日本で唯一のバトラーサーヴィスを提供している新井直之さんに3回にわたってお話を伺ってきた。
年収数億円以上の富裕層や大富豪と呼ばれる人たちだからこそ、将来を見据えて子供に人脈を形成させ、学力、金融感覚を高めるための多方向の教育を施している。一方、富裕層の教育と聞いたときに多くの人が気になるのは「親の年収と学力は比例するのかどうか」という点ではないだろうか。
結論から言うと、それを裏付けるデータは出ている。本記事では調査の具体的な内容と、年収以外に子供の学力を左右するポイントを紹介する。
親の年収によって子供の学力にはどれくらい差があるのか?
お茶の水女子大の「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究(平成30年)」によると、年収200万円未満の家庭と年収1500万円以上の家庭では、はっきりと学力に違いが出ている。
例えば小学6年生の算数Bにおいては、年収200万円未満だと平均35.6点だが、年収1500万円以上の場合は平均58.9点で、なんと23点もの差がある。
学力の差を生む大きな要素の一つは、どうやら保護者が支出する子供の学習費にあるようだ。文科省の「平成30年度子供の学習費調査」によれば、子供1人当たりの1年間の学習費の平均は小学校では公立が約32万円、私立は159万円と実に5倍もの差がある。
ここには学費以外にも給食費や校外活動費などが含まれているが、純粋な学費だけを見ても公立小学校は約6万円、私立は90万円。校外活動費は公立が21万円、私立が64万円と大きな開きがある。
年収400万円と年収1200万円でこれだけ違う、子供にかける「学習費」
この数値を基準としてさらに年収別の学習費の違いを見てみると、年収400万円未満の家庭の小学校における学習費は公立が約23万円、私立が約116万円。一方、年収1200万円以上の家庭の場合は、公立が約54万円、私立が約181万円だ。