世界一の経済大国と言えばアメリカだが、アメリカに次ぐ中国も当然、有望な投資先として考えられる。では、アメリカ株と中国株にはそれぞれどのような特徴があるだろうか。

中国株
(画像=PIXTA)

時価総額上位企業の傾向

最新の企業の時価総額ランキングを眺めてみると、上位50社においてはアメリカ企業が約7割を占めているが、ここ数年は中国企業の台頭が顕著になっている。

上位10社を見ると、1位のアップル(Apple)、3位のアマゾン(Amazon)、4位のマイクロソフト(Microsoft)、5位のアルファベット(Alphabet ※Googleの親会社)、6位のフェイスブック(Facebook)はいずれもアメリカ企業だが、それに続く7位のアリババ(Alibaba)や8位のテンセント(Tencent)は中国企業だ。

アリババは中国のEC(電子商取引)最大手、テンセントはIT最大手で、中国の豊富な内需を背景に急成長を続けてきた。中国の現在の人口は約14億人。その莫大な内需は両社の成長のエンジンであり、今後も両社は大きな成長を果たしていくことが予想される。

一方で上位にランクインしているアメリカ企業は、アメリカ国内の需要だけに頼らず、世界市場でそれぞれ大きなシェアを有している企業だ。

ここから、中国の上位企業の舞台は「中国」、アメリカの上位企業の舞台は「世界」と、違いを見出すことができる。ただ中国企業も事業の舞台を世界に広げていることは、注目すべき点として覚えておきたい。

ユニコーンランキングでは中国がアメリカをしのぐ

中国企業とアメリカ企業はユニコーン(時価総額10億ドル以上の非上場企業)の時価総額ランキングでも競っており、ユニコーンランキングではむしろ中国企業のほうが上位にいる。

ユニコーンランキングの1位と2位はともに中国企業だ。1位が動画共有アプリ「TikTok」の運営会社であるバイトダンス(ByteDance)、2位がライドシェア大手のディディチューシン(Didi Chuxing)となっている。AI(人工知能)やフィンテックの分野でも、中国のスタートアップの存在感は高まるばかりだ。

ユニコーン企業の株式はまだ上場していないため個人投資家の投資対象には含まれないが、こうしたランキングは今後の両国の企業株式の有望性を測る1つのバロメーターになる。

上場企業のランキングではアメリカが優位に立つ一方、ユニコーン企業のランキングでは中国がアメリカをしのいでいるという状況から、現時点の成長力で言えば中国企業に軍配が上がると考えている専門家も少なくない。

リスクとリターンに関する違い

アメリカ株と中国株のリスクとリターンについて考えてみよう。

一般的に中国株はアメリカ株よりもハイリスク・ハイリターンであることが特徴とされる。中国株は新興勢が多い一方、アメリカ株は大型企業が多いことが1つの理由だ。

中国株はやはり今後の成長性が魅力だ。ただアメリカ株にも魅力はある。アメリカ、そして世界で長年にわたって事業を展開しているアメリカ企業は、収益が安定しているケースが多く、底堅い成長が見込まれる。

リスク面を見ると、株式投資において政治的なリスクは考慮すべき点の1つだ。この点では中国株式における懸念は少なくない。前述のとおり、中国企業は中国の豊富な内需に支えられながら成長を続けてきた。そのため、中国の政治情勢や治安情勢の悪化などの影響をもろに受けやすい。

また、両国に共通するリスクと言えば、米中の貿易摩擦が挙げられる。アメリカと中国の間では貿易の不均衡をめぐって対立が続いている。知的財産権の侵害を理由にアメリカが行った追加関税措置をきっかけに、対立は泥沼化している。

最終的に中国企業側もしくはアメリカ企業側のどちらが大きなダメージを受けるのか、という点は読みにくい面もあるが、両国の企業が共通して抱えているリスクとして覚えておきたい。

「分散投資」という選択肢

中国株式とアメリカ株式には違いがあり、リスクにおいても注意すべき点は異なる。そのうえで結論を言えば、どちらに投資するのが正解か、という答えは導き出せない。

それならば、1つの選択肢として「分散投資」という手法が考えられる。アメリカの有望企業に加え、ポートフォリオに中国株も含めるという考え方だ。

投資先を分散すると、極端にどちらかの国の企業の株価が下落したとしても、ダメージを最小限に抑えやすい。リスクを抑えられることから、分散投資は株式投資に慣れていない人にもおすすめの方法だ。

株式投資においては、企業の個別株に投資する方法と投資信託を保有する方法、またはそのどちらも実践する方法があるが、いずれにしても分散投資の手法が使える。アメリカ株に投資するか中国株に投資するか悩んでいる人は、分散投資もぜひ選択肢の1つに加えてみてはいかがだろうか。

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