アメリカは2020年2月で景気拡大期が終わり、リセッション入り(景気後退入り・不況入り)したと正式に宣言しました。

ただし、今回のリセッションはまもなく終わるか、既に終了している可能性もあります。

もしもリセッションが既に終わって緩やかなインフレ率の景気回復期に移った場合、定石通りなら株に投資することがリターンを高める方法になりそうです。

この記事のポイント

  • 景気拡大期は2020年2月までに終了したと宣言。アメリカ経済は正式にリセッション入りした。
  • ただし、リセッションはまもなく終了するか、既に終了している可能性もある。リセッションの終盤には失業率が低下するが、既にその傾向が見られる。
  • 景気回復期に移れば、インフレ率さえ上昇しなければ株への投資が最もリターンが高くなる。
  • ただし、個人的には既にリスク資産をかなり持っているので特に追加投資はしない。これからもしも新型コロナウイルスの第2波が来た場合の株価下落に備えて、一定の資金を温存しておく。

正式にリセッション入りを宣言

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一般的には2四半期連続でGDPがマイナス成長になったらリセッションと言われますが、この基準の他に、アメリカでは経済の専門家達が集まる全米経済研究所(NBER)がリセッションが始まった時期と、終わった時期を認定しています。

NBERは2020年2月にアメリカの景気拡大期が終わったと正式に発表しました。

リーマンショック後の2009年からの景気拡大期は歴代最長の128ヶ月で幕を閉じ、2020年にリセッション入りしたことになります。

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今回のリセッションは短い可能性

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ただし、今回のリセッションはとても短かいもので終わる可能性もあります。実はNBERもそれを認める内容の声明文を発表しています。

しかしながら、たとえ以前までの不況よりも短かったとしても、前例のない規模の失業率と生産の悪化が経済全体に及んだことを考えば、この一連の出来事をリセッションとして指定することは正当化される。

(NBER声明文、太字は加筆)

失業者数の減少もリセッションの終盤を示唆している

また以前からこのブログではリセッションの終わりが近づくと、失業者数が低下をし始めるという話をしてきました。

以下の図ではアメリカの新規失業保険申請件数をグラフ化していますが、グレーの色で塗られたリセッションが終わりが近づくと、失業保険申請数が低下している傾向が見られます。

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そして、今回の2020年の新規失業保険申請件数を見ても、既に低下を始めています。

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つまり、2020年6月時点で今回のリセッション期は既にかなり終わりに近づいているか、もしくは既にリセッションを脱出して景気回復期に突入している可能性があります。

今後はリスクオンの傾向が強まる

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これから景気拡大期では、インフレ率さえ上昇しなければ資産の中では株が最もリターンが高くなります。

経済環境と資産価格の関係

  • 想定よりも経済が成長すれば、株と商品が上昇。
  • 想定よりも経済が低迷すれば、国債価格が上昇。
  • 想定よりもインフレ率上昇が進めば、商品が上昇。
  • 想定よりもインフレ率低下が進めば、株式・国債価格が上昇。

実際に前回のリーマン・ショック後の景気回復では、(FRBの金融緩和の効果が大きかったものの)インフレ率は低く抑えられた状態で経済成長をしたので、約10年に渡って株価は3倍にまで上昇しました。

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2009年からの景気拡大期では約10年で株価は3倍に上昇(画像=Investing.com)

基本路線は景気回復でも、まだ感染拡大第2波の株安はあり得る

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ここまでの記事で「景気回復期なら、リスクをとって株のリターンを積極的に狙いに言っても良いはず」というメッセージを書きました。 でも、今の私は既に米国株などのリスク資産で資産の8割を占めるほど投資しているので、これ以上のリスク資産はしばらくは増やさない予定です。

基本的には米国株に強気ですが、私はまだ株価が安くなる可能性もわずかに追いかけて一定の現金をキープしています。2020年から2021年に米国株の大きな下落があるとするならば、おそらく新型コロナウイルスの第2波が原因になると思っています。

最近は誰も気にしていませんが、経済活動を再開し始めたアメリカで、コロナの新規感染者数がほんのわずかに増加しているように見えるのが個人的には気になっています。

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また、過去のパンデミックを見る限り、感染拡大の第2波は高い確率でやってくることがわかっています。

次の感染拡大では「景気が悪化するなら、景気刺激策が追加される」と解釈して株価が上がる事も考えられますが、シンプルに考えれば感染拡大は株価にマイナスに働くはずです。

これからの株価の下落はそれほど確率の高いシナリオではないのかも知れないので、キープする現金はそれほど多くありませんが、少しずついろんな可能性を考えて、投資したいと思っています。(提供:Investing.comより)

著者:YUTA