トルコリラはFX取引で人気の通貨です。トルコリラは高金利で高いスワップポイントが見込めるため、投資家の人気を集めています。しかし、「トルコリラでFXを運用するにあたって、何に注意すればよいのか?」と思う人もいるでしょう。

今回の記事では、FXでトルコリラを運用する際の注意点と、取引のポイントを紹介します。トルコリラについて学び、FX取引をより効率的に進める参考にしてください。

トルコリラの基礎知識

トルコリラ,FX
(画像=PIXTA)

FX取引でトルコリラを運用するために、基本的な知識を身に付けておきましょう。まずはトルコリラとトルコリラ/円の推移について解説します。

トルコリラとは?

トルコリラとは、トルコ共和国で利用されている通貨の名称です。2004年までトルコではインフレーションが進み、紙幣の最大金額は2000万リラまで上がりました。

インフレーションを改善するために、2005年に新トルコリラが発行され、現在では1トルコリラは日本円に換算すると15円程度です(2020年5月現在)。

新興国通貨であるトルコリラは、先進国に比べて金利が高いことから投資家に人気のFX通貨となっています。一方で、トルコでは赤字が続いていることや、地政学の観点から、投資リスクも懸念されています。

トルコリラ/円の推移

トルコはインフレーションの状態が続いており、近年は継続的にリラ安の状態です。一時、リラと円のレートは30円にまで上昇しましたが、その後20円まで下がりました。

さらに2018年にはトルコ通貨危機が訪れ、トルコリラ/円ルートは15円まで下落します。これはトルコで起きたクーデター未遂をきっかけに、アメリカがトルコに科した経済制裁によるものです。

その後レートは徐々に上がっていますが、トルコ国内の物価上昇の影響を受けて、現在までリラ安が続いています。

FXでトルコリラが人気の理由

FX取引でトルコリラが人気の理由は主に3つあります。政策金利の高さ、今後の成長が期待できること、少額からでも大きな利益を望めることです。

政策金利の高さ

FXでトルコリラが人気の理由は、政策金利の高さにあります。なぜなら、トルコの政策金利は8.75%と他国に比べて圧倒的に高い数字だからです(2020年4月時点)。

対して、日本円の政策金利は-0.10%、米ドルの政策金利は1.5~1.75%です。比較すると、トルコリラの金利の高さがよく分かります。

金利が高いことによって、トルコリラでFX取引をすれば、高いスワップポイントを獲得することが期待できます。スワップポイントが重要視されるFX運用において、トルコリラは非常に魅力的な選択肢だと言えるでしょう。

今後の成長が大いに期待できる

トルコは、これから大きく成長するといわれています。これには3つの理由があります。

1つ目は、トルコでは国全体の労働人口が増加傾向にあることです。日本貿易振興機構の調査では、トルコの人口は年に100万人増えています。さらに、国民の約半数が32歳以下と極めて低い年齢であり、若年層の増加による消費増によって経済成長が期待できます。

2つ目は、トルコの立地です。トルコはヨーロッパ、アジア、中東のハブとなる位置に存在しているため、各国の経済にかかわりやすい立場にあります。また、新興国であるため今後も経済が活性化する可能性が高いと言えます。

3つ目として、世界中からトルコへの観光客が多いことも、成長する理由に挙げられます。例えばカッパドキアやイスタンブールは世界で有数の観光名所であり、他国からの訪問客が増えていることもトルコの成長に寄与していると言えるでしょう。

少額取引でも大きな利益を望める

トルコリラは少額取引でも大きな利益を望むことができるので、投資家の人気を集めています。

現在のトルコリラ/円のレートは15円前後です(2020年5月時点)。一方で米ドル/円、ユーロ/円のレートは100円を超えていて、トルコリラと約10倍の差があります。トルコリラを利用すれば、少額でもFX投資が始められ、大きな利益を得ることが期待できます。

トルコリラのリスク

FX取引において魅力的な点が多いトルコリラですが、新興国通貨ならではのリスクもあります。損失が膨らみやすいことと、価格が下落傾向にあることです。

損失が膨らみやすい

トルコリラのリスクの一つは、損失が膨らみやすいことです。一般的にトルコのような国は、先進国よりも通貨危機に見舞われやすく、景気を緩和させることが不得意とされています。

トルコリラも、2010年以降に複数回レートの下落が見られます。アメリカの政策金利上昇や、周辺諸外国の貿易問題に影響されたとき、すぐに利用できる外貨準備が不十分であったことが原因です。

