メーカーとして独自の販売網の構築も

ピップ,松浦由治
(画像=THE21オンライン)

――メーカーとして商品を販売していくうえで、卸売業者としてドラッグストアなどの小売店との関係を築いてきたことは、メリットになるでしょうか?

松浦 それは当社の大きな強みです。新商品を発表してから1カ月後には、全国の店頭に商品が並びますから。

ただ、裏を返せば、売れなかったら大量の在庫の山ができるということでもあります。地域や取扱店を限定し、初回配荷を減らして、テスト販売から始めることもしていこうと思っています。

――海外での販売については?

松浦 長くやってきてはいるのですが、あまり力を入れてこなかったところなので、5~6年前から、外部から経験者も招いて取り組んでいるところです。

台湾には現地法人として販社を持っていますが、中国、韓国、香港、タイやベトナム、マレーシア、シンガポールなど、東南アジアを中心とする他の国々では代理店に販売していただいています。中国は、市場が大きいのに展開が不十分なので、ネット販売も含め、これからの課題だと思っています。

――最後に、改めて、これからの事業展開についてお教えください。

松浦 卸売りについては、環境が厳しいですから、生き残るためには小売業者や他のメーカーとコラボレーションをしていくことが必要だと考えています。小売業者の機能の一部を当社が請け負うこともあり得るでしょうし、メーカーの営業の代行は、すでに始めています。

メーカー機能については、売上げを2~3倍に引き上げたい。そのためには、ドラッグストアをはじめとする既存の販売網だけでは足りません。メーカーとして独自の販売網を新たに作っていきたいと考えています。

《写真撮影:まるやゆういち》

松浦由治(まつうら・よしはる)
ピップ〔株〕代表取締役社長
1958年、東京都生まれ。早稲田大学を卒業後、医薬品の卸売りを行なう〔株〕三星堂を経て、ピップフジモト〔株〕(現・ピップ〔株〕)に入社。2010年、副社長に就任し。18年、社長に就任。(『THE21オンライン』2019年12月07日 公開)

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