初心者がNISA口座で米国株を購入する場合のおすすめ銘柄は何か? ここでは、成長を続けるアメリカ株の選び方を紹介する。注目すべき個別銘柄のほか、米国株のメリットやNISA口座で購入する際に必要なステップ、注意点などを解説していく。

目次
1,米国株の3大メリット
2,NISAで米国株を購入するための3ステップ
3,NISAに適した米国株の選び方、3つのポイント
4,NISAで購入するのにおすすめの米国株5選
5,NISAで米国株投資する際の3つの注意点

1,米国株の3大メリット 長期的な株価の上昇、手厚い配当、購入のしやすさ

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(画像=ventdusud/www.shutterstock.com)

NISAで米国株の購入を検討しているなら、まずは米国株にどのようなメリットがあるかを押さえておきたい。米国株と日本株を比べると、成長性、配当、売買単位の3点が大きく異なる。米国株に投資する最大のメリットでもある3つの相違点について、わかりやすく解説しよう。

米国株のメリット1,長期的な株価上昇を期待できる

1991年のバブル崩壊や2008年のリーマン・ショック、2011年に発生した東日本大震災を含む平成の30年間(1989年~2019年)における、NYダウ平均と日経平均株価の変化率を比較してみよう。

日経平均は低迷していた期間が長く、近年は上昇基調になったものの、長期的には横ばいに近い値動きに終始している。それに対してダウ平均は、上昇と下降を繰り返しながらも、結果的に30年間で大きく値を上げている。

当該期間の始値と終値だけを見ても、ダウ平均は2,163.21米ドル(1989年1月始値)から28,538.44米ドル(2019年12月終値)と13.19倍になり、1,219.26%という驚異的な伸び率を示した。同期間で日経平均は30,166.00円で始まり、6,994.90円の最安値をつけ、23,205.18円で終わっている。

米国を代表する銘柄で構成されるダウ平均が、過去30年間で日経平均よりはるかに優れたパフォーマンスを上げていることから、今後も米国株には日本株以上の株価上昇を期待できる。その理由は数々あるが、主に2つの点が挙げられる。

・米国株の成長理由1,長期的な株価上昇を支える安定的な人口増加と経済成長
米国株に長期的な株価上昇を期待できる理由は、米国内における今後の持続的な人口増加と、それにともなう経済成長が見込めることが挙げられる。

国際連合の報告によれば、米国は2010年から2020年にかけて移民の入国超過が見込まれており、2019年から2050年までの人口増加率が2%、世界で9番目に人口が増加する国になるという。人口増加は個人消費の拡大に直結するため、今後も米国の経済成長が持続する可能性は高い。

・米国株の成長理由2,ベンチャー企業が巨大企業に成長する土壌
米国では、マイクロソフト やアップル 、フェイスブック のように、かつてのベンチャー企業が世界的な巨大企業に成長する事例が少なくない。その原動力になっているのは、米国に根付いているスタートアップやベンチャー企業を支え、成長させる社会的なシステムだ。

創業間もない企業への出資とM&Aが繰り返されることで、さらなる新事業や起業、情報交換、技術革新につながり、創出された新産業が成長するという好循環が生まれる。このような土壌が、米国経済をけん引する巨大企業の成長を支えているのだ。

メリット2――日本株より、配当の手厚い米国株が多い

日本株に比べると、米国株の配当は手厚い傾向がある。これは、多くの米国企業が株主還元策としての配当を重視しているからだ。株主重視の配当政策を活かして、米国では、配当目的で株を保有して資産を増やす投資手法も一般的になっている。

米国株配当の魅力は、大きく分けると以下の3点だ。

・米国株配当の魅力1,年4回配当を実施する企業が多い
日本は年2回配当が主流だが、米国の多くの上場企業は年4回配当を採用。米国株を代表するアップル、フェイスブック、オラクル 、マクドナルド 、コカコーラ 、ジョンソ・エンド・ジョンソン などは、いずれも配当を年4回実施している。

