NISA口座は多くの証券会社や銀行で作れるため、金融機関の選び方に迷う人もいるかもしれない。NISAの制度自体は同じだが、金融機関によって取扱商品や手数料などが異なるため、比較して選びたい。選ぶにあたって、どのようにNISA口座を比較するべきか見ていこう。
目次
1.NISAとは
2.一般NISAとつみたてNISA口座の選び方は?
3. NISA口座を選ぶときは証券会社と銀行の違いに注意
4.NISA口座を開設する金融機関の選び方
5.NISA口座のおすすめ証券会社5選
6.NISA口座の選び方の注意点
7.NISA口座は1つでも金融機関口座は複数開設できる
1.NISAとは?NISA口座の種類は3つ
NISA口座には3種類あり、原則1つしか開設できないため、その選び方を確認していこう。
一般NISA、つみたてNISA(積立NISA)、ジュニアNISAの違いと選び方
NISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAがある。投資で得た利益が非課税になるのは同じだが、非課税期間や非課税投資枠、投資可能金額などが異なる。
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
対象年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 | 0〜19歳 |
非課税投資枠 | 年間120万円 | 年間40万円 | 年間80万円 |
最大600万円 | 最大800万円 | 最大400万円 | |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 | 5年間 |
対象商品 | 株式・投資信託など | 特定の投資信託・ETF | 株式・投資信託など |
払出し制限 | なし | なし | あり(廃止予定) |
注意点 | どちらを利用するか年単位で選択可能 | 親権者が運用可能 |
一般NISAとジュニアNISAは株式にも投資できるが、つみたてNISAは金融庁の基準を満たす特定の投資信託などが対象だ。そのため投資信託のみを積み立てる場合は、非課税期間が長いつみたてNISAが適している。株式を中心に投資する場合や、つみたてNISAで投資できない投資信託を買いたい場合は、一般NISAかジュニアNISAを選ぶことになる。
子どもがいるならジュニアNISA口座の開設も検討しよう
NISA口座は1人1口座が原則だが、ジュニアNISAはやや複雑だ。ジュニアNISAは未成年者しか開設できないが、運用は代理人として親権者が行えるからだ。そのため一般NISAと両方で株式に投資したり、つみたてNISAと併用したりすることもできる。子どもがいれば、その分非課税投資枠が増えるため、ジュニアNISAの活用も検討したい。
ジュニアNISAは、これまでは原則18歳までは払い出しができなかったが、制度が廃止される予定で、2024年以降は18歳未満でも払い出しが可能になる。これまでより利便性が向上することもあり、一般NISAやつみたてNISAと併せて利用すると有利だ。
2.一般NISAとつみたてNISA(積立NISA)口座の選び方は?
一般NISAとつみたてNISAは、どちらかしか利用できない。では、どのように選べばよいのだろうか。
一般NISA口座を選ぶべき人
以下に当てはまる人は、一般NISAを選ぶとよいだろう。
・株式投資をしたい人
主に株式投資をしたい人は、一般NISAが適している。つみたてNISAでは個別株式に投資できず、株式投資信託を購入するにしても、月額3万3,000円程度までしか投資できないからだ。つみたてNISAの年間非課税投資枠は40万円なので、株式投資では1回の投資金額が比較的高くなることを考えれば、120万円まで非課税で投資できる一般NISAを利用するほうがメリットは大きいだろう。
・アクティブファンドや不動産投資信託に投資したい人
