今後30年以内に高い確率で起こるといわれている首都直下地震。国の中央防災会議の見通しによれば、この大地震が実際に起こった場合の最悪のシナリオでは、死者は2万3,000人、経済的な被害額は95兆円におよぶともいわれています。大きな災害にいつ見舞われるか分からないことを考えると、究極の防災は安全な土地と建物への引っ越しという説があります。現在住んでいる場所でも実現可能な防災シェルターや、いっそ陸上を離れてしまう潜水艦など、最新の防災ツールをご紹介します。

国の想定では、首都圏に今後30年以内に70パーセントの確率でマグニチュード(M)7クラスの直下型地震が発生するとみています。地震後に発生する火災の被害も大きく、最大で61万棟が全壊もしくは焼失する可能性があると想定されています。建物の耐震性を高めたり、火災対策を強化したりすることで、想定される被害を抑制できるとしていますが、火災以外にも、土地の液状化や津波などによる被害も想定されています。

「世界の終わり」に備えたシェルター

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(画像=iurii/Shutterstock.com)

こうした自然災害などによる「世界の終わり」に備える動きは国外でも出ています。例えば、米国ではテキサス州に拠点を置く企業が特別仕様の地下シェルターを提供しています。鋼鉄製のシェルターを地下に埋め込むもので、リビングルームのほかにも植物などを栽培する温室や健康を維持するためのトレーニングルームなども用意できるそうです。

また、サウスダコタ州には米軍が利用していた575の防空壕で構成されたシェルター群があり、現在は民間によりライフセービングシェルターとして再利用されています。こちらを提供している企業によれば、シェルターは地下に埋められており、10人から24人が外に出ることなく、1年以上を過ごすための食糧なども貯蓄しておけるとしています。

完全防水耐震地下シェルターで家族や財産を保護

こうした地下シェルターの動きは日本でも出ています。株式会社アースシフトが打ち出しているのが完全防水耐震地下シェルター「SOTOCHIKA(ソトチカ)」。地震や津波などの自然災害から家族や財産、思い出を守るとうたっており、自宅の庭や駐車場などの地下にシェルターを建設することが想定されています。小型タイプで4~8人、大型タイプなら40~50人に対応でき、繊維強化プラスチック(FRP)と鋼板の二重構造のほか、円筒形の本体により、自然災害による土圧の変化などの外圧を均等に受け止めるとしています。

発泡スチロール製のシェルターで水に浮かんで水害を回避

地下に避難所を用意するのが難しいなら、水に浮かぶ発泡スチロール製のシェルターはどうでしょうか。

小野田産業(静岡市清水区)が開発した「SAMLIFE(サムライフ)」はシェルターを形成する素材の95%以上に発泡スチロールを採用。さらに、発泡スチロールの表面を室内外ともに米国防総省の外壁でも使われている耐衝撃性のある「ポリウレア」という特殊な樹脂でコーティングしました。これにより平時は「小部屋」として利用しつつ、災害が起こった際には津波から逃れたり、プライバシーを確保できるシェルターとして活用できるとのことです。

プライベート潜水艦で日本から「脱出」?

水に浮かぶシェルターで物足りなければ、思い切って個人用の「潜水艦」などはいかがでしょうか。オーストリアに拠点を置くMIGALOO社はプライベート用の潜水可能なスーパーヨットの設計を手掛けています。同社が特別に設計した「M7」は全長283メートル、幅32メートル、高さ34メートル。甲板部にはヘリコプターの着陸場所やスイミングプールを設置することも可能で、海面を32ノット、海中でも21ノットで航行できるとしています。保守管理のほかにも航行時にはクルーが必要となりますが、地震や津波、火災などに見舞われても陸地から海へと出てしまえば日本からの「脱出」も可能となるかもしれません。ただし、この潜水可能なスーパーヨットの価格は、一部報道によれば23億ドル(約2,500億円)ともいわれており、気軽に購入とはいかないスケールでもあります。

さすがに潜水艦の導入は現実味が薄いかもしれません。しかし、地震大国である日本では誰であれ、災害への備えは必須です。守るべき資産はもちろん、家族や自らの生命も考えるとき、最新の災害ツールや生き残るための条件について、真剣に検討すべきであることは間違いないでしょう。(提供:JPRIME


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