将来の子どもの教育費用などを準備するため、子どものための口座を開設したい人は多いだろう。ネット銀行でも都市銀行と同様、未成年の口座を開設することできる。 未成年者の手続き方法やおすすめのネット銀行を紹介するので、ぜひ参考してもらいたい。

目次
1.ネット銀行で未成年の口座開設を開設できる
2.未成年者の口座を開設するときの注意点
3.15歳未満でも口座開設ができるネット銀行
4.15歳以上の未成年におすすめのネット銀行
5.ネット銀行で未成年の口座を開設してみよう

1.ネット銀行でも未成年の口座開設を開設できる

ネット銀行,未成年,口座開設
(画像=dusanpetkovic1/stock.adobe.com)

未成年の口座を開設する際、開設の条件や申込みに必要なものなど、把握しておきたいポイントがいくつかある。

未成年のネット銀行口座開設の条件

未成年の口座開設に関しては、銀行によって年齢条件が異なる。主要なネット銀行の年齢条件をまとめたのが、以下の表だ。

  15歳未満の未成年 20歳未満の未成年
ソニー銀行
セブン銀行
楽天銀行
イオン銀行
あおぞら銀行 Bank支店 ×
住信SBIネット銀行 ×
auじぶん銀行 ×
※各銀行の公式サイトを基に筆者作成

ソニー銀行や楽天銀行などは15歳未満でも口座を開設ができる。幼稚園や小学校など、子どもがまだ小さいうちに口座を用意することができるのだ。

一方で住信SBIネット銀行やauじぶん銀行などは、15歳以上でないと口座開設することはできない。

また、銀行によってはオンライン口座開設が利用できないなど、申込み方法に制限が加わることもある。

成人の場合とは手続きが異なるケースがあるので、申込みの条件や方法を事前によくチェックしておきたい。

未成年のネット銀行口座開設の申込みに必要なもの

申込みにあたっては未成年者本人のものに加え、親権者の本人確認書類や親権者自身が署名・捺印をした同意書などを求められることが一般的だ。

本人確認書類については運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどのコピーを用意しておこう。

未成年のネット銀行の口座開設の手順

ここでは楽天銀行を例に取って解説する。

1.公式サイトで「子供名義の口座開設」で必要事項を記載する
2.本人確認書類を送付する
3.楽天銀行からお送りする「ThankYouレター 初期設定ガイド」に従って初期設定する

約3分で口座開設申込情報の入力が終わり、あとは楽天銀行から送られてくるThankYouレター 初期設定ガイド」を待つのみだ。 また、口座開設に不明点がある場合は、AIチャットに質問することもできる。

ネット銀行で未成年者の名義で口座を開設するときの注意点

前述したように、未成年者が口座を開設する場合、いくつか注意点が必要だ。事前に確認しておこう。

未成年のネット銀行の口座開設の申込み条件や手続き内容をよく確認する

未成年者の場合、口座開設に必要な書類や手順など、通常の口座開設とは違うことがある。通常の口座開設手続きのものではなく、未成年の場合の説明をしっかり読んでおこう。

例えばイオン銀行では通常、キャッシュカード機能・クレジットカード機能が一体になったイオンカードセレクトが利用できるが、18歳未満の場合は対象外だ。

このように利用できるサービス自体が制限されることがあるので、それでも問題ないかどうか確認しよう。

ATMの利用手数料をチェック

子ども本人が入出金をするなら、近くのコンビニATMでの利用回数が多くなるだろう。口座を開設する銀行が提携しているATMがどこにあるのか、そのATMで手数料が無料になる回数などを確認しておきたい

休眠口座にならないように注意する

子どもが小さい頃に口座を作ってそのままにしている人もいるかもしれないが、休眠口座扱いにはなることがあるので注意しよう。

入金・出金・振込などの取引をせず、10年以上放置しておくと、その口座は銀行から休眠口座と見なされてしまう。その場合、次に出金する際に本人確認書類などの提出が求められ、手続きが煩雑になる。

定期的に入金・出金などをして、休眠口座にならないように対処しておきたい。

15歳未満の未成年者でも口座開設ができるおすすめのネット銀行4選

15歳未満の子どもの口座を開設できるネット銀行を4つ紹介する。

ソニー銀行……15〜20歳未満なら親権者の同意書が要らない

未成年の場合の申込条件 ・15歳未満の場合、親権者の同意書・本人確認書類が必要
・15歳~20歳未満で本人が口座を管理する場合、
親権者の同意書は不要
金利 ・円普通預金:0.001%
・円定期預金:0.010~0.020%
ATMの無料利用回数 Clus Sの適用ステージに応じて、月4回~無制限
無料利用対象のATM ・セブン銀行
・イオン銀行
・イーネット(ファミリーマートなど)
・ローソン銀行
・ゆうちょ銀行
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
申し込み方法 ・郵送
※ソニー銀行の公式サイトを基に筆者作成

