ビジネスにおける接待は、洋の東西を問わず、重要なコミュニケーションの場です。接待では相手とよい時間を共有できるよう趣向をこらすことが重要。海外のエグゼクティブはアイスブレイクに、話の接ぎ穂に、ワインを上手に活用します。日本酒やビールとは異なる、ビジネスコミュニケーションに役立つワインの魅力を解説します。

ワインは文化であり教養でもある

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(画像=olgakimphoto/Shutterstock.com)

多くの日本人にとってワインは、単に酒の種類の1つという認識かもしれませんが、海外では美術、文学、音楽といった文化として、また歴史、地理、経済、投資などに横断的に関わる教養として、当たり前に根づいています。ワインについての知識を持ち合わせているかどうかは、ビジネスを成功させることができるかどうかの大切な要素です。

また、接待とは言え、せっかくの食事の最中に仕事の話ばかりするのは無粋というもの。ワインは仕事相手との共通の話題としても重宝します。上流ビジネスパーソンの「たしなみ」として押さえておきたいものです。

ソムリエの力を活用する

とはいえ、「ワインのことなんか全然わからない」という人もいることでしょう。でも、心配はいりません。ソムリエがいるお店を選び、プロの力を借りればいいのです。

まずは予約時に、接待である旨と予算、相手の食材の好き嫌いやアレルギー、ワインの好みを伝えておきます。さらに、相手が外国人なら、その方の出身地のもの、日本人の場合でも、その人が海外赴任や旅行などで訪れたことのある土地のワインを用意すると喜ばれるでしょう。

また、可能であれば、相手の生まれ年(女性相手の場合は避けます)、会社の設立年、大きなプロジェクトが成功した年などを調べておき、その年に作られたヴィンテージワインを用意するというのも気が利いています。説明はソムリエに任せ、いっしょに話を聞けばよいのです。こういった工夫をすることで、たとえワインに詳しくなかったとしても、おのずと話が盛り上げります。

ワインの知識以前に、マナーをしっかりわきまえておくことも大切です。相手がいくらワインに詳しかったとしても、接待の場であることを忘れてはいけません。あらためて好みを確認するくらいは構いませんが、オーダーはすべてこちらで行いましょう。ましてやテイスティングをお願いするなどもってのほかです。

接待に使うようなランクの店であれば、ふつうはソムリエがグラスに注いでくれます。お酌の手間がないという点でもワインは接待向きですが、反面自分で量をコントロールすることができません。「もう飲めない」と思った時に注がれそうになったら、グラスのふちを人差し指と中指でそっとかざせば、ソムリエへの合図になります。声に出さずに断ることができるため、場をしらけさせることもありません。

ワインを通じて人脈を広げる

ここまでは、ワインでの接待の初歩中の初歩を解説しました。もう少し踏み込んでワインの話をしたいという場合は、ワインスクール、ワインセミナーなどに通ってみてはいかがでしょう。内容は、ワインの歴史、産地、醸造方法などの基礎知識から、料理との合わせ方、マナー、近年の流行りのワインの傾向についての講義などなど、多岐にわたります。もちろんテイスティングを行うセミナーもあります。

「ワインの味を見分ける自信なんてないから」と尻込みしてしまうかもしれませんが、ソムリエを目指した学びではないので大丈夫。もし味の違いがさっぱりわからなかったとしても、「リースリングはドイツの代表的な品種で、辛口にも甘口にも使われる」といったテイスティングの合間に挟まれる説明をちょっと覚えておくだけでも十分役に立つことでしょう。

こういったセミナーには、いわゆるエグゼクティブな人たちが集うものです。そこで意気投合できれば、さらに多くの業種のエグゼクティブと出会うきっかけにもなります。仕事用の接待のツールとしてだけでなく、ワインが思わぬ人脈を築くきっかけにもなるかもしれません。(提供:JPRIME


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