コロナ対応で多くの病院の経営状況が悪化し、働いている看護師のボーナスにも影響が出ています。仕事の負担は増えているのに、なぜ減収になるのか、納得できないですよね。今回はコロナの影響で看護師が直面している現実と、看護師が自身や家族を守るために知っておきたいお金の増やし方を解説します。

コロナで病院経営が悪化、賞与カット――看護師が直面するリアル

看護師,高給与
(画像=andrey-popov/stock.adobe.com)

2020年初頭から、すでに1年近くに渡って、医療機関は新型コロナウイルスの対応に追われています。情報も人員も不十分な中、未知の感染症に対応する医療現場の仕事の重圧ははかり知れません。自身や家族の感染リスクにも気を張る必要があるなど、看護師を取り巻く環境は厳しさを増しています。

それにもかかわらず、経営悪化を背景に、看護師の賞与カットを余儀なくされた病院も少なくありません。

日本医療労働組合連合会の調査によると、前年と比較可能な289の組合のうち、128組合が2020年度の冬のボーナスを引き下げる方針を明らかにしました。さらにその内の31組合では、引き下げ額が10万円以上にのぼるとの結果が報告されました。

今回のようなパンデミックが起きた時、職場である病院が看護師を守ってくれるとは限りません。いざという時に自分の身を守れるよう、お金について考える時間を持ち、賢く資産形成していくことが大切です。

今だからこそ看護師が考えたいお金の話

資産形成の基本的な考え方を身につけるため、まずは「貯める」「増やす」という2つの視点を持ちましょう。

お金を「貯める」視点

資格職である看護師は、給与水準の高い職業です。とはいえ、人生100年時代といわれる今、安心して老後生活を送るには準備が欠かせません。忙しい看護師が老後に向けて資産形成をするなら、「先取り貯金」で仕組み化することが大切です。

「先取り貯金」とは、給与が振り込まれたら、お金を使う前に先に一定額を貯金してしまう方法のことです。「好きなように使って、残ったお金を貯めよう」と考えていては、計画的な貯金はできません。

仕事が忙しい看護師だからこそ、ほったらかしでもお金が貯まる仕組みづくりをしましょう。

お金を「増やす」視点

超低金利時代の今、せっかく働いて稼いだお金を預貯金に眠らせておくのはもったいないことです。投資を活用して、効率的に資産を増やす視点を持ちましょう。

長期間に渡って投資を継続すれば、複利効果によって、効率的に資産を形成できます。複利効果とは、投資で得た利益をさらに投資に回すことで、利益が利益を呼び、雪だるま式に資産が増えていくことです。

複利効果を最大限活用するためにも、早めに投資をスタートすることが大切です。

看護師に向いている投資方法

資産形成に興味があっても、仕事で忙しくて投資する時間がないという看護師は多いでしょう。しかし、最初に商品選びさえきちんとすれば、あとはほったらかしで資産形成ができる投資方法もあります。続いては、忙しい看護師におすすめの投資方法を3つご紹介します。

つみたてNISA

つみたてNISAは、年間40万円までの投資で得た運用益が、最長20年間非課税になる国の優遇制度です。つみたてNISAを利用すれば、20.315%の税金が非課税になるため、効率的に資産形成ができるでしょう。

また、つみたてNISAの対象となる商品は、長期の資産形成に適していると国が認めた投資信託のみです。投資信託は、価格変動が穏やかなので、株式投資やFXのように株価や為替レートを小まめにチェックする必要がありません。そのため、多忙な看護師に向いている投資商品といえるでしょう。

iDeCo

iDeCo(イデコ)は、自分で年金を積み立てて投資・運用する私的年金制度です。

iDeCoに加入するメリットは、掛け金が全額所得控除になり、節税効果が大きいことです。日本では、所得が高い人ほど所得税率も高くなり、所得控除の節税効果が大きくなります。そのため、給与水準の高い看護師は、iDeCoのメリットを享受しやすいといえるでしょう。

ただし、iDeCoで積み立てた資金は、原則として60歳を超えるまで受け取れません。ライフイベントなども踏まえ、余裕資金で積み立てることが大切です。

不動産投資

不動産投資とは、不動産を所有し、第三者に貸して家賃収入を得る投資方法です。職業的に信用力の高い看護師は、不動産投資ローンを組みやすく、効率的に資産形成ができます。

不動産投資と聞くと、リスクが高く難しいイメージがあるかもしれません。しかし、不動産会社選び・物件選びさえしっかり行えば、毎月安定的に家賃収入を得られます。本業の収入だけでなく、不動産投資による不労所得を受け取れるようになれば、金銭的にも精神的にもゆとりが生まれるでしょう。(提供:Medi Life

【おすすめ記事 Medi Life】
将来の備えはどうする?自分でつくる私的年金3種類を紹介
忙しい医師・看護師に不動産投資がおすすめの3つの理由
老後資金はいくら必要?30代40代の看護師も考えるべき資産運用
看護師だから大切にしたいワーク・ライフ・バランス
あなたのキャリアはどうなる?看護師が持つ豊富な選択肢