この状態がこのまま是正されないと、トルコリラは損失が膨らみやすいというリスクを抱えることになるでしょう。

価格は下落傾向

現在、トルコリラの価格は下落傾向にあります。インフレーションを抑えるために、トルコの中央銀行が行っているトルコリラの買い支えが、限界に近付きつつあるためです。

また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響と、シリア情勢によってロシアとの国交が暗礁に乗り上げていることも価格の下落に影響しています。

経済の低迷を避けるため、トルコ政府は2020年3月に政策金利をさらに下げる方針を打ち出しました。これにより、トルコリラの価格が下がることが予想されます。

トルコ経済のリスク

FX取引でトルコリラを運用する前に、トルコ経済のリスクについて知っておきましょう。以下のリスクを踏まえたうえで、トルコリラのメリットとデメリットをよく検討してみてください。

経済危機に陥る可能性もある?

トルコリラは金利が高いことで世界的に投資家の注目を集めていますが、裏を返すと、経常赤字国のため、経済を他国からの資本の流入に頼っています。

このルートが確保されている限り、トルコが重大な経済危機にさらされる可能性は低いでしょう。しかし、上がり続けている政策金利に、トルコの中央銀行が対応しきれなくなっていることも事実です。

このようなリスクがあることから、FX取引でトルコリラを運用する際は、トルコの経済事情に関してこまめに情報収集することをおすすめします。

政治・国債面でのリスク

トルコ経済は政治と国債の面でもリスクを抱えています。政治面では、2016年にトルコショックと呼ばれる通貨危機が起きました。

トルコで起きたクーデターにかかわっていたと疑惑をかけられ、アメリカ人牧師が拘束されたことがきっかけです。アメリカ側の釈放要求を無視したことでトルコが経済制裁を受け、通貨危機が起こりました。これにより、トルコリラ/円の相場は20%近く落ちました。

国債については、アメリカの格付けであるムーディーズ・インベスターズ・サービスが、2019年にトルコの格付けを一段階引き下げました。

これは、トルコリラを買い支えている中央銀行の外貨準備高が限界に来ていて、トルコの財政が不安定になっていることを示しています。

トルコリラ運用にあたって理解しておくべきこと

トルコリラを運用するにあたって、理解しておくべきことは3つあります。ポイントは低レバレッジで取引すること、可能な限りリスクを抑えること、余剰資金で取引をすることです。

低レバレッジでの取引

少ない資金で大きな金額を取引できるレバレッジを使えば、より大きな利益が見込めます。しかし、トルコリラでFX運用する際にはレバレッジは控えめにするのがよいでしょう。なぜなら、レバレッジをかければ、損失額が甚大になる可能性があるからです。

トルコリラは他の外貨に比べて流動性が低く、損失が大きくなりやすい性質があります。これらのリスクを考慮すると、低レバレッジで取引をするのが無難と言えるでしょう。

可能な限りリスクを抑えておく

トルコリラを運用する際は、損失額を最小限にするため、可能な限りリスクを抑えましょう。

例えば、一度にすべての金額を投資するのではなく、毎月コツコツと積立投資を行うなど、投資方法を工夫しましょう。継続的に投資することによって、一時的な政治問題や、経済の影響を受けにくくなります。

毎月少額を投資することで複利効果も生まれるため、利益を出しやすくなるというメリットがあります。自分なりにリスクを低減する方法を模索して、トルコリラを運用することが大切です。

余剰資金で取引

トルコリラのFXで仮に失敗した場合にダメージを抑えるため、取引には余剰資金を使うとよいでしょう。トルコリラに限った話ではありませんが、投資をする際は失っても困らない金額で行うことが前提です。資金を得るためにFX投資をしているのに、お金を失って生活できなくなっては本末転倒です。

余剰資金と生活費を使い分けるには、投資しても問題ない金額を自分なりに考えることが大切です。一定の金額以上は投資に利用しない、とあらかじめルールを定めてからFX投資を始めるとよいでしょう。

まとめ

今回はトルコリラをFX運用する際の注意点と、取引のコツについて解説しました。

トルコリラは金利が高いうえに、少額投資がしやすく、成長が見込めるメリットが多い通貨です。一方で、損失が大きくなりやすい、価格が下がり続けているという懸念点もあります。

また、運用するうえではトルコ経済のリスクを把握しておくことも重要です。政治や国債面のリスクがあることを覚えておきましょう。

リスクを最小限にとどめてFXでトルコリラを運用するために、低レバレッジで取引すること、少額投資するなどリスクを減らす工夫をすること、余剰資金で運用することの3点に注意しましょう。

これらの注意点と取引のポイントを踏まえたうえで、ぜひFXでトルコリラの運用に挑戦してみましょう。

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※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)