ネット証券で人気の楽天証券。SBI証券と比較しても大きな違いが見つからず、どちらに口座を開設するか迷ってしまう人もいるのでは?今回はネット証券の中でも比較的人気の高い楽天証券の特徴とメリット・デメリットを紹介する。

目次
1,楽天証券とSBI証券の違いを比較
2,楽天証券のメリット1,SBI証券よりもポイントが使いやすい
3,楽天証券のメリット2,最高峰のトレーディングツールが無料で使える
4,楽天証券のメリット3,楽天銀行との口座連携サービスはお得感を実感できる
5,楽天証券のデメリット SBI証券と比較
6,楽天証券には投資初心者に優しい仕組みが豊富

1,楽天証券とSBI証券の違いを比較

楽天,SBI,比較,メリット,デメリット
(画像=Bro Crock/Shutterstock.com)

楽天証券とSBI証券、どちらのネット証券で口座を開設するか決めかねているなら、両社の違いを洗い出してみるとよいだろう。どちらのネット証券が自分の望む投資スタイルに合っているか再考するのが近道だ。

楽天証券とSBI証券の特徴等比較一覧

  楽天証券 SBI証券
資本金 74億9,500万円 483億2,313万円
営業収益 560億5,500万円
(2019年12月期)
1,244憶6,600万円
(2020年3月期)
現物国内株式取引手数料
(最低手数料/1約定)
55円(税込) 55円(税込)
取引開始までの日数 2営業日程度 最短翌営業日
口座開設数
(2020年3月31日
現在)
375万7,172口座 512万4,782口座
IPO取扱銘柄数
(2019年度)
28社 86社
投資信託取扱本数
(2020年5月11日
現在)
2,635本 2,649本
積立投資信託
最低投資額
100円 100円
取扱外国株 6カ国 9カ国
トレーディングツール
(国内株)
PC「MARKET SPEEDⅡ」
スマホ「iSPEED」
PC「HYPER SBI」
スマホ「SBI証券 株」アプリ
銀行との連携 楽天銀行
「マネーブリッジ」
住信SBIネット銀行
「SBIハイブリッド預金」
ハイブリッド預金金利 0.10% 0.010%
無料の外部投資情報 ・日経テレコン21
・フィスコ市況
・ロイター・ジャパン
・会社四季報
・バロンズ・ダイジェスト
・会社四季報
・トムソン・ロイター提供
各種ニュース
・モーニングスター提供
銘柄レポートなど
ロボアドバイザー 楽ラップ ウェルスナビ
その他の特徴 ・夜間取引ができる
・楽天スーパーポイント
が貯まる
・貯まったポイントで
投資信託や株式を
購入できる
・カラフルで直感的な
操作画面
・新規デビューキャンペーン
に積極的
・夜間取引ができる
・Tポイントを貯められる
・Tポイントで投資信託を
購入できる
・テーマ投資、単元未満
株取引ができる
・シンプルな操作画面
・キャッシュバック
キャンペーンが多い
※上記比較表は、楽天証券とSBI証券のホームページを参照し、執筆者が作成した

2,楽天証券のメリット1,使い勝手の良い楽天証券のポイント

楽天証券では、取引に応じて「楽天スーパーポイント」か「楽天証券ポイント」のいずれかが付与される。ハイペースで貯められて、貯まったポイントの使い道も多いため、楽天グループの共通ポイントである「楽天スーパーポイント」を選択するほうが断然便利だ。

楽天証券のWebサイトで、事前に受け取るポイントを「楽天スーパーポイントコース」に設定しておくことを忘れないようにしたい。

楽天スーパーポイントの貯め方……大口顧客なら取引手数料の2%を還元

楽天証券のポイントプログラムでは、1約定ごとの手数料体系である「超割コース」で定められた取引手数料に対して、楽天グループ共通の「楽天スーパーポイント」が1%分付与される。1日もしくは1ヵ月の取引基準に応じて「大口優遇」と判定されると、楽天スーパーポイントの付与率が取引手数料の2%にアップする。

