IPO投資は投資初心者でも取り組みやすい投資方法だ。IPO投資は証券会社ごとに取り扱い銘柄や抽選の方法などが違うが、取り扱い銘柄数が多い人気の証券会社といえばSBI証券だ。SBI証券でのIPO株の買い方から売り方までを紹介しよう。

SBI証券はIPO銘柄の取り扱い数がトップクラス

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(画像=zaozaa19/Shutterstock.com)

IPO投資の魅力は初値(上場して初めてつく株価)上昇による差益を得やすいことだ。IPO株は上場前の公募価格(IPO株を販売する株価)より初値が上がることが多いからである。

SBI証券の魅力はIPO銘柄の取り扱い数がトップクラスであり、ほとんどのIPO銘柄に申し込めるところだ。IPOチャレンジポイントという独自のポイント制度も好評だ。

SBI証券のIPO取扱実績は2019年84件、2018年86件、2017年85件と安定している。2019年のSBI証券ではIPO件数90のうち84件の取り扱いがあった。

SBI証券でIPO株を買うには上場前に買うか上場後に買うかの2択

IPO株の買い方
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

SBI証券でIPO株を買うには、大きくわけて2つの方法がある。IPO投資として上場前に買うか、IPOセカンダリー投資として上場後に買うかのどちらかだ

⑴IPO投資としてIPO株を買う場合
IPO株は初値が公募価格よりも上昇することも多く人気がある。そのためIPOの抽選に当選するか、証券会社から配分してもらう必要がある。

⑵IPOセカンダリー投資として買う場合
証券会社を通し、株式市場で誰でも購入できる。

SBI証券でIPO投資を行うときに押さえておきたい4つのポイント

SBI証券のIP投資のチェックポイント
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

SBI証券でIPO株を上場前に買うためには、IPOの抽選を受ける必要がある。抽選を受けるにはブックビルディング(需要予測)に申し込まなければならない。ブックビルディングとは、株が新規上場する際の公募価格決定をする手法のひとつだ。投資家による需要予測により公募価格が決定される。

SBI証券でIPO株を買う場合のポイントは次の通りだ。

ポイント1……SBI証券でIPO投資する場合の株購入ステップを確認する

SBI証券でのブックビルディングの申し込みからIPO株購入までのステップを紹介しよう。

・ステップ1……銘柄を選定する
SBI証券ホームページの「新規上場株式ブックビルディング/購入意思表示」画面からブックビルディングに申し込みたいIPO株を選ぶ。

・ステップ2……ブックビルディングに申し込む
「新規上場株式ブックビルディング申込」画面にて、希望の価格と株数を入力し申し込む。抽選対象になるにはIPO株の発行価格以上で申し込む必要がある。

希望の価格を「ストライクプライス」にすれば抽選対象になる。ストライクプライスとはどのような価格で決定しても購入意思があることを示す。

・ステップ3……買い付け余力を確認する
買い付け余力を確認し資金が不足していれば「国内売出価格決定日18:00」までに入金する。

・ステップ4……抽選が行われる
抽選日になったら抽選結果を確認する。結果は「当選」「補欠当選」「落選」「抽選対象外」のどれかになる。

・ステップ5……購入意志を申告する
「当選」または「補欠当選」の場合には購入意思として「購入」または「辞退」を申告する。「補欠当選」で「購入」を示した場合には抽選の結果、繰り上げ当選するとIPO株を購入できる

・ステップ6……口座の預かり残高に反映される
購入した場合には意思表示期限の翌日以降に保有証券一覧にて、購入したIPO株を確認できる。

ポイント2……SBI証券のIPO資金が拘束されるタイミングを把握する

IPO株の購入資金の扱いは証券会社によって異なる。ブックビルディング申込時点で資金が拘束されるところから当選するまで資金が不要なところまでさまざまだ。

SBI証券は、当選または補欠当選の抽選結果が出た時点で「発行価格(公募価格)×当選株数」の買付余力が拘束される。

購入意思として「辞退」を選択すると拘束されている買付余力が解放される。購入意思を期限までに申告しない場合は期間終了時に買付余力が解放される。

ポイント3……SBI証券のIPO抽選の仕組みでは申込株数の多いほうが有利

IPO株の申込株数が抽選に影響するかは証券会社により異なる。SBI証券の場合は、申込単元毎に番号(乱数)が付与される。

SBI証券では申込株数の多いほうが当選する確率が上がるため、抽選では買付余力で購入できる範囲で多めに申告することが有利だ。例えば通常は100株で1口になるため500株を申し込めば5口、1,000株を申し込めば10口の抽選が行われる。

SBI証券の場合、IPO抽選で配分先を決定する割合は、個人へ配分されるIPO株の70%になる。残る30%は、あらかじめSBI証券のIPOチャレンジポイント数を指定し、抽選に当選しなかった人を対象に、IPOチャレンジポイント数の多い順に配分先が決定する。

ポイント4……SBI証券のIPOチャレンジポイントを積極的に活用する

SBI証券のIPOチャレンジポイントは、IPOの抽選に外れると1ポイントが加算される。補欠当選で購入申込をしたが繰り上げ当選しなかった場合にも1ポイントもらえる。