・米国株配当の魅力2,日本株より総体的に配当利回りが高い
2020年1月31日現在のNYダウ工業株30種の平均配当利回りは2.27%である。それに対して、東京証券取引所第一部上場銘柄の2020年1月における単純平均利回りは1.88%、加重平均利回りが2.22%(ともに月中平均)、有配会社平均利回りは2.0%(月末現在)だ。

配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株の購入価額×100

上記のように算出されるため、配当利回りが高い銘柄は、株価の割に配当金が多いことを意味する。つまり米国株は日本株より、概してコストパフォーマンスが良いと言える。

・米国株配当の魅力4,連続増配銘柄が豊富
米国株のうち、2020年2月2日現在で25年以上連続増配を継続している企業は151社。50年以上も連続増配を実施している企業も29社ある。

たとえば、日本でも消費財メーカーとして馴染みのあるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G) は63年、ポストイットで有名なスリーエム(3M) は61年、医療品メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンやコカコーラは57年もの間、連続増配を続けている。

連続増配銘柄を長期保有していれば、安定的に配当を受け取ることができると考えられる。

メリット3――売買単位は購入しやすい1株以上、1株単位

米国株式市場には日本のような単元株制度がないため、米国株最高値のアマゾン・ドットコム(2,004.20米ドル、現地時間2020年2月3日終値。1米ドル=108円の場合、21万6,453円に相当)でも1株単位で購入することができる。

日本の値がさ株の代表格であるファーストリテイリング <9983> の2020年2月3日終値は、5万7,600円。この株価で単元株(100株)を購入するためには、576万円もの資金が必要になる。

資金不足で日本の有名企業の株式を購入できなくても、米国株なら超有名企業の株主になれるのだ。

2,NISAで米国株を購入する方法を3ステップで解説

投資で得た収益が非課税になるNISA口座を利用して、投資メリットのある米国株を購入すると、特定口座や一般口座で購入するより、より効率的に利益を積み増すことができる。具体的な買い方は

・ステップ1,外国株式取引口座の開設
・ステップ2,買付資金の用意
・ステップ3,買付注文

の3ステップだ。

次からは、米国株取引ができる主要ネット証券のSBI証券、楽天証券、マネックス証券に証券総合取引口座とNISA口座を開設していることを前提として、NISA口座で米国株を購入する各ステップを詳しく解説していこう。

ステップ1,外国株式取引口座を開設する

米国株の購入にNISA口座を利用する場合は、外国株式取引口座内のNISA口座で取引する。外国株式取引口座を開設していない場合は、ネット証券サイトにログイン後、外国株式取引口座の開設手続きをする必要がある。

ステップ2,NISA口座で米国株を買い付けるための資金を用意する

SBI証券、楽天証券では、証券総合口座にある資金をそのまま使えるが、マネックス証券の場合は外国株取引口座へ振り替える必要がある。

・SBI証券の場合
NISA口座の利用にあたって、証券総合口座から外国株式取引口座に資金を振り替える必要はない。

米国株を購入する際は、円貨決済ができる。円貨決済では、証券総合口座の残高がそのまま外国株式取引口座の買付余力として反映されるので、日本円の必要額が証券総合口座にあるかどうかを確認すればいい。

外貨(米ドル)決済の場合は、総合証券口座の残高のうち必要額をPCメインサイトの「為替取引画面」上で為替取引によって日本円から米ドルに両替する。為替取引で米ドルに振り替えた金額が、外国株式取引口座の買付余力に反映される。

外貨決済の場合、住信SBIネット銀行から必要額の米ドルをSBI証券の証券総合口座に直接入金して(手数料無料)、米ドルの買付余力に反映させることもできる。

・楽天証券の場合
楽天証券でも、総合取引口座の資金を振り替えることなく、NISA口座の買付資金としてそのまま利用することができる。

為替取引、円貨あるいは外貨購買余力確認、NISA口座区分の選択、買付注文は、すべて同一のWEBサイトまたはマーケットスピードの銘柄別「米国株式取引」画面で処理する。