一般NISAでは投資できる商品にほぼ制限がなく、つみたてNISAでは買えない商品にも投資できる。つみたてNISAの商品は共通の基準をクリアしているため選びやすいが、アクティブファンドや不動産投資信託(REIT)は少ない。インデックスファンドに投資するならまだしも、高いリターンを目指すためにアクティブファンドや不動産投資信託を購入するなら、制限の少ない一般NISAを選ぶべきだろう。
・好きなタイミングで投資したい人
市場が下落した時などにスポットで投資したい人も、一般NISAに向いている。つみたてNISAは定期的な買付の他に特定の月において増額買付ができるが、タイミングは決まっているため好きな時に追加で購入できるわけではない。そのため大幅に下落しても、そのチャンスを活かせるとは限らないのだ。一般NISAは積立設定もでき、スポットでも購入できるため、安い時を狙って買いたい人に適している。
つみたてNISA(積立NISA)口座を選ぶべき人
つみたてNISAを選ぶべきなのは、どのような人だろうか。
・投資初心者
投資経験のない初心者には、つみたてNISAが向いている。つみたてNISAの商品には基準が設定されており、各金融機関はそれをクリアした商品のみを扱う。端的にいえば長期・積立・分散投資に適した投資信託などであり、初心者にも適したシンプルで低コストの商品が多い。主な商品であるインデックスファンドは比較すべきポイントが少ないため、初心者でも選ぶ際にそれほど困らないだろう。
・積立投資で資産形成をしたい人
一括で投資する方法もあるが、積立投資のみを考えている人にはつみたてNISAが最適だ。積立投資で資産を形成するにはそれなりの時間がかかるため、20年という長い非課税期間は運用で有利に働く。一般NISAでも積立投資はできるが、非課税期間を延長する「ロールオーバー」をしても、最大で10年間しか非課税投資ができない。NISA口座で個別株式などに投資しないのなら、つみたてNISAを選択しよう。
・まとまった投資資金がない人
つみたてNISAの毎月の投資上限額は、3万3,000円程度だ。少額の積立を前提にしているため、一般的な株式投資と比べて金銭的ハードルが低い。まとまった資金がなくても、毎月の収入の一部を積み立てていけばよいので、「投資を始めたい」と思ったらすぐにスタートできる。最低100円から積み立てられる金融機関もあるので、無理のない金額からつみたてNISAを始めるとよいだろう。
NISA口座は金融機関選びも大切
NISA口座は1人1口座しか開設できないため、「どのような投資をするのか」によって選択すべきだ。一般NISAとつみたてNISAは年単位で変更できるが、条件があり手間もかかるためよく検討して選びたい。NISA口座を開設する金融機関の選び方も大切で、証券会社と銀行では投資できる商品が異なることなども押さえておきたい。
3.NISA口座を選ぶときは証券会社と銀行の違いに注意
NISA口座を開設する金融機関を選ぶ際は、証券会社と銀行の違いにも着目したい。
証券会社と銀行では取扱商品が違う
NISA口座のメリットはどの金融機関でも同じだが、証券会社と銀行は取扱商品が異なるため、投資できる商品にも違いがある。
共通して購入できるのは投資信託であり、株式やETFは証券会社でしか購入できない。投資信託しか購入しない場合は銀行でもよいが、株式などにも投資する可能性があるなら、証券会社でNISA口座を開設するほうがいいだろう。金融機関を変更するのは面倒であり、証券会社を選んでおけば最初から広い選択肢で始められるからだ。
証券会社でも取扱商品数や手数料に差がある
証券会社はNISA口座の対象商品が銀行より多いが、同じ証券会社でも取扱商品数や手数料に差はある。例えば、一般NISAにおける投資信託の取扱商品数は、大手証券会社である野村證券が993本であるのに対し、ネット証券大手のSBI証券は2,660本だ(2020年3月3日時点)。手数料も証券会社によって差があるため、有利に投資できるところを選びたい。
4.NISA口座を開設する金融機関の3つの選び方
NISA口座を開設する金融機関を選ぶ際は、以下の3点を意識したい。
選び方1……NISA口座の取扱銘柄で選ぶ
