投資効率を上げるには、余裕資金をハイリターンが期待できる商品に配分することが重要だ。ハイリターンを狙える投資先の一つとして、上海株が注目を集めている。
今回は、上海株の特徴や買い方、証券会社の選び方を分かりやすく解説する。上海株投資を始めるために情報収集している人は、ぜひ参考にしてほしい。
上海株の魅力!投資家が熱視線を送る理由
中国の名目GDPは2018年時点で約1340兆円で、アメリカの2060兆円に次ぐ世界第2位を誇っている。
これだけのGDP規模でありながら、中国の実質GDP成長率は2017年から2019年にかけて6%台という高い水準を保っている。成長率の高さを鑑みると、10年後にはアメリカを抜くと予測する専門家もいるほどだ。
まだまだ成長が期待できることから、中国は新興国に属している。リターンの高さから、新興国株式に投資したいと考える投資家は多い。しかし、情報収集の難しさなどを考慮すると、東南アジアや中南米の株式に投資するリスクは大きい。
こういった点を踏まえ、情報が比較的入手しやすく、なおかつ高いリターンを狙える投資先として、中国株に注目が集まっている。
中国株を買うことができる中国の取引所は3つで、上海証券取引所・深セン証券取引所・香港証券取引所がある。
このうち、上海証券取引所と深セン証券取引所は中国本土市場、香港証券取引所は香港市場と呼ばれ、区別されている。中国本土市場の上海証券取引所と深セン証券取引所のうち、上場企業数が多く時価総額が大きいのは上海証券取引所だ。
上海株を購入できる上海証券取引所とは
上海株は、上海証券取引所に上場している企業の株式だ。まず、上海株を購入することができる上海証券取引所について簡単に解説する。
野村資本市場研究所によると、2020年2月末時点での上海証券取引所の時価総額は約536兆円を誇っている。ちなみに東京証券取引所の時価総額は約574兆円だ。
上海証券取引所は1990年12月から続いており、中国経済だけでなく世界経済に影響を与える規模の企業が複数在籍している。
2020年6月1日現在の上場企業数は1566社で、時価総額は34兆750億人民元だ。また、上海市場には日本と違い、前場・後場だけでなくオープニング・セッションやクロージング・オークションがある。それぞれの時間は、下記のようになっている。
オープニング・セッション 日本時間:10:15~10:25
前場 日本時間:10:30~12:30
後場 日本時間:14:00~15:57
クロージング・オークション 日本時間:15:57~16:00
上海株に投資するなら知っておきたい基礎知識
中国株には、いくつかの種類がある。上海株に投資するなら、上海取引所の株式の種類について知っておくべきだろう。
●上海市場の基礎知識1.A株・B株とは
上海証券取引所には、A株とB株がある。A株は、主に中国の国内投資家のための株式で、人民元で取引される。これに対してB株は、海外投資家のための株式で、米ドルで取引される。
上海証券取引所のA株の上場企業数は1516社で、時価総額は34兆110億人民元だ。一方B株の上場企業数は50社で、時価総額は640億人民元だ。B株を発行する企業の目的は、海外投資家から幅広く資金を調達することにある。
後ほど詳しく解説するが、上海株に投資したいと思うなら、A株も取引できる証券会社を選ぶことが大切だ。B株しか取り扱っていない証券会社も多く、そうすると一気に投資の選択肢が狭まってしまう。
●上海市場の基礎知識2.メインボード・科創板とは
上海証券取引所のA株は、さらにメインボードと科創板に分けられる。科創板は、ハイテク企業向けの市場として2019年7月にスタートした。現在、技術革新をけん引する企業の育成を目的として、半導体や車載電池をはじめハイテク関連の企業が名を連ねている。
メインボードの上場企業数は1411社で、時価総額は32兆3274億人民元だ。一方、科創板の上場企業数は105社で、時価総額は1兆6836億人民元となっている。
科創板はメインボードと比べると上場企業数も少なく時価総額も小さいが、今後大化けが期待されるような、成長目覚ましいハイテク企業が数多く在籍している。
上海株を買うなら上海総合指数に要注目!
上海株を購入するなら、上海総合指数(SSEC)にも注目したい。上海総合指数とは、上海市場を代表するベンチマークとも言える指数で、上海証券取引所が公表している。
上海総合指数の値は、上海市場に上場するすべてのA株・B株の株価を時価総額で加重平均したものだ。上海証券取引所が始まった1990年12月19日を基準日とし、その日の値を100として計算される。
中国では、景気対策として政府が積極的に企業に資金サポートを行っている。そのため、景気対策への期待感が高まると、上海総合指数も上がる傾向がある。
また、現在は新型コロナウイルスの第2波への懸念がある。そのため、懸念材料が生まれれば上海総合指数が一気に下がる可能性もあるだろう。その他、米中対立も上海総合指数にマイナスの影響を与えると予想される。
このほかにも、有名な指標には、上海A株銘柄の中から規模や流動性をもとにピックアップされた50銘柄で構成される上海50指数などがある。
上海株の買い方を紹介!初めて上海株を買うなら?