円貨決済では、総合取引口座にある日本円の購買余力の範囲内で米国株を購入できる。

外貨(米ドル)決済の場合、同じ「米国株式取引」画面上で、日本円から米ドルへの為替取引(両替)を行う。

・マネックス証券の場合
マネックス証券の場合は、少し手間かかってしまう。NISAで米国株を購入するためには、①~③の手順を踏む必要がある。

1.マイページのメニューバーにある「入出金」画面を開いて、「資金振替/外国株取引」で、日本円を証券総合取引口座から外国株取引口座に振り替える。案内にしたがって、振替先口座(外国株取引口座)や振替金額を指定する。
2.外国株取引口座にログイン後、「為替振替、口座振替」ボタンをクリックしてから、「振替」タブを選択し、案内にしたがって日本円から米ドルへの為替振替手続きを行う。
3.次に「口座情報」タブを選択し、「非課税口座へ資金の割当」をクリックして、購入した米ドルを外国株取引口座内のNISA用米国株口座に割り当てる。

ステップ3,米国株の買付注文をする

NISA口座で実際に米国株を買い付ける際は、以下のように、各ネット証券の米国株取引サイトで、NISA口座区分を選択して取引を行う。

・SBI証券の場合
メインサイトの「外国株式 取引」ボタンをクリックし、「外貨建商品取引サイト」に遷移して取引する。「NISA対象銘柄」と表示されている銘柄を選んで必要事項を入力し、預り区分の「NISA預り」をチェックしてから買付注文を出す。

・楽天証券の場合
為替取引やNISA区分選択で使用した、WEBサイトまたはマーケットスピードの銘柄別「米国株式取引」画面上で、必要事項を入力して買付注文を出す。

・マネックス証券
「外国株(米国株・中国株)」画面上の「米国株取引 NISA」ボタンをクリックして、NISA口座専用取引画面で買付注文を出す。

3,NISAに適した米国株の選び方、3つのポイント

NISA口座を利用した米国株取引の下準備と、取引手順を確認できたら、いよいよ米国株の個別銘柄を選ぶことになる。“期間内なら譲渡益や配当金が非課税になる”というNISAの特性を最大限に活かした米国株の選び方や選定基準は、

・ポイント1.10年間のインカムゲインを意識する
・ポイント2,非課税枠を活かして成長株を狙う
・ポイント3,コストを抑える

の3点だ。以下を参考にして、自分の投資方針に適した米国株をじっくり選んでほしい。

ポイント1――10年間でインカムゲインを最大化できる銘柄を選ぶ

投資初心者でも失敗が少ないのが、配当収入を目的とした米国株投資だ。配当を資産形成の手段と考えるなら、必ず押さえておきたいのが「持続的で安定的な配当」と「長期投資」の2点である。

その観点では、「高配当利回り銘柄」あるいは「連続増配銘柄」の中からお気に入りの銘柄を資金の範囲内で数株買い付ける、同一銘柄を買い増す、あるいは複数の銘柄でポートフォリオを組むという方法が考えられる。

ただし、インカムゲイン重視の米国株選びには注意点もある。

NISA口座で非課税になるのは、国内で課せられる20.315%の所得税や住民税だけである。米国籍企業が支払う配当に対しては、日米租税条約にもとづいて、米国内で10%の税率で源泉徴収される。

1株当たりの年間配当金額が決して多くないのも配当の弱点だ。配当金で同一銘柄を数株あるいは複数銘柄を保有し、ロールオーバーによる非課税期間の延長によって、少なくとも10年間はNISA口座で運用することを目指したい。

ポイント2――値上がり益を期待できる成長性の高い銘柄を選ぶ

国内株と同様に米国株を売却した時も、国内で約定代金の0.45%の取引手数料がかかる。利益に対しても、国内で20.315%の税率で課税されるほか、現地でSEC Feeという取引手数料が約定代金1米ドルあたり0.0000221米ドル(小数点以下第3位切り上げ、最低0.01米ドル)かかる(2020年2月17日現在)。

NISAの場合は利益に対する20.315%の課税がないので、投資経験があり、株式投資のリスクを十分理解している人には、将来の売却益を見越して米国の成長株に投資するのもいいだろう。