ソニー銀行で15歳未満の人が口座を開設する場合は、他の多くの銀行と同じく親権者の同意が必要だ。しかし15歳~20歳未満で本人が口座管理をする場合は、親権者の同意は不要だ。

提携ATMの多さも、ソニー銀行のメリットと言えるだろう。コンビニではセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートの3大チェーンに対応し、三菱UFJ銀行や三井住友銀行といったメガバンクのATMも利用できる。提携ATMが多ければ、身近な場所で入金ができるので利便性も高いだろう。

セブン銀行……7:00〜19:00間はATM手数料無料

未成年の場合の申込条件 ・15歳未満の場合、親権者の同意書・本人確認書類が必要
金利 ・円普通預金:0.001%
・円定期預金:0.015~0.020%
ATMの無料利用回数 無制限(引き出しは7:00~19:00)
無料利用対象のATM ・セブン銀行
申し込み方法 ・アプリをダウンロード
※セブン銀行の公式サイトを基に筆者作成

セブン銀行で口座を開設をするメリットは、セブンイレブンにあるATMの利便性が高いことだ。預け入れは24時間無料で、引き出しも7:00~19:00の間は無料で利用できる。

ただし、無料利用の対象となっているのはセブン銀行のATMであり、その他のコンビニや都市銀行のATMは対象外となっているので注意しよう。

楽天銀行……12歳以下の子どもの口座開設も可能

未成年の場合の申込条件 ・12歳以下も口座を開設できる可能
・親権者の同意書・本人確認書類が必要
金利 ・円普通預金:0.002%
・円普通預金(マネーブリッジ):0.10%
・円定期預金:0.02~0.11%
ATMの無料利用回数 ・月1回~7回
無料利用対象のATM ・セブン銀行
・イオン銀行
・イーネット
・ローソン銀行
・三菱UFJ銀行
・みずほ銀行
・ゆうちょ銀行 など
申し込み方法 ・オンライン
※楽天銀行の公式サイトを基に筆者作成

楽天銀行では、12歳以下の小さな子どもの口座も開設できる。親権者が子どもに代わって代理手続きをすることになる。

口座開設の申込みにおいて、印鑑や申込書の記入は不要だ。パソコンやスマホからの入力で簡単に手続きできるので非常に便利だ。

提携ATMも多いので、身近な場所のATMを利用できる。無料で利用できる回数は、楽天銀行のハッピープログラムでのステージによ応じて変わる。どの条件をクリアできそうか見ておこう。

イオン銀行……都市銀行以外にも多くのATMの利用可能

未成年の場合の申込条件 ・イオンカードセレクトは18歳以上のみ
・キャッシュ++デビットは15歳以上で可能
・15歳未満の場合、親権者の本人確認書類が必要
金利 ・円普通預金:0.01~0.10%
・円定期預金:0.02%
ATMの無料利用回数 ・イオン銀行:無制限で無料
・提携銀行:月1回~5回
無料利用対象のATM ・イオン銀行
・イーネット
・ローソン銀行
・三菱UFJ銀行
・みずほ銀行
・ゆうちょ銀行 など
申し込み方法 ・オンライン
※イオン銀行の公式サイトを基に筆者作成

イオン銀行では15歳未満はキャッシュカードのみ、15歳以上はキャッシュ機能+デビット機能のカードを利用できる。さらに18歳以上ならクレジットカード機能も加わったイオンカードセレクトも利用できる。

イオン銀行のATMは24時間・365日、手数料が無料だ。近くにイオンの店舗がある人なら、お得に利用できるだろう。

イオン銀行のキャッシュカードは、非常に多くの金融機関のATMを利用できる。都市銀行に加えて、地方銀行、信用金庫、信用組合などもでも使えるのでありがい。

15歳以上の未成年者の口座開設におすすめのネット銀行3選

15歳以上の場合は、以下3つのネット銀行も選択肢に入れて検討したい。

あおぞら銀行 BANK支店……長期間の運用に最適

未成年の場合の申込条件 ・15歳以上で口座を開設できる
・家族・親権者の代理手続きは不可
金利 ・円普通預金:0.2%
・円定期預金:0.15~0.2%
ATMの無料利用回数 ・制限なし
無料利用対象のATM ・ゆうちょ銀行
・セブン銀行(出金は110円~220円)
申し込み方法 ・アプリをダウンロード
※あおぞら銀行 BANK支店の公式サイトを基に筆者作成