上海株を買う方法には、上海証券取引所で買う方法のほか、アメリカの証券取引所で買う方法、投資信託を買う方法がある。
例えば、アメリカに上場している上海株であれば、アメリカの証券取引所で購入できる。ただし、アメリカの証券取引所で買う以上、どうしても選択肢は狭まることになる。また、今後米中対立が悪化することで、上場が廃止されるリスクもある。
投資信託で上海株に投資する場合、上海株が投資先に含まれている投資信託を探して購入することになる。間接的に上海株に投資することはできるが、運用はあくまで投資のプロに一任することになるため、投資の醍醐味は得られにくいだろう。
そのため、上海株投資の王道はやはり上海証券取引所を介して上海株を購入することである。幅広い選択肢の中から最も魅力を感じる銘柄を選ぶことができ、自分自身の投資感覚を磨くことができる。
上海株投資で証券会社の選び方が重要な理由
上海株投資を始めようと考える人の中には、すでに証券口座を開いている人が多いだろう。日本株や米国株を保有しているなら、同じように中国株も現在の証券口座で取引すればいいと思うかもしれない。
しかし、先ほどA株・B株の説明において、認定を受けた機関投資家しかA株を取り扱えないと説明した。そのため、まずは自分が口座開設している証券会社で、上海株をA株・B株ともに取り扱っているか確認してみてほしい。
そもそも上海株の取り扱いがない場合や制限なく誰もが投資できるB株の取り扱いのみで、A株を取り扱っていない場合もある。そんなときは、上海株に強い証券会社で新たに口座開設することが望ましい。
現在、東洋証券では上海株に関してはA株・B株とも取り扱いがある。また、上海株以外でも、深セン株A株・B株、香港株なども取り扱っている。すべてを網羅しているわけではないが、上海、深セン、香港の各市場の銘柄を取り扱っているため、選択肢が広がるだろう。
さらに、証券口座を開設しているかどうかにかかわらず、公式ホームページでは「中国株レポート」が日次・月次でそれぞれ配信されている。上海に駐在員事務所があるため、現地で得た精度の高い情報が期待できるだろう。
中国株投資をこれから始めるという人は、まずは中国株レポートに毎日目を通すようにし、相場観をつかんでから口座開設するのもいいだろう。
上海株投資では、証券会社によって投資対象がかなり限定されてしまうことになる。せっかく上海株投資をするにしても、投資対象が限られていたのでは、大化けする成長株に出会える可能性は下がってしまう。そのため、上海株に強い証券会社で口座開設することが大切だ。
上海株のリスクを知って投資しよう
成長が目覚ましい中国では、将来大化けする企業も出てくるだろう。そのため、上海株投資では大きなリターンが得られるという期待感がある。一方で、上海株は新興国株式だということを忘れてはならない。
続いては、上海株のリスクについて解説する。
まず、一般的な株式投資のリスクとして、価格変動リスクと流動性リスクに注意したい。価格変動リスクとは、株価が変動するリスクのことだ。今回のコロナ禍のように、予想できない事態が起こることは今後もあるだろう。株式投資をする以上、価格変動リスクを踏まえて、余裕を持って資金を投じることが大切だ。
流動性リスクとは、売りたいタイミングで売りたい価格で売れない、買いたいタイミングで買いたい価格で買えないリスクだ。銘柄や市場環境によって、取引量には格差がある。そのため、流動性リスクがあることは常に念頭においておきたい。
続いて、外国株式に投資するリスクとして、為替リスクにも注意しなければならない。上海株投資をする場合、A株なら人民元、B株なら米ドルで投資することになる。円安になればメリットが出るが、円高になればデメリットを被るリスクがある。
最後に、上海株をはじめとした中国株特有のリスクについて解説する。今の中国の現状では、法制度や規制が十分に整っているとはいえない状況だ。会計基準も企業によって異なり、日本の会計基準とも違っている。日本の株式投資と同様に考えず、さまざまな角度から企業の安全性を見極め、投資先を選ぶようにしたい。
ハイリターンを狙える上海株投資
上海株投資は、賢くポートフォリオに組み込めば、投資効率を加速させるブースターの役割を果たすだろう。上海株投資のメリットを最大限享受するためにも、投資先の選択肢が幅広く、中国の市況に詳しい証券会社を選んで口座開設することが大切だ。
外国証券等について
・外国証券等は、日本国内の取引所に上場されている銘柄や日本国内で募集または売出しがあった銘柄等の場合を除き、日本国の金融商品取引法に基づく企業内容等の開示が行われておりません。
手数料等およびリスクについて
外国株式等の手数料等およびリスクについて
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・国内店頭取引については、お客さまに提示する売り・買い店頭取引価格は、直近の外国金融商品市場等における取引価格等を基準に合理的かつ適正な方法で基準価格を算出し、基準価格と売り・買い店頭取引価格との差がそれぞれ原則として2.75%となるように設定したものです。
・外国株式等は、株価の変動および為替相場の変動等により、元本の損失が生じるおそれがあります。
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