米国の株式市場には、ハイテク関連を中心に、将来株価が大きく上昇する可能性を秘めた銘柄が多い。

しかし成長銘柄への投資には、当然ながら価格変動リスクがともなう。株価が暴落した際、どのタイミングで損切りするか考えておく必要がある。また、非課税期間満了後の対応なども計画しておきたい。

ポイント3――コストをできる限り抑えられる銘柄や証券会社を選ぶ

せっかくNISAの非課税投資枠を利用するのだから、徹底的にコストを削減して、利益の最大化を狙いたいところだ。

・コストの抑え方1,米国での源泉徴収課税を回避する→英国株や豪株が狙い目
米国本土に登記されている企業から支払われる配当金は、現地で10%が源泉徴収される。米国市場に上場している米国籍でない企業については、各国で源泉徴収税率が異なるが、英国やオーストラリアで登記されている企業のADR(米国預託証券)は、米国内では源泉徴収税が課せられない。

・コストの抑え方2,為替手数料や買付手数料が無料になるキャンペーンを活用する
マネックス証券では、米国株投資のコストが削減されるキャンペーンを適宜実施している。2020年4月までは、米ドル買付時の為替手数料が無料だ(米ドル売却時は片道25銭)。

5月以降は有料になる可能性があるが、誰でも利用できるので、マネックス証券のホームページを定期的にチェックして、為替手数料無料のタイミングで米国株を購入すると投資コストを削減できる。

※SBI証券と楽天証券の日本円/米ドル片道為替手数料はいずれも25銭(2020年2月5日現在)

・コストの抑え方3,米国株購入の買付手数料が安いネット証券を選ぶ
昨今、株式取引の手数料が無料というところが増えているが、米国株取引においてもその動きが出始めている。SBI証券と楽天証券では、NISA口座で取り扱う米国ETFの買付手数料は常時無料である。マネックス証券なら、NISA口座取り扱いのETFを含むすべての米国株の買付手数料は恒常的に無料だ。

4,NISAで購入するのにおすすめの米国株5選

NISA口座で米国株を購入するやり方やメリット、銘柄選びのポイントなどを紹介してきた。このような基準で米国株を選ぶと、具体的にどのような銘柄が挙がってくるのだろうか。

今回は、以下の条件に基づいて、投資初心者でも比較的安全に、長期にわたって投資できる5銘柄を抽出した。投資スタイルは、配当重視と長期運用を想定している。

(条件)
・30年以上連続増配銘柄
・配当利回り2.5%以上
・景気に影響されにくい業種(消費財、食品、医薬品、天然ガス、鉱物資源、通信など)
・PERが15倍程度、あるいは実績PERより予想PERが大幅に上昇していない銘柄
・ROEが10%程度以上
・100米ドル以下で購入できる

2020年5月29日現在で取得できる企業情報と株価をもとに、以上の条件で抽出した結果、
米国株のうち、30年以上連続増配→92社
配当利回り2.5%以上→45社
PERが15倍以上→30社
ROEが10%以上→12社
1株100米ドル以下→7社
景気に影響を受けにくい業種(不動産を除く)→5社

このようにして抽出された5銘柄は、

・シスコ(Sysco Corp.)
・コカ・コーラ(Coca-Cola Company)
・エマソン・エレクトリック(Emerson Electric)
・ジェヌイン・パーツ(Genuine Parts Co.)
・ソノコ・プロダクツ(Sonoco Products Co.)

NISAでの長期保有を前提に、米国株初心者が購入しやすく、安心して投資できるおすすめ5銘柄の会社概要を紹介しよう。

なお、会社概要の日本円表示は1米ドル=108円換算。株価、時価総額は6月26日現在となる。

NISAでおすすめの米国株1,シスコ――米国食品市場でシェア16%の巨大食品サービス卸売企業

シスコは、主に食品サービス業や外食業界に食品や関連製品を販売する食品販売・流通業社であり、米国の食品市場の約16%のシェアを占める業界最大手。

40万超もの食品あるいは関連製品を、レストラン、旅行・レジャー・小売り、ヘルスケア施設、教育・政府機関などに納入し、個人消費者に届けている。全社売上高に占める米国内食品サービス事業の割合は68.7%(2019年6月期)となっている。

