「株には興味があるけど、買い方がわからない」という方のために、証券会社の選び方や口座開設の方法、銘柄の選び方や注文方法など、株の買い方をわかりやすくまとめました。

これから株を始めたいという方は必見です。

株の買い方は?口座開設から取引まで4ステップ 

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(画像=PIXTA)

株の買い方は、以下の4ステップに分けられます。

【株の買い方4ステップ】
1.証券会社を選ぶ
2.口座開設
3.入金
4.銘柄を選んで購入

それぞれについて、わかりやすく解説します。

1.証券会社を選ぶ

まずは、口座を開設する証券会社を選びます。

取扱商品や手数料は証券会社ごとに異なるので、それぞれチェックしましょう。自分が購入したい商品があり、有利に取引ができる証券会社を選びましょう。

<迷ったら「SBI証券」>
証券会社を1社ずつチェックするのが望ましいですが、数が多いので大変かもしれません。

証券会社選びに迷ったら、「SBI証券」で開設するのがおすすめ。SBI証券はネット証券大手で、証券口座数、預かり資産ともに主要ネット証券でNo.1だからです(2020年3月末、SBI証券HPより)。

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2.口座開設 本人確認書類とマイナンバーを準備

証券会社を選んだら、口座を開設しましょう。

証券会社の口座開設には「本人確認書類」と「マイナンバー確認書類」の2点が必要です。

以下のような書類を用意します。

本人確認書類 ・マイナンバーカード
・運転免許証
・パスポート など
マイナンバー確認書類 ・マイナンバーカード
・通知カード
・マイナンバー記載の住民票 など

提出できる書類は証券会社ごとに異なるので、事前に確認しておきましょう。

3.入金 

口座開設が完了したら、入金しましょう。証券会社によっては事前に入金しないと取引できないところがあるので、前もって入金を済ませておきましょう。

【いくら入金すればいい?最初は無理のない金額で】

購入する銘柄が決まっていない場合は、いくら入金すればよいかわからないかもしれません。

最初は無理のない金額にしておき、その金額の範囲内で買える銘柄を選ぶとよいでしょう。かなり多くの銘柄があるので、少額でも買える銘柄が見つかるはずです。

4.銘柄を選んで購入

ステップ3までは株を買う準備でしたが、ここからは実際に銘柄を選んで株を買います。

銘柄選びについては、次章で詳しく解説します。

買う株はどう選ぶ?業績や配当をチェック

買う銘柄は、どのように選べばよいのでしょうか。ここでは、選び方について解説します。

「業績」のチェックが基本

株の銘柄選びでは、「業績」のチェックが基本であり重要です。業績とは企業の経営成績のことで、売上や利益などを指します。

そもそも株には「企業の利益の一部を受け取れる」というメリットがあるため、「多くの利益を出せる企業」や「これから成長して多くの利益を出しそうな企業」の株は値上がりしやすいといえます。

したがって、「利益を出す企業の株を買う」が株の銘柄選びの基本といえます。業績を確認し、値上がりが期待できる企業の株を選びましょう。

<ツールが便利でおすすめ>
上場企業の業績は決算書類で確認できますが、おそらく最初は難しいので、業績チェックをサポートするツールの利用をおすすめします。

おすすめの業績チェックツール

会社四季報(しきほう) 東洋経済新報社が発行する、
上場企業の業績を取りまとめた本。
ネット証券などのアプリに搭載されていることも。
スクリーニング 絞り込みツール。業績などの条件を指定し、
条件に合致する企業の株式を検索できる。
ネット証券HPやアプリなどで利用できる。