NISA口座で投資できる商品は金融機関によって異なるため、自分が投資したい商品があるかどうかは重要なポイントだ。個別株式に投資する可能性があるにも関わらず銀行でNISA口座を開設すれば、いずれ口座を証券会社に移すことになる。将来も含めて、自分が何に投資する可能性があるのかを考えた上で金融機関を選ぼう。
投資信託で運用するなら、金融機関選びはなおさら重要だ。投資信託は証券会社でも銀行でも購入できるが、希望の銘柄を取り扱っているとは限らない。一般的に証券会社は銀行よりも商品数が豊富だが、自社でしか取り扱っていない投資信託もある。口座開設後にそのことに気づくこともあるため、買いたい銘柄を取り扱っているかどうか確認するか、ネット証券など取扱銘柄数の多いところで口座を開設するとよいだろう。
選び方2……金融機関独自のサポートやサービスで選ぶ
金融機関独自のサポートやサービスも、NISA口座を選ぶ際の判断材料になる。ネット証券でも使えるツールが違ったり、サポート体制に差があったりする。取扱銘柄も重要だが、商品数が多い金融機関では共通して買えるものも多い。しかし、サービスなどは金融機関によって大きく異なるため、自分の投資スタイルも踏まえて検討すべきだ。
サポートやサービスは大手金融機関のほうが手厚いイメージがあるかもしれないが、顧客に直接コンタクトを取れない分、ネット証券も力を入れている。例えば、他社よりも強力な分析ツールを用意していたり、電話サポートの質を高めていたりするところがある。何が必要かは人によって違うため、比較して自分にとって利便性の高い金融機関を選ぼう。ツールなどを使うために、複数の金融機関で口座を開設する方法もある。
選び方3……一般NISAなら取引手数料で選ぶ
実際に投資するにあたって取引手数料は重要な要素であり、NISA口座での取引でも同じことがいえる。主な取引手数料は、株式なら買付時と売却時、投資信託なら買付時と運用中の信託報酬だ。信託報酬に関しては基本的にどの金融機関でも同じで、つみたてNISAでは買付手数料もかからない。そのため一般NISA口座を開設する際は、取引手数料を比較することが大切だ。
株式を売買する時やアクティブファンドを購入する時は基本的に手数料がかかるが、ネット証券を中心に一般NISAにおける手数料を撤廃しているところもある。1回の売買で1,000円の手数料が発生する場合、10回売買すれば1万円になり、取引金額が増えれば手数料はもっと高くなる。手数料が高いと運用パフォーマンスの低下につながるため、必ず確認したいポイントだ。
5.NISA口座のおすすめ証券会社5選
上記の選び方を踏まえて、NISA口座開設におすすめの金融機関を5つ紹介しよう。すべてネット証券なので手数料体系は似ているが、それぞれに特徴がある。
NISA口座 | SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | |
国内 株式 |
買付 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
売却 | ||||||
IPO | ○ | × | ○ | ○ | ○ | |
米国 株式 |
買付 | 0.495% 最低0ドル |
0.495% 最低0ドル |
- | 0.495% 最低0ドル |
|
- | ||||||
米国 ETF |
買付 | 無料 | 無料 | - | 無料 | - |
売却 | 0.495% 最低0ドル |
0.495% 最低0ドル |
0.495% 最低0ドル |
|||
投資 信託 |
一般 NISA |
買付無料 | 買付無料 | 買付無料 | 買付無料 | 買付無料 |
2,597本 | 2,616本 | 1,413本 | 1,161本 | 1,351本 | ||
つみたて NISA |
買付無料 | 買付無料 | 買付無料 | 買付無料 | 買付無料 | |
174本 | 172本 | 168本 | 151本 | 157本 | ||
積立 | 金額 | 100円〜 | 100円〜 | 100円〜 | 100円〜 | 100円〜 |
頻度 | 毎日 毎週 毎月ほか |
毎日 毎月 |
