「何を、どう伝えるか」を考えれば、自然とインプットも早くなります

インプットツール,山口真由
(画像=THE21オンライン)

財務官僚から弁護士へ、そして現在は数々の報道・情報番組でコメンテーターを務め、講演会でも活躍している山口真由氏。そんな山口氏のアウトプットのエッセンスを凝縮した『思い通りに伝わるアウトプット術』が発刊された。ただ、いくら「伝える」技術があっても、肝心の「伝える内容」がしっかりしていなくてはなんの意味もない。最短の時間で良質のインプットをするコツを伺った。

インプットは常に「アウトプット前提」で

勉強法や読書術などの著書も多い山口氏。本来はアウトプットよりもインプットのほうが得意だという。ただ、アウトプットを意識することなしにインプットを行なうことはない、とも。

「『どういう立場でアウトプットするか』を踏まえてインプットすることが大事だと、常々思っています。コメンテーターの仕事で言えば、専門家として語るのか、専門外のことについて一般的な視聴者の立場からコメントするのか。それによってインプットすべき情報の質も量も変わってきます。例えば後者なら、過剰に詳細な知識を頭に入れる必要はありませんよね」

コメンテーターの仕事に携わったばかりの頃は、そこを考えずに専門家レベルの知識をひたすらインプットしてしまったこともある、と振り返る。

「野球の話題に備えて、ドラフトの仕組みについてやたらと詳しくなってしまったことも(笑)。でも、それを私がとうとうと語るのは明らかに不自然ですし、付け焼き刃の知識はすぐに見抜かれてしまいます。求められた役割に応じて、インプットの内容も変えるべきなのです。私の場合、基本的に求められるのは法律家としてのコメントなので、どのような話題もできるだけ法的側面から語れるようにしています」

情報は「本」。まずは1冊通読する

インプットの手段にも色々あるが、山口氏が最も活用しているのは書籍だ。

「特に、ある分野について一般常識レベルの知識を備えておくべきときには、新書が便利ですね。わかりやすくまとまっていて、サイズもコンパクトで持ち歩きにも便利。新書を数冊カバンに入れて、移動中に一気に読んだりすることも多いです。ただし報道は新しさが命なので、発行年月日だけはチェックするようにしています」

ここで心がけているのが、必ず1冊通して読むことだ。

「面白いところや使えそうなところを適宜ピックアップする、といった読み方はしません。予備知識がない状態では、拾い出したポイントが本当に重要かどうかわからないからです。まずは全編目を通し、全体像をつかむことが大切です」

一方、ネットの情報は、あくまで補足程度にとどめる。

「書籍は、出版されるに足るだけの専門性を備えた人が書き、それを編集者がチェックしているので、そのぶん信頼度が高いと言えます。ネット情報にはその信頼性はないですし、実際、表層的な話にとどまっていることが多いと感じます。そもそも、ネットから得た知識をそのままコメントとして語っても意味がありませんよね。ならば自分が語るよりも、その話題の本質的な部分について、専門知識のある出演者に質問する役割を果たすほうが、はるかに視聴者の助けになります」