配当&優待を確認

株式を買うと企業の利益の一部を「配当」としてもらえることがあります。また、それとは別に「株主優待」を実施している企業もあります。

企業は配当予想も公開しているので、上記のツールなどを利用して確認します。株主優待は企業HPでも確認できますが、ツールで検索できるものもあります。

ただし配当と株主優待は、どちらも必ずもらえるわけではありません。業績によっては減配(配当が減る)や無配(配当が行われない)、優待の廃止もありえます。

【配当や優待を受け取るにはいつまでに買えばいい?】

配当や株主優待を受け取るためには、「権利付き最終日」までに株を買わなければなりません。権利付き最終日は、株によって異なります。

株主優待は保有株数保有期間に条件が付いていることがあるため、必ず事前にチェックしましょう。

避けたほうがよい銘柄

株取引自体にはもちろんリスクがありますが、その中でも特にリスクが高い銘柄があります。初心者のうちは、以下のような銘柄は避けたほうが無難です。

✔︎上場廃止になりそうな銘柄
証券取引所は注意喚起のため、上場廃止になりそうな銘柄を公表しています。上場廃止銘柄には、以下の2つがあります。

〇監理銘柄:上場廃止のおそれがある銘柄
〇整理銘柄:上場廃止が決定された銘柄

これらは値動きが大きくなりやすいので、手を出さないようにしましょう。

✔︎「継続企業の前提」が疑わしい銘柄
上場企業は「将来にわたって無期限に事業を継続する」前提で活動しており、これを「継続企業の前提」といいます。

この前提が疑わしくなった、つまり経営破綻の可能性が高くなった場合、決算書の「継続企業の前提に関する注記」に理由が記載されます。

経営破綻の可能性が高いと判断されるため、このような企業の株は値動きが大きくなる傾向があります。決算書でも確認できますが、証券会社が注意喚起を行っていることもあるので、そのような銘柄は避けるようにしましょう。

株の買い方はたくさんある! 注文方法一覧

買いたい銘柄を見つけたら、買い注文を入れましょう。

株の注文方法には、いくつか種類があります。証券会社によって選択できる注文方法は異なりますが、ここでは代表的なものを紹介します。

【株は100株単位で取引】
基本的に株は100株単位で取引するため、株価によっては多額の資金が必要になります。例えば株価が1,000円の株を買うには、最低でも10万円かかります。株価が1万円の場合は100万円です。

基本の買い方

まずは、基本的な注文方法を2つ紹介します。

✔︎指値(さしね) 「〇円以下で買う」
「指値注文」は、取引を成立させる値段(株価)を指定する注文方法です。指定した値段を「指値」といいます。

「指値注文」は指値ちょうどで買うという注文ではなく、「指値以下で買う」という注文です。例えば「100円で買い」という指値注文を入れると、99円や98円でも買いが成立します。

✔︎成行(なりゆき) 「今の株価ですぐに買う」
「成行注文」は、取引を成立させる値段(株価)を指定しない注文方法です。値段を指定しないでので、すぐに買えるというメリットがあります。

【初心者は「指値」と「成行」で充分】

株の注文方法は、「指値」と「成行」さえ覚えていれば問題ありません。複雑な注文方法もありますが、難しいので初心者は間違えてしまうおそれがあります。

次に説明する応用編の注文方法は、ある程度慣れてきてからトライしましょう。

応用編の買い方

基本的な取引は「指値注文」と「成行注文」で可能ですが、応用編も確認しておきましょう。

✔︎逆指値 「〇円以上で買う」
「逆指値注文」は、指値注文の逆で「指値以上になったら買う」という注文方法です。

株は安く買えるに越したことはないので、無意味な注文方法に思えるかもしれません。しかし、逆指値の買い注文が有効な場面があります。

その代表が「トレンドフォロー」での活用です。

トレンドフォローとは、「株価が上昇トレンドにある銘柄を買う」という投資手法のことです。「株価は上がり始めたら、ある程度上がり続ける」という傾向があるため、上がり始めた銘柄を買います。

逆指値の買い注文は、上がり始めた銘柄に投資したい場合に便利です。

例えば「現在は100円だけど、110円を超えたら上昇トレンドに入ってさらに上がるだろう」と考えた場合は、逆指値110円の買い注文を入れると思惑通りの取引ができます。

✔︎OCO(オーシーオー) 「〇円以下で買う」または「〇円以上になったら買う」
「OCO注文」は、「指値注文+逆指値注文」を同時に出す注文方法です。

どちらかが成立すると、もう1つの注文は失効します。こちらも、トレンドフォローでの活用を例に考えてみましょう。

先ほどの例では「現在100円の株価が110円以上になると上昇トレンドに入り、さらに上がるだろう」という考えを、逆指値の買い注文で実現させました。

同じ人が逆指値注文に加えて「もし50円まで下がったら買いたい」と考えた場合はどうでしょうか。この場合は、指値50円の買い注文が適しています。

逆指値注文と通常の指値注文を同時に出せるのが、OCO注文です。この例では、OCO注文で「逆指値110円+指値50円」の買い注文を出せば思惑通りの取引ができます。

✔︎IFD(イフダン) 「〇円以下で買えたら〇円以上で売る」
「IFD注文」は、売りたい株価があらかじめ決まっている場合、買い注文と同時に売り注文も設定しておける注文方法です。

