家計を守る主婦には、教育資金の準備や住宅ローンの返済など、不安がたくさんあるでしょう。普通預金は超低金利であり、どの銀行に預けてもバブル時代のように増えることはありません。かといって、このまま何もしなければさらに不安は増していきます。
そこでオススメしたいのが、投資です。家計が健全なら今すぐにでも始めることをおすすめします、将来の不安が解消されるからです。今回は、主婦が投資を始めるべき理由をご紹介します。
なぜ主婦に投資なの?
「投資にはリスクがつきもの」と言われますが、なぜ家計を守る主婦に投資がおすすめなのでしょうか。その理由を考えてみましょう。
家族のライフプランニングの重要性がわかるから
将来のために「つみたてNISA」や「iDeCo」に加入したという話を聞いて、「私も入ろうかな」と考える人もいるでしょう。「投資を始めよう!」と思うのは、少しでもお金に余裕がある生活をしたいと望む気持ちがあるからでしょう。
しかし、つみたてNISAやiDeCoは元本割れのリスクがある投資商品です。
投資を始める前に、現在の家計の状態を正しく把握する必要があります。特に住宅ローンの返済や子どもの教育費で家計が苦しい場合は、投資よりも家計の改善を優先しましょう。
家計を改善するためには、夫の定年後の生活はどうするのか、子どもの教育資金のピークはいつか、住宅ローンはいつ終わるのかなどのライフプランニングが欠かせません。
ライフプランニングを進めていくと、現在の家計の状況が明確になるとともに、教育資金のピーク時を乗り切れるのか、このままの貯金額で老後資金が確保できるのかということもわかってきます。
将来のお金の不安を解消できるから
ライフプランニングをしっかりやって家計を改善したら、iDeCoやつみたてNISAで将来のお金の不安を解消していきましょう。
金融庁が2017年6月に発表した「つみたてNISAについて」という資料によると、国内外の株式・債券に分散投資をし、一度も解約せずに20年間投資した場合の収益率は年利2~8%になるそうです。
現在普通預金の金利が0.001%であることを考えると、これが非常に大きな数字であることがわかります。
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円、月にすると約3万3,000円です。仮に3万3,000円を年利4%で20年間運用したとすると、20年後には約1,200万円の資金が準備できることになります。
つみたてNISAには20年の非課税期間がありますが、20年でなくても10年や15年など目的に合わせて積立期間を選べばいいのです。そうすると、教育資金や住宅購入資金の一部にもできますよね。主婦が投資を始めると、少しは将来の不安が解消されるのではないでしょうか。
主婦に向いている投資とは?
つみたてNISA
「家計は健全だけどまとまったお金がない」「投資をしたことがない」という主婦におすすめの投資商品は、つみたてNISAです。
つみたてNISAで購入できる投資商品は、長期にわたって資産形成をする人のために金融庁が厳選したものばかりです。販売手数料が0円で、信託報酬も低い低コスト商品に限定されているため、投資初心者でも安心して投資することができます。
よく似た制度に「iDeCo」がありますが、iDeCoは一度加入すると原則60歳まで資金を引き出すことができません。老後資金を準備するには最適な制度ですが、途中で資金を引き出せないことがネックになるなら、つみたてNISAを選びましょう。
おつり投資
おつり投資は、登録したクレジットカードや電子マネーで買い物をしたとき、金額の端数で自動的に投資できるスマートフォンアプリです。
おつりの金額を設定しておくと、自動的に分散投資してくれるので、初心者でも始めやすいでしょう。
例えば、お釣り投資アプリのトラノコでは、おつりの設定金額を100円にして120円の商品を購入すると80円、500円に設定すると380円、1,000円に設定すると880円が投資に回されます。おつりの設定金額は100円、500円、1,000円の3つから選べるので、投資に回す金額を調整することができます。
主婦に向いていない投資とは
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、投資の知識がなくてもAIが投資を手助けしてくれるため、初心者に人気があります。AIが手助けしてくれるものの、最終的な判断は自分でしなければならず、一部のロボアドバイザーでは税制優遇制度のNISAが使えないというデメリットもあります。
FXデイトレード
