。

一方、会社になっていると家事按分の方法は使えません。

しかし、プライベートの分と事業の分を適切に分けて、事業の分を経費で落とす方法は考えられます。

このように、事務所、店舗、倉庫などに関連して発生する経費は、経費にあたるものだけを適切に計上することがポイントになります。

経費で落ちる領収書・レシートがぜんぶわかる本
(画像=経費で落ちる領収書・レシートがぜんぶわかる本)
経費で落ちる領収書・レシートがぜんぶわかる本
関根 俊輔
税理士。中央大学法学部法律学科卒。優秀なビジネスマンや税理士を多数輩出する尾立村形会計事務所(東京都)で会計人としての修行を重ねる。その後、関根圭一社会保険労務士・行政書士事務所(茨城県)にて、主に労働基準監督署や社会保険事務所の調査立ち会いや労使紛争解決等の人事業務、加えて、法人設立・建設業許可、遺産分割協議書や内容証明郵便及び会社議事録作成等の業務に携わる。平成19年には、共同で税理士法人ゼニックス・コンサルティングを設立。現在は、学生時代から培った「リーガルマインド」を原点に、企業に内在する税務・人事・社内コンプライアンス等、経営全般の諸問題を横断的に解決する専門家として活躍している

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