半導体や自動車、精密機器、バイオなど、韓国の先端産業にまとめて投資するなら、韓国ETFがおすすめだ。優良企業ばかりで構成され、銘柄選びの手間もかからない韓国ETFの選び方や銘柄を紹介しよう。

1,韓国ETFの4つの特徴

韓国株を取り扱う日本の証券会社は少なく、韓国株式市場の投資情報も国内ではほとんど提供されていない。韓国ETFの情報も入手することは難しく、韓国株または韓国ETFは日本の投資家にはあまり認知されていない。

そこで、韓国ETFの銘柄情報に触れる前に、韓国ETFの基盤となる韓国経済と有力韓国企業の特徴や、韓国ETFの基本情報を押さえておきたい。

特徴1,韓国は日本より経済成長率が高い

社会が成熟し、経済成長が鈍化している日本に比べて、韓国経済は大幅ではないにしろ、持続的な成長を維持しているのが特徴である。両国の実質GDPの成長率を比較すれば、その差は明白だ。

新型コロナウイルスの感染拡大で大幅に落ち込んだ2020年を除くと、2019年までの10年間の韓国の実質GDPの平均成長率は3.29%(韓国銀行発表数値をもとに算出)であった。

それに対して、日本の同時期の実質GDPの平均成長率は1.28%(内閣府発表数値をもとに算出)であり、対象の10年間で、韓国が日本の2倍以上の経済成長率を記録していたことがわかる。

国全体を投資対象として考える場合、成長率の高い韓国のほうが日本より、株式市場も有望であると予想できる。

特徴2,輸出に強い韓国巨大企業が韓国経済を支えている

世界銀行の統計によれば、2019年の韓国のGDPに占める輸出の割合は39.9%にものぼる。韓国同様に、資源国ではない日本の輸出の対GDP比は18.5%(2018年)である。このことを踏まえると、日本以上に、韓国経済が工業製品や加工品などの輸出によって支えられている実態が見える。

韓国経済の中心的な役割を果たしているのが、エレクトロニクス産業や半導体産業、自動車産業といった輸出型産業であり、世界トップレベルの技術とシェアを誇る韓国の巨大財閥系企業の存在感も大きい。

韓国を代表する輸出型グローバル企業である半導体メーカーのSKハイニクス<000660>、グローバル家電市場(2019年実績)世界第2位のサムスン電子<005930>と第3位のLG電子<066570>は日本でも有名だ。

世界自動車販売数第4位の現代(ヒュンダイ)自動車<005380>・Kia<000270>や、新造船竣工量で世界第1位の韓国造船海洋<009540>といった企業も世界市場でのシェアが高い。

特徴3,韓国ETFの大半は財閥系資産運用会社が運用するファンド

韓国ETFの大きな特徴は、流通しているファンドの大半が、韓国巨大財閥グループの資産運用会社であるサムスンアセットマネジメントが設定・運用しているファンドであることだ。

サムスンアセットマネジメントは、同社のETFブランド、KODEXシリーズのETFを多数運用している。KODEXブランドの人気と知名度は圧倒的で、韓国株式市場に上場するETFのうち、およそ3分の1がKODEXブランドのETFであり、取引量はETF市場全体の約70%にものぼる。

特徴4,一番人気の韓国ETFは東証にも上場

韓国取引所に上場しているETFの中で、もっとも人気があるのは、サムスンアセットマネジメントが運用するサムスンKODEX200ETF<069500>とサムスンKODEXサムスングループ株ETF<102780>である。

この2銘柄は韓国ウォン建ての海外ETFとして、韓国株を取り扱うSBI証券で購入できる。さらに、KODEX200ETF<1313>とサムスンKODEXサムスングループ株ETF<1584>として、東京証券取引所にも上場している。

韓国株を取り扱う証券会社に口座がない、あるいは為替リスクを回避したいという人は、東証に上場する韓国ETFを利用すれば、どの証券会社からでも、円ベースで簡単に投資することができるのだ。

2,韓国ETFを選ぶ3つのポイント

韓国ETFは国内ETFや米国ETFと違って、購入できる証券会社や銘柄が多くない。だからといって、韓国ETFなら何でもよいと考えるのではなく、複数の選択肢の中から、投資効果のある韓国ETFを吟味することが重要になる。