持続的な成長を続ける優良企業であり、50年間連続増配を実施している。

企業データ

株価 52.30米ドル
(5,648.4円)
時価総額 265憶4,800万米ドル
(2兆8,671億8,400万円)
2019年6月期売上高 601憶1,400万米ドル
(6兆4,923億1,200万円)
実績配当利回り 3.2% 予想配当利回り 3.4%
連続増配年数 50年 ROE(実績) 62.4%
PER(実績) 19.7倍 PBR(実績) 13.1倍

NISAでおすすめの米国株2,コカ・コーラ――58年連続増配の世界的飲料メーカー

コカ・コーラは世界最大級の清涼飲料メーカーであり、「コカ・コーラ」「ファンタ」「スプライト」といったブランドの炭酸飲料ブランドや、「ミニッツメイド」「ジョージアコーヒー」ブランドなどの非炭酸飲料を販売している。

飲料ベースと呼ばれる濃縮原液の製造を主力事業としており、濃縮原液事業の販売量はユニットケース販売量の85%、売上高にして55.5%を占める。濃縮原液は、その後、世界中の100社を超えるボトラーによって加工・販売。米国コカ・コーラの全社売上高の大半は、海外での販売によるものである。

連続増配を58年間継続しており、米国の連続増配年数ランキング第10位、配当利回りは3.7%(実績)であり、株主還元が手厚い企業の一つである。

企業データ

株価 43.57米ドル
(4,705.56円)
時価総額 1,871憶2,800万米ドル
(20兆2,098億2,400万円)
2019年12月期売上高 372憶6,600万米ドル
(4兆247億2,800万円)
実績配当利回り 3.7% 予想配当利回り 3.8%
連続増配年数 58年 ROE(実績) 55.8%
PER(実績) 18.8倍 PBR(実績) 10.3倍

NISAでおすすめの米国株3,エマソン・エレクトリック――米国の大手自動化電気装置メーカー

エマソン・エレクトリックは技術とエンジニアリングを組み合わせて、産業、商業、消費者市場の顧客向けにソリューションを提供する複合企業体である。

プロセス管理事業、産業オートメーション事業、気候技術事業、商業・住宅ソリューション事業の4事業を展開。主力の産業オートメーション事業の売上高は、全社売上高の66.4%を占めている。機器、バルブ、アクチュエータで構成される自動化プロセス製造ソリューションが有名。

連続増配年数は63年で、全米第6位にランキングされている。

企業データ

現地時間 59.87米ドル
(6,465.96円)
時価総額 357憶7,100万米ドル
(3兆8,632億6,800万円)
2019年9月期売上高 183億7,200万米ドル
(1兆9,841億7,600万円)
実績配当利回り 3.3% 予想配当利回り 3.3%
連続増配年数 63年 ROE(実績) 27.0%
PER(実績) 17.1倍 PBR(実績) 4.8倍

NISAでおすすめの米国株4,ジェニュイン・パーツ――連続増配年数米国NO.2!自動車産業を支える老舗

ジェニュイン・パーツは、自動車セグメント、産業セグメント、オフィス製品セグメントなど、複数の事業セグメントを展開している。

売上構成比の56.7%を占める自動車セグメントは同社の基幹事業。世界中に拡がる9,800超もの自社店舗を介して、自動車やトラックをはじめとするあらゆる車両、全メーカー向けにさまざまな交換部品を供給している。

産業セグメントは自動車セグメントに次ぐ事業であり、売上構成比の33.7%を占める。米国内ではMotion Industriesの名称で、OEM顧客先に各種産業用ベアリング、機械式および流体式動力伝達装置などを販売している。

ジェニュイン・パーツの連続増配年数は64年にものぼる。64年という連続増配年数は、米国内で2番目に長い。

企業データ

株価 83.66米ドル
(9,035.28円)
時価総額 120憶6,900万米ドル
(1兆3,034億5,200万円)
2019年12月期売上高 193億9,200万米ドル
(2兆943億3,600万円)
実績配当利回り 3.7% 予想配当利回り 3.8%
連続増配年数 64年 ROE(実績) 17.2%
PER(実績) 20.5倍 PBR(実績) 3.6倍

