これからの営業は仮説検証がすべて

「社歴の長い中小企業を重点的に当たると成約率が高くなるのでは」という仮説を立てたこともあります。

社歴が長い会社は内部留保が貯まっていて、資産運用のニーズが高いはずだとあたりをつけたのです。

そこで帝国データバンクや東京商工リサーチのデータベースにアクセスし、「設立30年以上、売上げが1億円以上、10億円以下」で検索して独自のリストを作りました。検証の結果、この仮説もかなり使えることがわかって、この条件検索はその後も多用することになりました。

ところが多くの営業は仮説検証をせず、いまだに勘と経験に頼っている。

その原因は、やはり「高いゴール設定をしていないこと」に尽きます。リミッターを外せば、たとえ今は「面談率30%・成約率30%」でも、「売上げを5倍にするには、面談率70%・成約率70%にしなくてはいけない」といった前提に立てる。できる前提で大真面目に実現手段を考えれば、必ず方法は見つかります。

特に30代や40代になると、守りに入りがちです。ベテランこそリミッターを外して、より高いゴールを目指してください。

『THE21』2019年12月号より

冨田和成(とみた・かずまさ)
ZUU代表取締役
神奈川県出身。一橋大学在学中、IT分野で起業。大学卒業後、野村證券に入社。数々の営業記録を樹立し、最年少で本社の超富裕層向けプライベートバンキング部門に異動。その後、ASEAN地域の経営戦略担当を経て、2003年にZUUを設立。金融経済メディア「ZUU online」を含む資産運用の総合プラットフォームを運営する他、企業のフィンテック化推進支援やPDCAエンジニアリング事業などを展開。著書に『営業』(クロスメディア・パブリッシング)『資本主義ハック』(SBクリエイティブ)など。(『THE21オンライン』2020年02月03日 公開)

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