会社の外に出て可能性を広げよう

働く個人としても、40代以下は上の世代のように昇格・昇給し、退職金や年金を多くもらえないので、「働けるうちは働く」という意識が必要となります。

そのためには、今のうちから技能の習得や人脈作りなどに励み、いつまでも組織に必要とされるための努力が不可欠です。あるいは会社の外へ出て、今いる組織とは別の場所で自分の能力や経験を生かせないか探ってみるのもいいでしょう。

最近は、都会で働く若者たちが週末や有給休暇を利用して地方に出かけ、ボランティア活動や農業体験をしながら、都会にはない自分の可能性を探っている姿が数多く見られます。ミドル世代もこうしたチャレンジをすれば、新たな自分の活躍の場を見出す可能性は十分あります。

自分が高齢者になるまでの助走期間で、変化に対応する力を磨くことが、これからの未来をポジティブに生きる秘訣です。

河合雅司(かわい・まさし)
人口減少対策総合研究所 理事長/作家・ジャーナリスト
1963年、名古屋市生まれ。中央大学卒業。産経新聞社論説委員を経て、一般社団法人「人口減少対策総合研究所」理事長に就任。現在、高知大学客員教授、大正大学客員教授、日本医師会総合政策研究機構客員研究員など多くの職務を兼任。厚労省をはじめ政府の各有識者会議委員も務める。ニッポン放送のニュース解説番組『ザ・フォーカス』(18:00~20:20生放送)のレギュラーコメンテーター。新聞、雑誌などで複数の連載も手掛ける。2014年に「ファイザー医学記事賞」の大賞、18年にNPO法人ひまわりの会「ひまわり褒章」の個人部門賞、19年に「第80回文藝春秋読者賞」など受賞多数。人口減少日本で起きることを克明に描いた著書『未来の年表』(講談社現代新書)、続編の『未来の年表2』(同)、最新刊の『未来の地図帳』(同)はいずれもベストセラーとなり、累計で86万部(2019年9月末日現在)を突破した。これら以外にも『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社新潮選書)、『河合雅司の未来の透視図』(ビジネス社)、『マンガでわかる未来の年表』(講談社、漫画・水上航、監修・河合雅司)など数多くの著書がある。(『THE21オンライン』2019年12月09日 公開)

【関連記事THE21オンラインより】
毎朝の通勤電車。ゲームは脳にとってよいのか、悪いのか~脳外科医がアドバイス
「嫌な職場」から“安全に”脱出する2つの方法
現在の年金給付水準でやり繰りできる、「コンパクトな暮らし」のすすめ