STREAMは、2018年に誕生した新しい株アプリサービス。手数料が無料、スマホで操作が簡単、コミュニティに参加できるといった、従来のネット証券にはない特徴がある。ここでは、証券口座の開設を検討している投資初心者に向けて、STREAMの特徴や利用するメリット、注意点などを解説しよう。
1,STREAMの3つの特徴
まずは、STREAMの主な特徴を紹介しよう。
特徴1,ダークプールを介した取引でユーザー手数料が無料
STREAMの最大の特徴は、取引手数料が無料であることだろう。取引回数や約定金額に関係なく手数料が無料のサービスは、日本初だ。
取引手数料が無料の理由は、ダークプールを利用した「SMART取引」を行っているため。ダークプールとは東京証券取引所を通さず、他の注文と付け合わせることで取引を成立させる方法のことだ。
SMART取引では、取引所より有利な価格で取引が成立することもある。その差額の半分が、STREAMの収益になるわけだ。
特徴2,口座開設から取引までスマホで完結
STREAMは口座開設・本人確認・入出金・取引といった一連の流れを、すべてスマホで完結できる。書類の記入や捺印などの手間がかからず、迅速に口座を開設できる。本人確認書類もアプリから画像をアップロードするだけなので、簡単だ。
特徴3,コミュニティ機能
STREAMのアプリには口座開設や取引だけでなく、最新ニュースや銘柄ごとの掲示板などを見られる機能もある。ユーザー同士で交流することもできるため、積極的に情報交換しながら株取引を楽しみたい人に向いている。
2,STREAMの基本情報
上記のような特徴のあるSTREAMだが、会社情報や取扱商品などの基本スペックを整理しておこう。
STREAMのサービス基本情報一覧(2021年1月14日現在)
会社情報 | 会社名 | 株式会社スマートプラス |
設立 | 1999年11月19日 | |
資本金 | 66億2,361万1,000円 | |
自己資本規制比率 | 1,454.9% (2020年11月末) | |
口座開設数 | ― | |
口座 | 口座開設手数料 | 無料 |
口座管理手数料 | 無料 | |
入出金・振替 | 入金方法 | 日本円 |
リアルタイム即時入金 | 無料(会社負担) | |
出金日数 | 翌営業日 | |
出金手数料 | 無料(会社負担) | |
リアルタイム入金 提携金融機関数 |
10 | |
ツール・サービス | PC版取引ツール | ― |
スマートフォン版 取引ツール |
STREAMアプリ (iPhone・Android) |
|
現物株注文方法 | ・成行 ・指値 ・逆指値 |
|
執行条件付き注文 | ― | |
自動売買発注方式 | ― | |
取扱商品 | 株式 | ・現物株取引 ・制度信用取引 ・一般信用取引 ・単元未満株 (売却・買取請求のみ) ・ライツオファリング (新株予約権無償割当) |
先物・オプション | ― | |
外国株 | ― | |
その他 | ― | |
株式取扱銘柄 | ・東京証券取引所上場株式 (マザーズ、JASDAQを含む) |
3,STREAMの手数料は?現物取引は完全無料
現物取引は手数料0円
STREAMは口座開設手数料・維持費がかからないため、気軽に口座を開設できる。さらにSTREAMは、現物取引に関しては手数料無料で取引が可能だ。
信用取引は1.84%〜の買方金利がかかる
信用取引でも、取引手数料は完全無料だ。ただし、1.84~3.49%の買方金利が発生する。
信用取引には、「一般信用(買建のみ)」と「制度信用(買建・売建)」がある。取引では買方金利や貸株料、逆日歩(制度信用のみ)といったコストも発生する。
STREAMの買方金利は、ソーシャルステータスの「クラス」に応じて以下のように変動する仕組みだ。
クラス | 買方金利 (制度信用取引) |
買方金利 (一般信用取引) |
SS | 1.89% | 1.84% |
S | 2.29% | 2.24% |
A | 2.79% | 2.74% |
B | 2.99% | 2.94% |
C | 3.29% | 3.24% |
D | 3.49% | 3.44% |
クラスをランクアップするには、コミュニティで「いいね」ボタンを押したり、コメントをしたりといったアクティビティが必要になる。
4,STREAMの5つのメリット
ここまでSTREAMの基本情報や手数料について説明してきたが、ここからは実際にどのようなメリットを享受できるのか見ていこう。
メリット1,最短5分で申し込みが完了する
STREAMは、アプリまたは公式ホームページから口座を開設する。必要な情報の入力と本人確認書類のアップロードが終われば、最短5分で口座開設の申し込みが完了する。
審査が完了すると、取引開始に必要なコードが送られてくる。そのコードをSTREAMのアプリに入力すると、取引ができるようになる。
アプリから申し込むと、最短で翌日に取引を開始できる。すぐに取引したい人は、アプリで口座開設を申し込もう。
メリット2,買付・売却の手数料が無料
前述のとおり、STREAMは取引手数料が条件なしでずっと無料だ。現物取引も信用取引も取引手数料は無料。もちろん、口座開設料や維持手数料はかからない。
資産残高などに応じて手数料を無料または優遇する証券会社はあるが、STREAMにはそのような制限がなく一律無料なので、投資初心者でも安心して取引ができるだろう。
