新年早々市場の話題といえば米軍によるイランの司令官殺害事件だった。その後の展開については今更ここで詳説するまでも無いが、当初は「あらぁ、今年は戦争から始まるのか」と筆者も感じた。ならば「運用しているお金、どうしたら良いの?」と不安になった人も多いではないか。こうした時、まず頼りにするのは何だろう?
まず、その時の記憶を辿ってみて欲しい。
(1)誰(何)が頼りになったか?
(2)誰(何)から適切なアドバイスを得られたか?
投資信託に限らず、金融取引ならば皆同じことが言えるが、大切なのは通常運行している時だけではなく、正にこうした緊急時と思われる時に誰(何)がどうしてくれたのかが今後の取引などを考えてもとても大事だ。
例えば、どこの金融機関の誰が真っ先に連絡をくれて、どんなアドバイスをくれたかとか、どの何のどんな記事が、或いはどんなメルマガが、貴方の心の琴線に触れる情報をくれたかということだ。
「臨時レポート」の発行事例は極めて少ない
こんな時、本来役立つのは運用会社が発行する「臨時レポート」だ。
投資信託の運用状況を知るためのツールとしては、(1)運用報告書、(2)運用レポート、そして(3)臨時レポートがある。(1)は決算毎に発行されるもの、(2)は(1)よりも短いサイクル(例:毎週、隔週、毎月など)で発行されるが、どちらも定期的にしか運用状況は伝えない。
「臨時レポート」も実は発行ルールに従った機械的な発行というのが殆どだ。運用会社が必要と判断して機動的に発行を決めているわけではない。試しにGoogleで「基準価額が5%以上下落」と検索してみると、なんと約225万件も表示される。よく見ると各社一様にその文言が「基準価額が5%以上下落した当社ファンドについて」となっている。これが実態だ。
なぜ「定型句」が冒頭を飾るかと言えば、投資信託協会が運用会社宛てにそうした自主ルールの制定を指導しているからだ。逆に言えば、基準価額が5%以上下落しなかったら殆どの場合は発行されない。本当にそれで良いのかはあらためて議論したい。