FXデイトレードは、通貨の売買を頻繁に繰り返すことで利益を追う投資手法です。十分な知識を持って適切に投資を行えば大きな利益が得られる可能性がありますが、最悪の場合は元手をすべてなくしてしまう危険もあります。
投資よりもギャンブルに近いので、確実に将来のお金を準備したい主婦には向きません。
投資初心者の主婦におすすめのつみたてNISAの始め方
おすすめの証券会社
つみたてNISAを始めるためには、証券会社などの金融機関で口座を開く必要があります。証券会社には、店舗型とインターネット上で口座の開設や取引ができるネット証券がありますが、つみたてNISAで購入できる投資信託の商品数が多く、利便性の高いネット証券をおすすめします。
ネット証券にはSBI証券や、楽天市場などで知られる楽天グループの楽天証券などがあります。SBI証券は、つみたてNISAの対象となる投資商品のほとんどを取り扱っており、ネット証券では口座開設数No.1の最大手です。
楽天証券やSBI証券では「毎日100円」「毎月100円」といった少額から投資ができるので、初めて投資をする主婦でも始めやすいでしょう。
投資商品を選ぶ
証券会社で口座を開いたら、次に投資商品を選びます。つみたてNISAで購入できる投資信託は約170本です。
どれを選べばいいかわからないかもしれませんが、投資初心者には、手数料(信託報酬)が安く堅実な運用ができるバランス型や、日経平均株価やTOPIXなどと同じような値動きをするインデックス型がおすすめです。
筆者は実際に楽天証券でつみたてNISAをしていますので、一部をご紹介します。
・ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
いずれもインデックス型で、かつバランス型の投資信託です。
楽天証券が取り扱っている約150本もの投資信託の中からこれらを選ぶにあたって意識したことは、「手数料(信託報酬)」と「純資産総額が高い水準で継続して増えているかどうか」です。
純資産総額が増えているということは、多くの投資家が「買うに値する投資商品である」と認めたことを意味します。
例えば「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」のチャートは、以下のようになっています。
新型コロナウイルスの影響で2020年3月に大幅に下落していますが、これはどの投資商品も同じなので仕方ありません。
上がり下がりはあるものの、純資産総額(緑色の部分)が右肩上がりであることがわかります。
たくさんある投資商品を選ぶのは大変ですが、証券会社のホーム画面には選び方がわからない人向けのコラムがあったり、人気ランキングから選んだりできるようになっています。
筆者も、最初は毎月100円からスタートしました。実際に購入してはじめてわかることもあります。まずは1本選んでみて、自分が選んだ証券会社のホームページや本などで学ぶのも楽しいものですよ。
扶養の範囲で投資ができる?
投資を始めて利益が出ると、税金面で不安が出てきますよね。
結論から言うと、つみたてNISAは年間40万円を20年間、つまり800万円までは投資で得た利益に税金がかかりません。いくら利益が出ても、税金は0円です。
本来投資で得た利益には、20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)がかかります。利益が38万円を超えると、確定申告をして所得税や住民税を納める必要があり、扶養から外れてしまいます。
扶養の範囲で投資をしたいなら、つみたてNISAを選択するか、証券会社で口座を開くときに「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しましょう。「特別口座(源泉徴収あり)」を選択すると、証券会社が源泉徴収をしてくれるため確定申告が不要になり、扶養から外れることはなくなります。
投資で将来の不安を解消しよう
主婦が投資を始めるなら、まずは家計を健全にすることが最優先です。その上でライフプランニングを行って、将来必要になるお金を計算してみましょう。
ネット証券を選べば、ネット上で口座開設から取引までできます。まずは、つみたてNISAで投資を始めてみましょう。
文・ことりえ( ファイナンシャルプランナー)
奈良県在住のフリーライター。長年生命保険の営業に従事した後、ライターとして独立。会計・税務・保険の記事を中心に執筆活動をしています。FP資格保有
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