メリット3,ネットバンキングを利用すると入出金手数料も無料
STREAMでは、以下の銀行のネットバンキングを利用すると入出金手数料も無料になる。
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・ゆうちょ銀行
・りそな銀行
・埼玉りそな銀行
・関西みらい銀行
・住信SBIネット銀行
・楽天銀行
・ジャパンネット銀行
都市銀行や大手のネット銀行も利用できるので、利便性が高い。上記金融機関のネットバンキング口座がない場合は、専用の入金口座に振り込むことになり、手数料がかかる。
なお、出金は原則として翌営業日になる。急いでいなければ、特に問題ないだろう。
メリット4,コミュニティに参加して情報を得られる
STERAMにはコミュニティ機能もあり、他の投資家から情報を入手することもできる。オンラインコミュニティは24時間利用でき、初心者もベテラン投資家との交流が可能だ。
ニュースに関するコメントを読むことで、他の投資家の考え方を学べるのは貴重だ。コメントが役に立ったら、「いいね」ボタンをタップしよう。わからないことがあれば、質問すれば回答してもらえることもある。
月に1回開催される「STREAM CAMP」は、東京・大阪・名古屋で開催されるオフライン・コミュニティだ。初心者から上級者まで参加するイベントで、投資仲間を作るチャンスともいえるだろう。
他の投資家の投資スタイルやスキルを学べる貴重な場なので、ぜひ参加してほしい。
メリット5,クラスに応じて信用取引の金利が低くなる
コミュニティにおけるフォローやコメントなどの行動はポイント化され、ソーシャルステータスである「クラス」のランクアップにつながる。クラスが上がると信用取引(一般信用・制度信用)で買方金利が低くなり、より有利に取引ができる。
クラスは、他のユーザーの獲得ポイントの優劣によって決まる。クラスごとのアクション回数が決められているわけではなく、他のユーザーの獲得ポイントが多ければ降格することもあるのだ。
5,STREAMの5つのデメリット・注意点
「手数料無料」という大きな強みがあるSTREAMだが、以下のデメリットや注意点があることを覚えておこう。
デメリット・注意点1,取扱商品のバリエーションはあまり多くない
STREAMでできるのは、東京証券取引所の株式の現物取引・信用取引のみだ。外国株式、先物・オプション、投資信託、IPOなどは取り扱っていない。
さまざまな金融商品を取引したい人は、SBI証券や楽天証券といった取扱商品のバラエティが豊富な証券会社も検討する必要がある。
デメリット・注意点2,単元未満株の買付ができない
単元未満株は、1株単位で株式を購入できるサービスだ。数千円といった少額で投資ができるため初心者に人気で、導入している証券会社も多い。
しかし、STREAMは単元未満株の取引ができない。単元株でしか取引できないため、これから株取引を始める人の中にはハードルが高いと感じる人もいるだろう。
デメリット・注意点3,スマホがなければ利用できない
STREAMはスマホに特化した証券サービスであり、取引や入出金もスマホで行うことになる。つまり、スマホがないと利用できないのだ。OSのバージョンにも制限があるので、古いスマホだと利用できないことがある。
デメリット・注意点4,NISAに対応していない
通常、株式取引の利益には20.315%の税金がかかるが、NISAでは年間120万円までの投資から得られる利益が非課税になるので、節税のためにぜひ利用したい。しかし、STREAMではNISAを利用できない。NISAを利用する場合は、STREAM以外でNISA口座を開設することになる。
手数料を抑えて取引したい場合はSTREAM、NISAで取引する場合は他の証券会社ということになり、複数口座を利用する煩わしさがある。
デメリット・注意点5,コミュニティへの参加が苦手だとメリットを十分活かせない
STREAM はコミュニティが活発であることがメリットだが、裏返すとコミュニティへの参加が苦手だと、せっかくの情報交換の機会を活かせないことがデメリットといえる。
1人で黙々と投資を研究したい人や、自分のペースで活動したい人にはあまり向いていない。
6,STREAMはどんな人におすすめ?
ここまで解説した内容から、STREAMは以下のような人に向いているといえる。
・株式取引で手数料の安さを重視する人
・東京証券取引所の株式のみで問題ない人
・口座開設から取引までスマホで完結したい人
・積極的に投資仲間と意見交換したい人
STREAMは株式現物取引の手数料が無料なので、コストを抑えた投資にぴったりだ。信用取引にも、コミュニティのクラスをランクアップすることで、金利が低くなる仕組みがある。これまで別の証券会社を利用していた人も、上記に当てはまる場合はぜひ検討してほしい。
監修者・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
【関連記事 MONEY TIMES】
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング
日本の証券会社ランキングTOP10 売上高1位は?
ネット証券会社比較 手数料の安い4社
楽天証券のメリットとデメリット SBI証券と比較
ネット証券会社のシェアランキング1位はSBI証券