投資信託や債券など「経済危機に強い」と言われた金融資産の信頼がコロナ禍で揺らいでいます。あわせて株式相場は不安材料が出れば乱高下する状況が続いていくでしょう。そんな中ポートフォリオの安定に貢献すると注目されているのが「太陽光発電投資」です。なぜ太陽光発電が投資として注目されているのでしょうか。本記事では、太陽光発電投資を資産運用にどう活かせばよいのかについて解説します。

新型コロナで金融資産の常識が完全に崩れた

太陽光
(画像=creative-touch/stock.adobe.com)

今までローリスクな金融商品の代表は、投資信託(債券型またはバランス型)や債券でした。しかしコロナショック以降、この常識が通用しなくなっています。コロナショックの直後、株式や投資信託の多くは価格を下げました。なぜなら金融商品の信頼性が揺らぎ「キャッシュ・イズ・キング」と世界中の投資家がこぞって現金化したからです。

その後、大半の銘柄が値を戻しつつあるものの、2番底や長期的な景気悪化の影響も懸念されています。各国の債券が長期にわたって低金利が定着する中、注目度を高めているのが太陽光発電投資です。太陽光発電をポートフォリオに組み込むことは、長期的な安定感に貢献すると考えられます。

そもそも太陽光発電投資とはどんな仕組みなのか

太陽光発電とは、太陽光エネルギーと太陽電池で電気を生み出す発電方式です。発電するための基本アイテムは、以下の3つになります。

  • 太陽光パネル
  • 設置するための架台
  • 直流電気を交流電気に変換するパワーコンディショナー

太陽光パネルを設置するための土地がない人は、土地の購入費や借地料も必要です。太陽光発電にかかわる設備や土地に投資し発電された電気を売ってリターンを得るのが太陽光発電投資の仕組みで、売電によるリターンは1回の太陽光パネル設置で少なくとも数十年以上得られるのが一般的です。

太陽光でポートフォリオ強化ができる理由「時代の流れに合っている」

太陽光発電投資を組み込むとポートフォリオを強化できる理由の一つは、この分野が時代の流れに合っているからです。しかも太陽光発電はこれから数十年にわたって時代の追い風を受け続けることがほぼ決まっています。このような有利な分野を組み込めばポートフォリオの安定感が増すことが期待できるでしょう。ここでは「太陽光発電投資は時代の流れに合っている」という背景を解説していきます。

日本は「温室効果ガスを26%削減」しなければならない

日本は、温室効果ガス削減のための世界的な枠組み「パリ協定」で2030年度の温室効果ガスを「2013年と比較して26%削減すること」を中期目標に掲げています。パリ協定で示した目標に対しては、さまざまな意見がありますが一般的に日本は温室効果ガス削減に積極的な国の一つです。温室効果ガス削減の柱の一つが再生可能エネルギーの活用と言えるでしょう。

再生可能エネルギーには、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどがあります。その中でも大きな比率を占めているのが「太陽光」なのです。

「温暖化ガスの2050年実質ゼロ」の目標も発表

一方で日本の温暖化ガス80%削減の長期目標は「あいまいさがある」「目標達成を先延ばしにしている」などの声もありました。しかし2020年10月に菅首相が「温暖化ガスの2050年実質ゼロ」を打ち出したことで 環境対策で世界をリードするEUと同レベルの目標設定になったと言えるでしょう。そのため今後数十年にわたって再生可能エネルギー分野が急成長する可能性が高まっています。

日本の再生可能エネルギーの利用率は、2019年時点で約18.5%です。欧州の30%前後(2017年)に比べるとかなりの差があるため、再生可能エネルギー(太陽光発電)の利用を進めることが必須です。

太陽光でポートフォリオ強化ができる理由「国にリターンを保証されていること」

太陽光発電投資を組み込むとポートフォリオが強化できるもう一つの理由は「国にリターンを保証されていること」です。金融商品は、経済の波をダイレクトに受けてしまいますが太陽光発電投資は大不況や経済危機が起きても影響を受けない安定した分野と言えます。リーマンショックやコロナショックの直後でさえ太陽光発電投資のリターンはまったく変わりませんでした。

なぜなら太陽光発電投資は「固定価格買取制度(通称:FIT)」があるからです。この制度は、太陽光発電で生み出した電気を「全量を固定価格で20年間買う」と国が約束しています。リターンを国が約束してくれているため、大不況や経済危機の影響が一切ないのです。

サラリーマン投資家には太陽光発電投資のこんなメリットも

このほかサラリーマン投資家にとっては「低金利融資が可能」「運用に手間がかからない」などのメリットもあります。

メリット:低金利融資でレバレッジをかけやすい

サラリーマンが太陽光発電投資をする場合、金融機関から融資を受けて初期費用をまかなうのが一般的です。そのため手元資金が少なくても投資ができます。さらに太陽光発電の融資は低金利なのが一般的です。「手元資金を使わない+低金利融資」といった特性を活用することでレバレッジを効率的にかけて大きな資金が動かせます。

メリット:設置や運用に手間がかからない

太陽光発電投資の初心者でもスムーズに運用がしやすいことも大きなメリットです。太陽光発電投資には、太陽光パネル設置・環境整備・点検・修理などの手間がかかります。これらの業務をすべて専門業者にアウトソースすれば管理負担を大きく削減した状態でリターンを得ることが可能です。

太陽光発電のCFが新たなCFを呼ぶスキームを

太陽光発電投資は国が収益を保証する「固定価格買取制度」でリスクヘッジされています。長期的に安定したリターンを計算しやすいため、太陽光発電投資をポートフォリオに組み込めば安定感が期待できるでしょう。ちなみに太陽光発電投資の平均的な利回りは10%前後です。これはマンション投資などと比べると高利回りの傾向と言えるでしょう。

しかしベンチャー株投資やFXなどのように短期間でハイリターンを狙えるタイプの投資ではありません。ローリスク・ローリターンの部類に入ります。「ハイリターンを狙えない」というデメリットを解消する方法としては、太陽光発電投資で生み出したキャッシュフローをほかの投資商品に再投資することも方法の一つです。

例えばこれから成長が期待できる太陽光発電や再生可能エネルギー関連株に再投資することも妙味があります。また太陽光発電関連のリートに再投資をするのも面白いでしょう。うまくはまれば太陽光発電投資のCF(キャッシュフロー)をもとに太陽光関連の株式やリートがさらにそれを膨らませる好循環のスキームを生み出すことも期待できます。

太陽光発電投資は投資のニューノーマル

新型コロナによって働き方・医療・教育などあらゆる分野で「ニューノーマル(新しい常識)」が起きています。そのため経済活動の変化をダイレクトに受ける投資やポートフォリオも今までとは違ったニューノーマルが求められているのです。「とりあえず分散投資をしていれば大丈夫」という過去の常識は通用しない可能性があるため、時代の流れにフィットした新しい発想が必要になります。

新しい発想の一つが「太陽光発電投資をポートフォリオに組み込む」という考え方です。大切な資産を守りながら効率よく運用していくためにも、既存のポートフォリオに太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。(提供:Renergy Online