新型コロナウイルスの影響で多くの企業が減配しており、インカムゲインを望む投資家にとって厳しい状況となっている。

過去4週間に渡って、ボーイング (NYSE:BA)やフォード・モーター (NYSE:F)、ロイヤル・ダッチ・シェル (NYSE:RDSa)などは、配当の中止や減配を行ってきた。

ゴールドマン・サックスによると、S&P500企業の配当金は今年25%減となる見込みである。しかし、このトレンドに逆行する企業も存在する。本稿では、インカムゲインを望む投資家にお勧めに3銘柄を紹介する。

1.P&G

消費財セクターは、景気後退のリスクが高まった際の避難先として考えられている。不況下においては、旅行などの贅沢品への支出が減る一方、生活必需品への支出が減る可能性は低い。

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P&G週足チャート(画像=Investing.com)

P&G (NYSE:PG)はグローバルな消費財メーカーであり、安定的な収益を望む投資家にお勧めの銘柄である。同社は第1四半期決算において、M&Aや為替変動を除く売上高が6%増となった。その背景には、新型ウイルスのロックダウンに先立って買い物が殺到する中、チャーミンのバスティッシュとバウンティのペーパータオルの需要が急増したことがある。

同株の配当利回りは2.7%となっている。同社は130年に渡って配当を支払っており、63年連続で増配を繰り返している。先月の6%の増配後、現在の四半期配当額は0.79ドルとなっている。

同株は年初来で約8%安となっており、11.3%安のS&P500をアウトパフォームしている。

2.シスコシステムズ

シスコシステムズ (NASDAQ:CSCO)はキャッシュリッチなテクノロジー企業であり、不況下においても十分な収益を生み出し続けられるだろう。

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シスコ週足チャート(画像=Investing.com)

シスコは、ルーターやスイッチなど、企業がネットワークへ接続するための機器を製造する世界最大の企業である。ほとんどの企業は通信機器への設備投資を打ち切ることは困難なので、同社の業績は新型ウイルスの影響を免れるだろう。

さらに、同社はセキュリティやサービス、アプリケーションなどの新たな高成長分野において、ハードウェアからソフトウェア主導のモデルへと積極的な多角化を推進している。

同社CEOのチャック・ロビンス氏は、シスコのサービス事業を構築するために次々と買収を行ってきた。同社は昨年、会議内容のリアルタイムでの文字起こしや、音声による検索、要点の整理を行うツールの提供を手がけるVoicea社を買収した。7月には、米通信機器メーカーのアカシア・コミュニケーションズ (NASDAQ:ACIA)を約26億ドルで買収することで合意した。

これらの成長戦略と米国での圧倒的なシェアが相まって、不況下においても同社はアウトパフォームする可能性が高い。

また、シスコは安定的に配当を支払っている。同社は過去11年間で配当を行っており、増配を続けている。現在の配当利回りは約3.5%、四半期配当額は0.36ドルとなっている。配当額は、過去5年間で年率14.2%で成長している。

3.メルク・アンド・カンパニー

小売業や公益事業と同様に、ヘルスケア企業は不況下においても必要とされており、安定的な配当を期待できる。

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メルク週足チャート(画像=Investing.com)

メルク・アンド・カンパニー (NYSE:MRK)は景気後退局面においても、高い収益を期待できる。 同社の業績はがん免疫薬「キートルーダ」が支えている。FactSetによると、2013年までにキートルーダの売上高が年間200億ドルに達し、同社売上高の3分の1を占めると見られている。同社の最新の四半期決算において、売上高は11%増となった。

長期的に見た場合、インカムゲインを望む投資家にとって同社はお勧めの銘柄である。同社の四半期配当額は0.61ドル、配当利回りは3%となっている。同社は昨年、配当額を11%引き上げた。配当性向は業界平均より低い43.06%となっており、さらに増配する可能性がある。

総括

上述の3銘柄は、景気が後退する中で最適な避難所となっている。これらの銘柄から莫大なキャピタルゲインを得られる可能性は低いが、安定的な収益が期待できるだろう。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル