(本記事は、丸林 信宏氏の著書『お金を増やす人は投資をするときどこを見ているのか』の中から一部を抜粋・編集しています)
信頼できる「販売会社」選びは、投資案件選びと同じくらい重要
太陽光発電のもっとも大きなリスクとは?
太陽光発電投資は、
●「固定買取価格で20年間、電力会社に電力を買い取ってもらえる」
●「太陽の光があるかぎり、効率よく電気をつくることができる」
などの理由で、不動産投資以上に、安定した収益を確保できる投資モデルです。
しかし、太陽光発電にも、大きなリスクがあります。
いちばんのリスクは、
「販売会社選び」
です。
太陽光発電投資では、発電所の設置も、メンテナンスも、保険対応も、販売会社に任せておけば、事業者は「何不自由なく、手間なく」投資することが可能です。
しかしそれは、
「信頼できる販売会社であること」
が大前提です。
販売会社が倒産したら、メンテナンスや保険対応に不備が生じて、安定収入が見込めなくなる危険性があります。
実際、太陽光発電業者の倒産が急増していて、2017年1月〜12月までの1年間で「88件」倒産し、3年連続で過去最悪を更新しています(東京商工リサーチ調べ:2018年1月12日公開)。
帝国データバンクは、2006年1月から2017年6月までに倒産した太陽光関連企業(太陽光発電システム販売や設置工事、またコンサルティングなど関連事業を手がける企業)に関する調査・分析結果を公表しています。分析結果は以下のとおりです。
倒産件数
……251社(法的整理のみ、負債1000万円以上)。2014年以降、増加傾向が続き、2017年上期は、前年同期比2・2倍増。
倒産態様別
………「破産」が236件で全体の94・0%。再建型の法的整理を選択して、事業を継続できる企業は圧倒的に少ない。
負債規模別
……「1億円〜5億円未満」が99件(全体の39・4%)、次いで「1000万円〜5000万円未満」が80件(全体31・9%)。負債額が5億円に満たない企業が全体の85 ・7%を占めている。
資本金別
……「資本金5000万円に満たない企業」が全体の9割近くを占めた。
こうした調査から、「規模が小さく、経営体力のない新規参入企業」が市場からの撤退を余儀なくされていることが明らかです。
証券や不動産でも、「販売会社選び」は重要
「販売会社選び」が大切なのは、太陽光発電投資にかぎったことではありません。
不動産投資の場合、投資家の多くは、物件の管理を賃貸管理会社に委託していると思います。
昨今では、賃貸管理会社の倒産のニュースがたびたび報じられています。管理会社が倒産すれば、家賃の回収は滞ってしまうでしょう。
証券会社も倒産の可能性があります。2012年に帝国データバンクが発表した調査データによると、過去20年間で、147社の証券会社が倒産・廃業・被合併等に追い込まれています。
株式や投資信託の場合、証券会社の財産と投資家の財産は分けて管理されているため、販売会社が倒産しても、投資家の財産が失われることはありません。
しかし、証券会社と投資家の間で、「商品内容、取引条件に関する説明が不十分」「リスクの高い商品を勧められる」「注文したはずの売買取引が行われていない」「注文した覚えのない売買取引が無断で行われている」「依頼した内容とは異なる内容で事務処理が行われた」といった苦情やトラブルが起きています(参照:日本証券業協会ホームページ)。こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、信頼できる販売会社選びは重要です。
では、どうすれば「信頼できる販売会社」を見つけることができるのでしょうか。
結果を出している投資家が、「販売会社を選ぶときに重視しているポイント」は、次の「7つ」です。太陽光発電以外の投資案件でも、販売会社選びの参考になると思います。
信頼できる販売会社の選び方
①銀行から積極的に借り入れをしている
②「経営トップ」が正直である
③社員教育に取り組んでいる
④メンテナンスサービスがしっかりしている
⑤信頼できるビジネスパートナーと協力している
⑥資金調達のお手伝いをしてくれる
⑦自社の商品に投資をしている
1977年、福岡県朝倉市生まれ。専門学校卒業後、完全フルコミッション型の住宅機材の営業を経て、2008年に株式会社アースコムを設立。再生可能エネルギー分野で画期的なビジネスモデルを構築する。
アースコムは、売上41億円、6期連続増収増益。産業用太陽光発電の会社としては全国トップレベルで、本社がある埼玉県に所在する全業種の中で売上高第2位。
また、県の産業労働部より「経営革新計画承認企業」「多様な働き方実践企業」と認定され「超優良企業」として、Yahoo! ニュースをはじめ、さまざまなメディアに取り上げられている。
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