毎月 | 毎日 毎月 |
毎月 |
手数料や取扱商品数以外に、どのような特徴があるのだろうか。証券会社ごとのメリット・デメリットを紹介しよう。
SBI証券……取扱商品数が多くオールマイティ
NISA口座 | SBI証券 | |
国内株式 | 買付 | 無料 |
無料 | ||
IPO | ○ | |
米国株式 | 買付 | 0.495% 最低0ドル |
売却 | ||
米国ETF | 買付 | 無料 |
売却 | 0.495% 最低0ドル |
|
投資信託 | 一般NISA | 買付無料 |
2,597本 | ||
つみたてNISA | 買付無料 | |
174本 | ||
積立 | 金額 | 100円〜 |
頻度 | 毎日・毎週・毎月 ほか | |
サポート・サービス | ・IPOの引受社数が最多 ・投資信託は業界最水準 ・米国株式の銘柄数が多い |
・SBI証券のNISA口座のメリット
SBI証券はNISA口座で取引できる商品数が多いため、オールマイティなネット証券といえる。国内ではIPOの引受が最も多く、投資信託も業界最多水準である。海外商品でも、銘柄数は米国株に注力するマネックス証券を上回っており、対象銘柄を順次追加している。つみたてNISAではネット証券で唯一積立頻度を「毎日」「毎週」「毎月」から選べるなど、さまざまな面で利用者に幅広い選択肢を提供している。
・SBI証券のNISA口座のデメリット
SBI証券は商品数が豊富なので多くの人が検討することになると思うが、スマホ対応に遅れていることはデメリットといえるだろう。国内株や投資信託はスマホ専用サイトで取引できるが、PCサイトでしか取引できない商品も少なくない。いずれスマホ最適化が進むだろうが、それまでは煩わしさを感じるかもしれない。
・SBI証券のNISA口座をおすすめしたい人
SBI証券のNISA口座は取扱商品数が多く銘柄の追加も頻繁にあるため、幅広い選択肢の中から選んで投資したい人におすすめだ。「特定の投資信託にしか投資しない」など。明確に投資方針を決めているならそれに合わせて証券会社を選べばよいが、投資したい商品が変わる可能性があるなら、選択肢の広いSBI証券が最適だ。
楽天証券……取引で楽天ポイントが貯まる
NISA口座 | 楽天証券 | |
国内株式 | 買付 | 無料 |
無料 | ||
IPO | × | |
米国株式 | 買付 | 0.495% 最低0ドル |
売却 | ||
米国ETF | 買付 | 無料 |
売却 | 0.495% 最低0ドル |
|
投資信託 | 一般NISA | 買付無料 |
2,616本 | ||
つみたてNISA | 買付無料 | |
172本 | ||
積立 | 金額 | 100円〜 |
頻度 | 毎日・毎月 | |
サポート・サービス | ・取扱商品数が多い ・投資で楽天ポイントが貯まる ・楽天グループでお得になる |
・楽天証券のNISA口座のメリット
楽天証券には、楽天銀行との口座連携で優遇を受けられたり、投資で楽天ポイントが貯まったりするメリットがある。口座連携では楽天銀行の普通預金金利が0.1%に上がるため、大手銀行の定期預金よりも金利が高い。ポイントに関しては、楽天カードによる積立投資で決済額の1%分を、投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイントを受け取れる。楽天グループのサービスとの相乗効果が高く、投資以外の面でもお得になることが多い。
・楽天証券のNISA口座のデメリット
楽天証券はお得に投資でき、取扱商品商品数も多いが、ネット証券5社の中で唯一、一般NISA口座でIPO取引ができない。IPOは銘柄によっては初値で数倍になることもあるため、NISA口座で非課税投資ができるメリットは大きいといえる。ただし、ネット証券は引受株数がそもそも少ないため、重要視しない場合や、つみたてNISAを利用する場合はデメリットにはならないだろう。
・楽天証券のNISA口座をおすすめしたい人
