NiziU、KingGnu、米津玄師、LiSAといったアーティストの活躍が目覚ましい。魅力と勢いのある彼らに、1万円台から投資できる方法がある。一見まったく別の業界と思われがちな芸能と経済だが、実は両者は密接な関係にある。

1. NiziU、米津玄師、King Gnu、LiSAはソニー・ミュージックエンタテインメント所属アーティスト

株式投資,ソニー
(画像=Sundry Photography/stock.adobe.com)

2020年に活躍したアーティストと言えば、NiziU、米津玄師、KingGnu、そしてLiSAなどだろう。彼らにはある共通点がある。

ソニー・ミュージックエンタテインメントは人気アーティストが多い

実は彼らはみんな株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントのグループ会社にゆかりのあるアーティストだ。

たとえば大ヒットアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマを歌ったLiSAの所属事務所は「ソニー・ミュージックアーティスツ」だ。作曲からプロデュースまで手掛ける米津玄師の所属レーベルはソニー・ミュージックレーベルズ内の「SME Records」である。テレビドラマ主題歌で有名となった4人組ロックバンドKing Gnuも、ソニー・ミュージックレーベルズ内の「Ariola Japan」に所属している。プレデビュー曲『Make you happy 』
のYouTubeミュージックビデオの再生回数が2億回を突破したNiziUの日本のレーベルはソニー・ミュージックエンタテインメントだ。

ソニーの音楽事業を束ねるソニー・ミュージックグループは、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントを中心に約20社のグループ会社で成り立っている。ソニー・ミュージックエンタテインメントはソニーの100%子会社だ。

今期のソニーの業績はPSもあり絶好調

親会社であるソニーの業績は明るい。2011年から2012年にかけては連続して巨額赤字を出し経営危機もささやかれたが、現在はV字回復を達成している。

2021年3月期第三四半期の連結業績では売上高が6兆7789億円(前年同期比4.1%増)、営業利益が9,054億円(同11.8%増)だった。特にゲーム・インターネット事業において自社制作タイトルの好調やPS4・PS5といったハードウェアの収益改善などが全体をけん引した。

音楽分野も売上高2,645億円(22%増)で好調だ。アニメやゲームアプリなどの映像メディア・プラットフォーム部門の増収、音楽のストリーミング配信の増収も寄与している。新型コロナにより映画分野の売上高は大幅減少したが、広告宣伝費の減少とホームエンタテインメントの増収により営業利益は222億円(411%増)となっている。

2.ソニーに投資することで間接的に好きなアーティストに投資できる

投資とアーティストの応援に何の関係がと思われるかもしれないが、好きなお菓子を作っている食品会社の株を買うのと同じ行動だと考えればよい。

ソニー事業のセグメントはゲーム、インターネット、映画、音楽、エレクトロニクス、金融、メディカル、教育など多岐にわたる。ソニー・ミュージックエンタテインメントは音楽事業を統括する。同社は上場していないが、親会社であるソニーの100%子会社であり、ソニーの株式を取得することは間接的にKingGnu、米津玄師、NiziU、LiSAといったアーティストに投資することを意味する。

ソニー本体の業績もさることながら、音楽事業の将来も期待できる。社会現象ともなったアニメ『鬼滅の刃』はソニー傘下のアニプレックスが製作に携わっており、ストリーミング配信で人気を博している。「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」も同じくアニプレックスが東宝と共同配給しており、興行収入は300億円を突破している。アニプレックスはソニー・ミュージックエンタテインメントの100%子会社だ。

3.ソニーに1万円台から投資する方法

ソニーという企業に投資したい場合、株式を購入するのが一般的だ。必要な資金はどのくらいだろうか。

ソニー株への最低投資額は120万円以上

たとえば2021年2月5日のソニーの終値は1万2,450円だった。売買単位は100株なので、ソニーに投資をしようとすると最低120万円が必要になる。個人投資家が1つの企業に120万円投資してしまうと、他の資産に分散投資するための資金が不足してしまう恐れがある。

単元未満株ならソニーに1万2000円から投資できる

そこで注目したいのが単元未満株である。単元未満株とは売買単位に満たない1株から株式が購入できる仕組みだ。通常の単元単位だと高額になってしまう銘柄でも、単元未満株なら少ない資金で株主になれる。ソニーの場合、1株買うには1万と少しあれば購入可能だ。

単元未満株のメリットは少額で投資できることだけではない。通常の株主のように配当金も受け取れる。銘柄によっては単元未満でも優待が受けられるものがある。投資金額が少ないので配当金もわずかだが、通常の株主と同じ扱いをしてもらえるのはうれしい。ただし議決権はない。

4.単元未満株が買えるネット証券5選

単元未満株が買えるネット証券はSBI証券、マネックス証券、auカブコム証券、SBIネオモバイル証券、LINE証券などだ。楽天証券や松井証券では扱っていない。「S株」「ワン株」「プチ株」など呼び方は証券会社ごとに異なる。以下にまとめた。

  SBI証券 マネックス
証券
au
カブコム
証券
SBI
ネオモバイル
証券
LINE証券
名称 「S株」 「ワン株」 「プチ株」 「S株」 「いちかぶ」
売買
可能銘柄
東証上場銘柄 東証・名証
上場銘柄
東証・名証
上場銘柄
東証
上場銘柄
同社が指定する
国内株式、
国内ETF
約1,000銘柄
約定
タイミング
1日3回 1日1回 1日2回 1日3回 取引時間中
リアルタイム
手数料
(税込)
約定代金×0.55%
最低手数料:
55円
約定代金×0.55%
最低手数料:
52円
約定代金×0.5%
最低手数料:
52円
月額220円 約定代金×
0.2%~1.0%
(時間帯・
銘柄による)
積立買付
※筆者作成、2021年1月22日時点

単元未満株の対象銘柄は証券会社によるが、マザーズ・JASDAQも含めた東証上場銘柄すべて、あるいは名証上場銘柄すべても対象となっているところが多い。積み立て買い付けができる場合は毎月1株ずつ購入する方法も可能だ。

5.単元未満株の注意点

単元未満株にもデメリットはある。まず少額であるため得られる利益も小さいという点だ。購入時100万円の株式が10%値上がりすれば10万円の利益だが、1万円の株式だと利益は1,000円にしかならない。

単元未満株は手数料が割高というのも気になる。たとえばSBI証券の場合、100万円〜150万円の国内株式の取引には1注文ごとに640円(税込)の手数料がかかる。単元未満株はその100分の1の取引だから手数料も100分の1、とはならない。上の表をみてみると単元未満株でも50円程度の手数料がかかるため、単元株と比較すると手数料が割高ということが分かる。約定タイミングが限られるなど通常取引との違いにも注意だ。

6.初心者でもソニーのような大型株を少額で購入できる

ソニーのような有名な大企業の株式でも少額で投資が可能になる方法を紹介した。大ヒットとなった作品や好きなアーティストに対して個人が投資できるのだから株式投資は奥が深い。身の回りの興味のあることがどんな企業につながっており、投資する価値があるのかどうか、いちど調べてみるのも良いのではないだろうか。

執筆・篠田わかな(ファイナンシャルプランナー)
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。

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