【厳選】オーナーズ倶楽部編集部 おすすめ書籍を紹介
不動産オーナー、そして将来オーナーになる方にとって、日々の賃貸経営について、そして次の不動産投資については、いつも情報を求め、学びを深めていることでしょう。そこで、オーナーズ編集部では、多くの書籍の中から、良質な1冊を厳選し、その抜粋を紹介してまいります。
著者 広瀬智也
担保評価が高い物件と低い物件
銀行や支店、担当者によって融資が通りにくい銀行と通りやすい銀行があるように、物件によっても融資が通りやすい物件と通りにくい物件があります。
銀行も商売ですから、物件によって融資したがったり、融資したがらなかったりするのは当たり前。でも、「融資したがらない」といっても、まったく貸してくれないというケースもあれば、「こちらが求めている条件で貸してくれない」というケースもあります。
まず一般的に、売買価格と銀行の担保評価にかい離のある物件(売買価格のほうが安い)には、銀行は融資をしたがりません。
逆に、路線価が高いとか建物評価が高いなど、担保評価が売買価格より高い物件であれば融資は受けやすくなります。
土地の評価は路線価をベースに各行が算定します。また建物については、減価償却費の説明で触れたように、銀行の木造建物に対する評価は低く、一方でRC造に対しては高く評価します。これは単純に、建物の丈夫さ、耐用年数に対する評価と考えていいでしょう。
銀行の評価の目安を知る
銀行がその不動産の評価をするのに、「積算評価」や「収益還元評価」といった方法がありますが、ここでは、より一般的な「積算評価」についてお伝えします。積算評価とは「土地と建物の評価額」の合計です。土地については路線価に平米数をかけて算出し、建物については「構造別の平米単価×平米数×残存年数の割合」で算出します。
▽銀行の担保評価が高い物件、低い物件
銀行の担保評価 | 高い | 低い |
---|---|---|
路線価 | 路線価が高い | 路線価が低い |
建物 | RC造、鉄骨造 | 木造 |
築年数 | 新しい | 古い |
所有権 | 一棟の建物 | 区分所有、借地 |
私の場合は、以下の速算表でおおよその建物評価(担保評価)を推測しています。実際の評価は銀行によってまちまちですが、担保評価がどの程度出るかの目安を知る参考にはなると思います。
新築の際、木造、鉄骨造、RC造のどれにするかは悩むところです。木造のほうがRC造よりもコストが安いので利回りも良くなりますが、担保としての評価は低く見られます。建物自体も意識してRC造にするか、中間を取って鉄骨造にするか、銀行の担保評価を指針に決めていくのも一つの方法だと思います。私は、新築を建てるときに、木造とRC造の両方の可能性を考えながら、銀行の評価を聞いて決めたこともあります。
いずれにしても、どんな物件が有利な条件で融資を受けやすく、どんな物件が厳しい条件でしか融資を受けられないのか、融資の傾向を知っておけば、実際に銀行と交渉する際にプラスになることでしょう。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます
- 【連載#1】不動産経営の収支計画はどう作ればいいの
- 【連載#2】どうすればキャッシュフローは良くなるの?
- 【連載#3】「キャッシュフロー」が悪化するのはどんなとき?
- 【連載#4】ローンを多く受けるのと少なく抑えるのとどちらがいい?
- 【連載#5】物件を持っておくか売却すべきかはどう判断する?
- 【連載#6】銀行っていっぱいあるけど、どこに相談すればいい?
- 【連載#7】融資が通りやすい物件、通りにくい物件ってあるの?
- 【連載#8】融資を受けやすい人、受けにくい人を教えて
- 【連載#9】慣れていない人は、どうやって銀行に相談すればいいの?
(提供:オーナーズ倶楽部)
【おすすめ記事 オーナーズ倶楽部】
・2020年4月の民法改正で賃貸借契約はどう変わる?
・自主管理するメリットとデメリット!デメリットを回避するサービスとは?
・極度額の明記が必須に!民法改正によって連帯保証人はどうなるのか?
・民法改正で、オーナー・入居者の修繕義務はどう変わった?
・民法改正で「敷金」の扱いはどう変わる?