楽天証券のNISA口座をおすすめしたいのは、楽天銀行や楽天市場などの関連サービスをよく使う人だ。楽天証券の利用で貯まったポイントをグループ内で消費したり、他のサービスでも優遇を受けられたりするため、うまく活用すれば楽天証券以外でもメリットがある。「お得に投資したい」という人は、楽天証券のNISA口座開設を検討しよう。
【関連記事】 楽天証券でNISAを運用するメリットを徹底検証 デメリットはある? つみたてNISA(積立NISA)の楽天証券での始め方 口座開設のやり方や投資信託の買い方などわかりやすく解説
松井証券……サポートが充実しており初心者でも安心
NISA口座 | 松井証券 | |
国内株式 | 買付 | 無料 |
無料 | ||
IPO | ○ | |
米国株式 | 買付 | - |
売却 | ||
米国ETF | 買付 | - |
売却 | ||
投資信託 | 一般NISA | 買付無料 |
1,413本 | ||
つみたてNISA | 買付無料 | |
168本 | ||
積立 | 金額 | 100円〜 |
頻度 | 毎月 | |
サポート・サービス | ・サポートポータル格付け10年連続三つ星 ・問合せ窓口格付け10年連続三つ星 ・顧客満足度調査ネット証券部門総合1位 ・専門スタッフが回答「投信サポート」 ・初心者向け投資ツールが充実 |
・松井証券のNISA口座のメリット
松井証券はサポートが充実しており、初心者でも取引を始めやすい。主なサポート体制はホームページ上の整理されたQ&A、専用フォーム、フリーコールだ。いずれも、外部機関による評価で10年連続最高評価を獲得している。顧客満足度調査でもネット証券部門の総合評価で1位になるなど、利用者から評価されるネット証券だ。その他、電話で投資信託に関する質問をできる「投信サポート」もある。
・松井証券のNISA口座のデメリット
松井証券は取扱商品数が多いものの、外国株や海外ETFは取り扱っていない。そのため一般NISA口座では、必然的に国内株か投資信託に投資することになる。それ以外に投資しないなら問題ないが、後にNISA口座を変更するのは手間がかかるため、開設前によく検討しよう。また初心者向けツールは多いが、それぞれが独立しているため、不便さを感じる可能性がある。
・松井証券のNISA口座をおすすめしたい人
松井証券のNISA口座は、初心者など充実したサポートを求める人におすすめだ。ネット証券であるため主体的に取引を行う必要はあるが、困った時のサポートが充実しているのは心強い。投資信託で初めて資産運用を始める人でも、ニーズに合わせた3つのロボアドが用意されているため安心だ。
マネックス証券……米国株投資と分析ツールが強い
NISA口座 | マネックス証券 | |
国内株式 | 買付 | 無料 |
無料 | ||
IPO | ○ | |
米国株式 | 買付 | 0.495% 最低0ドル |
売却 | ||
米国ETF | 買付 | 買付無料 |
売却 | 0.495% 最低0ドル |
|
投資信託 | 一般NISA | 買付無料 |
1,161本 | ||
つみたてNISA | 買付無料 | |
151本 | ||
積立 | 金額 | 100円〜 |
頻度 | 毎日・毎月 | |
サポート・サービス | ・米国株の銘柄数と情報量が多い ・米国株専用トレードアプリ ・優れた分析ツール「銘柄スカウター米国株」 ・米ドルの為替手数料無料 |
・マネックス証券のNISA口座のメリット
「マネックス証券なら米国株」といえるほど、取扱銘柄や情報量が多い。ETFも合わせれば4,000銘柄以上を取引でき、米国株専用のトレードアプリもある。米国株は日本株と比べて詳細な情報を得にくいが、過去10期以上の業績をグラフで表示できる「銘柄スカウター米国株」は優れたツールだ。見直される可能性はあるものの、為替手数料無料で米ドルに交換できるサービスも他社にはない。
・マネックス証券のNISA口座のデメリット
マネックス証券は米国株を始め、個別株式の投資に関する情報やツールが充実している。一方で一般NISA・つみたてNISAともに、投資信託の取扱商品数が5社の中では最も少ない。対面型の銀行や証券会社と比べれば多いが、他のネット証券と比べるとやや見劣りする。とはいえ、目当ての商品に投資できれば問題ないため、NISA口座の開設前に確認しておこう。