例えば「100円で買えたら120円で売ろう」と考えた場合は、IFD注文で「指値100円で買い+指値120円の売り」という注文を出せば思惑通りの取引ができます。

株の売り方は?

株を売る場合は、上記の注文方法の条件や使い方が少し変わります。ここでポイントを押さえておきましょう。

売り注文の「指値」「逆指値」の条件

買い注文の場合、指値注文は「指定した価格以下で買い」、逆指値注文は「指定した価格以上で買い」となります。

売り注文ではこれらが逆転し、指値注文は「指定した価格以上で売り」、逆指値注文は「指定した価格以下で売り」となります。

  指値注文 逆指値注文
買い注文 指値(指定した価格)以下で買い 逆指値(指定した価格)以上で買い
売り注文 指値(指定した価格)以上で売り 逆指値(指定した価格)以下で売り

指値注文では指値よりも有利な株価(安く買う、高く売る)でも取引が成立しますが、逆指値注文では一見不利な株価(高く買う、安く売る)で取引が成立します。

前述のとおり逆指値注文には活用方法がありますが、使い方には十分注意しましょう。次は、「逆指値の売り注文」の活用方法を解説します。

指値の売り注文は「利益確定」に、逆指値の売り注文は「損切り」に使える

売り注文は、基本的に以下の2つの目的で出します。

【株を売る目的】
〇利益確定:買った価格よりも高い価格で売る(利益の確保)
〇損切り:買った価格よりも安い価格で売る(これ以上損失が広がらないように損失を確定する)

利益を確定したい場合は「指値注文」が、損切りをしたい場合は「逆指値注文」が便利です。

例えば、100円で買った株を持っているとします。「120円で利益を確定したい」と考えた場合、「指値120円の売り注文」を入れれば120円以上で売却できます。

「80円以下になったら損切りしたい」と考えた場合は、「逆指値80円の売り注文」を入れると株価が80円以下になったら売却できます。

売り注文の場合は、売る目的に合わせて「指値注文」と「逆指値注文」をうまく使い分けましょう。

株の利益には税金がかかる!どうやって計算される?

株の利益は「(売り単価-買い単価)×株数」で計算され、それに20.315%の税金がかかります。

この計算式に出てくる「買い単価」ですが、同じ銘柄を複数回に分けて買った場合は、実際に買った株価と異なる数値になる場合があるため、注意が必要です。

なぜ注意が必要なのか解説します。

株の利益を計算する際の買い単価は、「平均取得単価」で計算されます。以下の例で確認しましょう。なお、手数料などの経費は考慮していません。

〇1.A株を100円で100株買う(買付代金:100円×100株=1万円)
〇2.同じA株を200円で100株買う(買付代金:200円×100株=2万円)

この場合買い単価は「100円」と「200円」の2つありますが、税金を計算するために、これらを1つの平均取得単価にするのです。

この場合は、以下のように計算されます。

〇平均取得単価=3万円(買付代金の合計)÷200株(買付株数の合計)=150円

つまり、200株すべてを150円という平均単価で計算し税金を出すということになります。

株を一度で買った場合は買い単価と平均取得単価は同じになりますが、同じ銘柄を複数回に分けて買った場合は注意しましょう。

株の買い方は証券会社選びから

株取引を始める際の最初のハードルは、証券会社選びでしょう。「どこで開設すればよいかわからない」という方は、まず「SBI証券」で口座開設しましょう。ネット証券大手で投資家から選ばれている実績があり、手数料無料で取引できるためおすすめです。

買う銘柄は業績をしっかり確認し、利益が大きい、または大きくなりそうな企業の株を買うのが基本です。注文方法に気をつけながら、株式投資を始めましょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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