投資信託の月末残高が50万円以上あれば、残高に応じたポイントを受け取ることもできる。

さらに、楽天銀行との口座連携サービス「マネーブリッジ」に申し込み、「ハッピープログラム」にエントリーすると、各種取引の手数料100円ごとに1ポイント、あるいは投資信託の残高10万円ごとに4ポイントが付与される。

また家族や友達を紹介しても、期間限定のキャンペーンなどに応募しても、楽天スーパーポイントが貯まる。

楽天スーパーポイントは「ポイント投資」にも使える

楽天証券で貯まった楽天スーパーポイントは、楽天ポイントクラブで取りまとめられているので、楽天市場や楽天グループ各社、または楽天ポイントが使える街中の店舗でも使用することができる。

楽天証券らしい楽天スーパーポイントの使い方といえば、「ポイント投資」だろう。ポイント投資には、「投資信託または積立投信の買付」と「国内現物株式の買付」がある。

積立投信のポイント投資を楽天カード決済にすると、楽天カードでも100円につき1ポイントを貯められる。投資信託の一括購入、積立を問わず、投資信託のポイント投資では「ポイント+1倍」のポイントが加算される。

楽天スーパーポイントを使った国内現物株式の買付は、NISA口座での購入やPTS夜間取引にも対応しているため、株式取引が中心の人でも、楽天スーパーポイントを十分活用できる。

対するSBI証券のポイントプログラムはTポイント

SBI証券のポイントプログラムは、Tポイントが採用されている。マイレージサービスとして、国内株式取引の月間合計手数料の1.1%相当を獲得できる。あるいは投資信託の保有残高、もしくは金・銀・プラチナ取引の月間合計手数料の1.0%相当がTポイントで付与される。また株式の移管入庫、新規口座開設、期間限定のキャンペーンでもTポイントを貯めることができる。

貯まったTポイントは、投資信託の購入やTポイント加盟店で使用することができる。

楽天スーパーポイントを使った楽天証券とTポイントを使ったSBI証券、ポイントプログラムだけで比較すると、現在積極的に貯めているポイントがあれば、そのポイントを採用している証券会社を選んだほうがポイントを有効活用できる。

どちらのポイントでも構わないのであれば、貯めやすさと使いやすさで圧倒的に有利な楽天スーパーポイントを使った楽天証券がおすすめだ。

3,楽天証券のメリット2,トレーディングツールの最高峰「MARKET SPEED Ⅱ」を無料で利用できる

MARKET SPEED Ⅱは、楽天証券の高機能パソコン用トレーディングツール「MARKET SPEED」の後継だ。マーケットスピードの「武蔵」やチャート機能をパワーアップさせ、プロが使う自動売買テクニックを「アルゴ注文」として搭載した優れものだ。

このプロ仕様のトレーディングツールを、楽天証券のユーザーなら誰でも無料で利用できる。現在は国内株式のみが対象で、Windowsにしか対応していないが、国内株式取引を極めたい人でWindows機を使っている場合は、最高の取引環境であることは間違いないだろう。

国内株式だけでなく、米国株式や為替、日経225先物・オプション、海外先物も取引したい人、あるいはMacユーザーは「MARKET SPEED」を利用するといい。マーケットスピードは投資家からの評価の高い高機能トレーディングツールであり、オールラウンドな使い方ができる。Mac版も提供されており、しかも使用料は無料だ。MARKET SPEED Ⅱでなくとも、利用価値は十分ある。

4,楽天証券のメリット3,楽天銀行との口座連携サービスでお得感を実感できる

楽天証券であれば楽天銀行、SBI証券であれば住信SBIネット銀行のように、どちらのネット証券にも資本関係のあるインターネット専業銀行があり、証券口座と銀行口座を連携させることができる。

楽天では「マネーブリッジ」、SBIでは「ハイブリッド預金」に申し込むと、

・証券口座と銀行口座間での無料の資金移動
・普通預金金利の優遇
・銀行預金残高を証券口座の買付余力に反映
・証券口座から銀行口座への夜間の資金自動出金(スイープ)