IPOチャレンジポイントを使いたい場合は、ブックビルディング申込時に希望する価格と株数を指定する画面で何ポイント利用するかを指定する。

SBI証券ではIPOチャレンジポイントを使ってIPOに申し込んでも、抽選に外れた場合はポイントが戻る。IPOチャレンジポイントは、これと決めたIPO株の申込に積極的に利用するのがいいだろう。

SBI証券でIPO株セカンダリー投資を行うときに押さえておきたい2つのポイント

SBI証券のIPOセカンダリー投資の確認点
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

IPOセカンダリー投資ではIPO株が上場して初値がついた後に誰でも買うことができる。初値がついた後のIPO株は通常の現物株と同様の方法で購入可能だ。

ポイント1……SBI証券のセカンダリー投資では「空売り」ができる

SBI証券ではIPO株もHYPER空売りにより「空売り」から取引できることがある。空売りとは、所有していない株式を、信用取引などを利用して「借りて売る」ことを指す。空売りが可能なのもIPOセカンダリー投資の特徴だ。

ポイント2……売買のタイミングに注意する

上場して初値がついた直後のIPO株は値動きが激しい傾向にある。急騰や急落することがあるため売買するときのタイミングには気を付けたい。

IPO投資・IPOセカンダリー投資ではIPO株を売るタイミングが重要

SBI証券でIPO株を買ったら買値より値上がりしたところで売ると収益を得られる。

IPO投資とIPOセカンダリー投資のどちらも売るタイミングにより大きな収益を得ることや大きな損失を出すことがあるので、買ったIPO株を売るタイミングが重要だ。

SBI証券で購入したIPO株を売る際の3つのタイミング「初値がついた時点でIPO株を売る」「短期保有してからIPO株を売る」「中長期保有した後でIPO株を売る」を紹介しよう。

SBI証券で購入したIPO株を売るタイミング1……初値がついた時点でIPO株を売る

IPO株を上場前に買えた場合は、初値がついた時点で売るのが一般的である。

IPO株の多くは初値が公募価格を上回る。たとえば2018年の場合、新規上場したIPO株の90銘柄のうち80銘柄で初値が公募価格を上回った。

初値が公募価格を上回れば、初値がついた時点で売ると収益を得られる。2018年は初値が公募価格の2倍以上になったものが40銘柄と全体の半数近くもあった。さらに公募価格が3倍以上になったのは11銘柄もあった。IPO投資での初値売りが収益を得られる手法であることがわかるだろう。

SBI証券で購入したIPO株を売るタイミング2……短期保有してからIPO株を売る

初値がついた後も短期(デイトレードや数日程度など)で保有してから売ることもできる。これは初値がついた後の値上がりを期待する場合にとる方法である。IPO株を上場後に買うセカンダリー投資ではこの売り方が一般的だ。

IPO株の上場後しばらくは値動きが大きいため株価が急騰したり急落したりすることがある。

IPO投資で初値が公募価格を上回った場合でも、その後の急落で公募価格を下回り損失を出すこともあるので、売るタイミングには十分注意したい。

SBI証券で購入したIPO株を売るタイミング3……中長期保有した後でIPO株を売る

IPO株をすぐに売らずに中長期(数ヵ月や数年など)にわたり保有し続けることもできる。その会社の将来性を見越しての株価上昇を見込める場合や配当狙いの場合などだ。

ただしIPO株は長期では株価が下落する銘柄も少なくない。株価の変動は会社の将来性が大きく影響する。

IPO株を長く保有する場合は、会社が長期にわたって成長するなどの将来性を見込めることが望ましい。

SBI証券でIPO株を初値で売る方法

SBI証券にてIPO株を初値で売る場合は上場日の朝9時までに「成行(なりゆき)注文」を行う。

初値は売りと買いのバランスによって決まる。注文が買いか売りかのどちらかに集中すると、初値がつくのに時間がかかることもある。

人気が高いIPO銘柄は上場日に買い注文が殺到して初値がつかないこともある。成行注文は当日中のみ有効であり、上場初日に初値がつかない場合は翌営業日に再度注文する。

SBI証券では上場初日の注文は上場日の前営業日翌日の早朝(午前4時頃)から可能だ。ただし重複上場(東京証券取引所と地方取引所など)の場合は上場日当日午前8時頃から注文できる。

SBI証券でIPO株を初値で売るメリットとデメリット

SBI証券でIPO株を上場前に買えたら初値で売るか迷うかもしれない。そこで初値売りのメリットとデメリットを把握しておきたい。

SBI証券でIPO株を初値で売るメリット

初値売りのメリットは判断の誤りやメンタルの乱れ(焦りなど)による損失を回避できることだ。IPO株の初値がついた後に急落した場合、投資初心者は狼狽してすぐに売ってしまうこともあるだろう。それにより思わぬ損失を出すことがある。IPO株を初値で売れば売るタイミングを読み誤ることがない。

SBI証券でIPO株を初値で売るデメリット

デメリットはIPO株を初値で売った後に株価が上昇した場合には、その上昇分の収益を得られないことだ。特に初値から急騰した場合には大きな収益を逃すことになる。

だがIPO株の上場直後は予想外の値動きになることもある。IPO投資に慣れないうちは初値で確実に収益を得るのが無難であろう。

IPOセカンダリー投資は値動きが大きくリスクの高い投資方法だ。投資初心者がSBI証券でIPO投資を行うなら、IPOセカンダリー投資にまわす資金を少なくしてリスクを抑ることをおすすめする。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)

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