NISAでおすすめの米国株5,ソノコ・プロダクツ――容器製造・包装資材の老舗メーカー

ソノコ・プロダクツは100年を超える歴史をもつ老舗容器・包装製品製造会社である。軟質または硬質プラスチック、パレット、コンポジット缶など、産業用もしくは消費者用包装製品を幅広く製造・販売するとともに、包装サービスも提供している。

ソノコ・プロダクツの主力事業は一般消費者向け包装製品や包装サービスであり、全売上高のうち43.4%を占める。

連続増配年数は37年にのぼり、実績配当利回りも3.7%の高配当企業である。

企業データ

株価 49.83米ドル
(5,381.64円)
時価総額 49憶9,900万米ドル
(5,398億9,200万円)
2019年12月期売上高 53億7,400万米ドル
(5,803億9,200万円)
実績配当利回り 3.5% 予想配当利回り 3.5%
連続増配年数 37年 ROE(実績) 16.9%
PER(実績) 16.9倍 PBR(実績) 2.9倍

5,NISAで米国株投資する際の3つの注意点

NISA口座を使った米国株投資は、非課税効果で長期運用による利益を最大化できるのが最大の魅力だ。その反面、通常の国内株取引とは異なる特徴がリスクを招くこともある。本稿の最後に、リスクを最小限に抑えるために覚えておきたい注意点を3つ紹介する。

注意点1――制限値幅がないので、株価暴落の影響が深刻

米国株には、日本株にあるような制限値幅が設けられていない。そのため、想定以上の株価高騰で大きなリターンを得ることもあれば、大暴落によって大きな含み損を抱えることもある。

中長期で米国株投資を考えているのであれば、仮に保有する米国株の株価が大暴落しても、状況によっては相場環境が改善するまで辛抱強く持ち続ける忍耐力が必要になることもある。

米国株の購入に際しては、自分の投資スタンスを明らかにした上で、制限値幅がないことによって生じるリスクにどう対処するかを確認しておくべきだろう。

注意点2――NISA口座内の譲渡損は、損益通算も繰越控除もできない

「源泉徴収あり」の特定口座内では、損失が生じると源泉徴収済みの利益と自動的に損益通算が行われ、支払いすぎた源泉徴収金額が還付される。複数の金融機関に特定口座を持っている場合も、確定申告で損益通算をすることができる。

しかし、NISA口座はもともと非課税口座なので、仮に大幅な売却損が発生してもNISA口座内で損益通算が行われず、確定申告によって他の特定口座などと損益通算をすることもできない。NISA口座内で生じた損失は、金額の大小にかかわらず、税務上損失はなかったものとみなされる。

また、特定口座や一般口座で年間を通して譲渡損失が生じると、確定申告によって翌年以降の3年間で損失を繰り越せるが、NISA口座で損失が出ても繰り越せないことを覚えておきたい。

NISA口座を使って米国株を取引する場合は、売却によって大きな損が発生しないような投資戦略を立てることをおすすめしたい。

注意点3――非課税期間満了時の資産処理方法の設計

NISA口座の非課税期間が満了になると、NISA口座内の資産は特定口座や一般口座に移管される。非課税期間満了となる最終営業日に取得価格が見直され、移管後は利益が出れば源泉徴収される。

注意したいのは、課税口座への移管時に、NISA口座での買付価格より大幅に低い取得価格に見直されてしまうケースだ。移管後に、買付時より低い価格で売却したとしても、見直された取得価格より高ければ利益が出たことになって源泉徴収されてしまうからだ。

課税口座への移管後に不要な税金を納めることがないように、NISAの非課税期間満了前に必ず保有株式の買付価格と時価を見比べてほしい。高騰していればNISA口座内で売却する、あるいは株価が低迷していれば移管後も当面保有するなど、状況に応じた対応が必要になるからだ。

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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