お得なサービスを受けられるようになる。

どちらでも、証券口座単体を持っているよりも、銀行口座と連携させた方がメリットはある。しかし、楽天証券と楽天銀行の口座連携サービス「マネーブリッジ」のほうが、初心者投資家でもお得度を実感しやすい特徴がある。

特徴1,マネーブリッジの優遇金利は通常の100倍に

楽天証券と楽天銀行のどちらにも口座を持っている人がマネーブリッジを申し込むと、楽天銀行の普通預金金利が年利0.1%(以降、年利率はすべて税引前)にアップする。(2020年5月11日現在)SBIハイブリッド預金の優遇金利が0.01%であることを考えると、かなり高い利率と言える。

年利0.1%といえば、メガバンクの普通預金金利0.001%の100倍だ。毎晩スイープ(自動出金)によって証券口座の資金が銀行口座に集められるため、普通預金金利がより高いほうが資金効率は良くなる。

楽天証券ユーザーにとっては、投資に回す予定の余裕資金を証券口座に寝かしたままにするのではなく、年利0.1%とスイープで、着々と増やすことができればありがたいはずだ。

楽天銀行ユーザーにとっても、楽天証券に口座を開設してマネーブリッジを申し込めば、0.1%の優遇金利が適用されるので、資金を無駄なく運用できるだろう。

特徴2,「ハッピープログラム」で効率的にポイントが貯まる

さきほど触れたように、楽天証券と楽天銀行のマネーブリッジを申し込んで、ハッピープログラムにエントリーすると、楽天スーパーポイントをより効率的に貯められるようになる。

貯まったポイントは買い物に使うのも、投資に充当するのも自由だ。どちらも、すぐにでも活用できるので、証券と銀行の連携サービスの効果を実感しやすいだろう。

5,楽天証券のデメリット――IPO投資や外国株はSBI証券に軍配

安い手数料や取り扱う金融商品の種類の多さ、グループ銀行との口座連携など、楽天証券とSBI証券には類似点も多く、楽天証券特有のサービスや楽天証券で口座開設することによるメリットもたくさんある。

ただし、IPO投資や外国株に興味がある人には、SBI証券のほうが魅力的に映るかもしれない。

IPO投資はSBI証券の圧勝

SBI証券は2019年度にIPO銘柄全92銘柄中86銘柄を取り扱っており、業界第1位の実績がある。IPOの抽選に外れてもIPOチャレンジポイントプログラムで次回以降に当選確率が高くなる仕組みもある。

近年は楽天もIPOの取扱銘柄件数を増やしており、2019年度は28社のIPO取扱実績があった。とはいえ、IPOを中心に株式投資を行う予定なら、SBI証券のほうが適していることは間違いない。

外国株は国数も余力の取り扱い方もSBIの方が便利

外国株取扱国数についても、楽天証券が6ヵ国であるのに対して、SBI証券はネット証券第1位の9ヵ国だ。

さらに、SBI証券と住信SBIネット銀行に口座があれば、住信SBIネット銀行の外貨普通預金から外貨のまま無料でSBI証券口座に入金できる。金融機関の間の外貨送金では、通常は高い入出金手数料が発生し、日本円から外貨への換金にも為替手数料がかかる。SBIの外貨送金無料サービスは、外国株を頻繁に売買する人にとっては非常に大きなメリットと言えるだろう。

外国株に興味がある場合は、SBI証券を選ぶと、取扱国数の多さや外貨送金手数料無料によって取引のチャンスが増えるかもしれない。

6,楽天証券には投資初心者に優しい仕組みが豊富

初めて証券会社に口座を開設するにあたって、楽天カードや楽天スーパーポイントのユーザーには、ポイントプログラムが連携している楽天証券は、身近で使い勝手がよい証券会社に感じるはずだ。

楽天証券には投資初心者に優しい仕組みも多数用意されている。各種商品の新規デビューキャンペーンを積極的な展開、投資初心者にとってわかりやすい操作画面の採用、金融商品解説記事が豊富であるなどがよい例だ。

投資初心者には、敷居の低い楽天証券で先に口座を開設し、株式投資に十分慣れてからSBI証券で口座開設するのもおすすめの手順だ。

文・近藤 真理/MONEY TIMES

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