・マネックス証券のNISA口座をおすすめしたい人
マネックス証券のNISA口座をおすすめしたいのは、米国株を中心に取引を行いたい人だ。取扱銘柄数が多く、業績を詳しく分析できるツールもある。見直しの可能性があるとはいえ、外国株投資でネックになる為替手数料が無料なのも大きい。米国株投資に関心のある人は、チェックしてみてはいかがだろうか。
auカブコム証券……高機能トレーディングツールが豊富
NISA口座 | auカブコム証券 | |
国内株式 | 買付 | 無料 |
無料 | ||
IPO | ○ | |
米国株式 | 買付 | - |
売却 | ||
米国ETF | 買付 | - |
売却 | ||
投資信託 | 一般NISA | 買付無料 |
1,351本 | ||
つみたてNISA | 買付無料 | |
157本 | ||
積立 | 金額 | 100円〜 |
頻度 | 毎月 | |
サポート・サービス | ・充実のトレーディングツール多数 ・高機能トレーディングツール「kabuステーション®」 ・高機能スクリーニングツール「カブナビ®」 ・銘柄一覧表示機能「カブボード®」 ・高機能チャート「EVERチャート」 ・売買シミュレーション「株スコープ®」 ・テクニカル指標判断「kabuカルテ®」 ・勝ちパターン分析「勝ち株テクニカル分析」 |
・auカブコム証券のNISA口座のメリット
auカブコム証券は国内株投資に力を入れており、玄人や短期投資家に好まれる機能を多く提供している。例えば「kabuステーション®」はニュース配信の他、リアルタイムで株価を予想する機能などがある高機能トレーディングツールだ。他にも売買シミュレーションができる「kabuスコープ®」や高度なテクニカル分析機能を持つ「EVERチャート」などがあり、取引環境の充実を目指すネット証券といえる。
・auカブコム証券のNISA口座のデメリット
auカブコム証券は玄人や短期トレーダーのためのツールが豊富だが、投資できるのは国内株のみで、外国株はそもそも取り扱っていない。そのため一般NISA口座を開設しても、他社と比べて取扱商品が限られることに注意したい。外国株には投資せず、国内株や投資信託で積極的に運用するなら選択肢に入るだろう。
・auカブコム証券のNISA口座をおすすめしたい人
auカブコム証券のNISA口座は、デイトレーダーなどの短期投資家に向いている。単なる情報配信だけでなく、複数の高機能分析ツールを提供しているからだ。一部は有料になる場合もあるが、基本的に無料でこれらのツールを使用でき、「利益は大きく、損失は小さく」するための機能が提供されている。NISA口座で積極的に売買したい人にとっては、頼もしいネット証券といえるだろう。
6.NISA口座の選び方の注意点
NISA口座の制度内容は共通だが、金融機関によって手数料や取扱商品数、利用できるサービスは異なるため比較する必要がある。NISA口座は一般NISAとつみたてNISAのどちらか1つしか開設できず、口座種類や金融機関を変更するにしても、すぐにはできないからだ。各金融機関にはそれぞれ特徴があるため、自分がどのように投資したいのか考えてNISA口座の開設先を選ぼう。
7.NISA口座は1つでも金融機関口座は複数開設できる
NISA口座は1人1口座しか開設できないが、通常の金融機関口座は複数開設しても問題ない。口座を開設するだけで利用できるサービスやツールもあるため、実際に運用する金融機関は1つだとしても、複数の口座を持つメリットはある。使ってみることで良し悪しがわかることもあるため、NISA口座は1つでも気になる金融機関の口座は開設しておくとよいだろう。
執筆・國村功志(資産形成FP)
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも行っている。CFP®️、証券外務員一種
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