あおぞら銀行では、日本国内に居住している満15歳以上であれば口座開設は可能だ。その際には必ず口座を保有する本人が手続きを行う必要がある。

あおぞら銀行におけるネット専用のバーチャル店舗がBANK支店だ。BANK支店の円預金金利は、普通預金が0.2%、定期預金が0.15%~0.2%と、国内の金融機関の中でも特に高い水準だ。まとまったお金を預け入れて、長期で運用するのにも向いている。

ATM手数料が回数制限なしで手数料無料なのもメリットだが、ゆうちょ銀行とセブン銀行のみという点は注意したい。またセブン銀行は、出金に関しては1回あたり110円~220円かかる。

住信SBIネット銀行……ステージによってATMの手数料が無料

未成年の場合の申込条件 ・15歳~17歳は郵送での口座開設のみ
金利 ・円普通預金:0.001%
・SBIハイブリッド預金:0.010%
・円定期預金:0.020%
ATMの無料利用回数 ・スマプロランクに応じて月2回~15回
無料利用対象のATM ・ゆうちょ銀行
・セブン銀行
・イーネット
・ローソン銀行
・イオン銀行
申し込み方法 ・オンラインと郵送
※住信SBIネット銀行の公式サイトを基に筆者作成

住信SBIネット銀行も、ステージ制度によってATM手数料が無料になる回数が変わる。注目したいのは、30万円以上の預金があれば「ランク2」となり、翌々月は月5回までATMの利用が無料となることだ。

人にもよるが、30万円以上の預金は特別に高いハードルではないだろう。頻繁に入出金をしない人なら、ATM手数料が無料になるのは月5回までで十分だろう。

なお15歳~17歳の口座開設は、郵送での申込みのみに限られており、オンラインでは申し込めないので注意しよう。

auじぶん銀行……スマホ1台で口座機能が使える

未成年の場合の申込条件 ・15歳以上は口座を開設できる可能
金利 ・円普通預金:0.001%
・auマネーコネクト口座:0.10%
・円定期預金:0.03~0.05%
ATMの無料利用回数 ・入金:じぶんプラスがランク2~5の場合は回数制限なし
・出金:じぶんプラスのランクに応じて月3回~11回
無料利用対象のATM ・セブン銀行
・イーネット
・ローソン銀行
・三菱UFJ銀行
・ゆうちょ銀行
申し込み方法 ・オンライン
※auじぶん銀行の公式サイトを基に筆者作成

auじぶん銀行はスマホアプリに力を入れているのが特徴だ。スマホ1台で、銀行のすべての機能を利用できるようになっている。日頃からスマホに慣れている未成年者は、親しみやすいだろう。

au系のサービス利用と組み合わせることで、Pontaポイントが貯まる仕組みもある。例えばスマホ決済アプリのau PAYにauじぶん銀行からチャージすると、5%のPontaポイントがもらえる。

au系のサービスを利用しているなら、工夫することでポイントを貯められるので、楽しめるはずだ。

ネット銀行で未成年の口座を開設してみよう

ネット銀行も他の銀行と同様に、未成年の口座を開設することができる。金利や提携ATMなどに違いがあるので、自分や子どものライフスタイルに合ったネット銀行を選びたいところだ。申込み方法や用意すべき書類など、通常の口座開設とは異なる点もあるので、事前によく確認してから申込んでほしい。

執筆・安藤真一郎(ライター・ファイナンシャルプランナー)
主に金融系ライターとして活動し、2019年に2級FP技能士資格を取得。マネージャンルで役立つ情報を、初心者にも分かりやすく解説することを心掛けています。関心分野は、キャッシュレス決済、積立投資、ポイ活、節約術など。

MONEY TIMES

【関連記事 MONEY TIMES】
人気のネット銀行10社を徹底比較 定期預金金利、普通預金金利、ATMや振込手数料など
ネット銀行を使うメリット・デメリットは?メインバンクとしてどうなのか?
日本の銀行ランキングTOP10!格付け、口座数、時価総額、自己資本比率など
SBI証券のハイブリッド預金とは?特徴やメリットを紹介
楽天証券の「マネーブリッジ」とは?金利優遇やポイント2重取りなど、メリットも紹介