ポイント1,韓国ETFの上場市場を限定しないこと

国内の証券会社のうち、韓国取引所に上場している韓国株をオンライン取引できるのは、SBI証券とアイザワ証券の2社だけである。韓国ETFに限定すると、オンラインで購入できる銘柄は極めて限られる。

韓国の株価指数をベンチマークとするETFに興味があるならば、KOSPI(韓国総合株価指数)上場銘柄にこだわらず、日本市場を含めた他市場も視野に入れて、選択肢を増やしたほうがよい。

ポイント2,パフォーマンスの高い銘柄に注目すること

同一の株価指数を対象指標とする韓国ETFであっても、投資運用会社や上場市場が異なる別のファンドであれば、パフォーマンスにも違いが出てくる。

購入可能な韓国ETFを比較して、過去3年、5年、もしくは設定来のトータルリターンを比較して、より高いリターンを得られる見込みのある韓国ETFを選ぶと投資効率が良い。

ポイント3,信託報酬(経費率)だけでなく、トータルコストの低い銘柄を選ぶこと

ETFの主なコストは信託報酬(経費率)である。韓国ETFの場合、株式同様に売買されるため取引手数料も必要になり、海外市場に上場するETFであれば、為替手数料(為替スプレッド)も発生する。

韓国ETFに投資する際には、これらのコストをすべて考慮したトータルコストの観点から、コストの低い銘柄を選ぶ必要がある。

3,初心者でも購入できる韓国ETF6選!

韓国ETF選びのポイントを踏まえた上で、初心者でも簡単に購入できる韓国ETF6銘柄のスペックやパフォーマンス、特徴などを以下で紹介したい。

いずれも、対象指標の構成銘柄の信用力や成長性が高いため、比較的リスクが低く、リターンも期待できる。大きなリスクをとれない初心者の人でもチャレンジしやすい銘柄ばかりだ。

<国内で購入できる韓国ETF6選、上場市場や信託報酬を比較>

銘柄名<コード> 対象指標 取扱証券会社
(オンライン取引)
信託報酬
(経費率)
市場
サムスンKODEX200ETF
<069500>
※韓国ウォン建て
KOSPI200
(韓国200種株価指数)
・SBI証券
・アイザワ証券
0.16%
KOSPI
サムスンKODEX
サムスングループ株ETF
<102780>
※韓国ウォン建て
サムスングループ指数 ・SBI証券 0.30%
KOSPI
サムスンKODEX200ETF
<1313>
KOSPI200
(韓国200種株価指数)
国内の全証券会社 0.15%
東証
サムスンKODEX
サムスングループ株ETF
<1584>
サムスングループ指数 国内の全証券会社 0.25%
東証
iシェアーズ MSCI
韓国キャップトETF
MSCI韓国25/50インデックス ・SBI証券
・楽天証券
・マネックス証券
0.59%
NYSE Arca
db X-トラッカーズMSCI
韓国 UCITS ETF<02848>
MSCIトータルリターン
ネット韓国インデックス
・SBI証券
・楽天証券
・マネックス証券
0.65%
香港メインボード

韓国取引所には474本ものETFが上場しており、韓国の株価指数に連動するETFも多数含まれている。

ところが、日本の証券会社を通してオンラインで購入することができるのは、そのうちの2本、サムスンKODEX200ETFとサムスンKODEXサムスングループ株ETFだけである。

SBI証券は海外ETFとして上述の2本とも取り扱っている。アイザワ証券のブルートレード(オンライン専用取引口座)では、KODEX200ETFだけ購入可能だ。

サムスンKODEX200ETFとサムスンKODEXサムスングループ株ETFは東京証券取引所にも上場しているため、国内株式同様に、どの証券会社を使っても取引できる。

それ以外に、国内のネット証券で購入できる韓国ETFは2本。どちらも韓国株で構成されているETFであり、一方はNYSE Arca上場、他方は香港メインボード上場だ。米国株と中国株を取り扱っているSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入することができる。

日本のネット証券から購入できる韓国ETFは実質的には6本しかない。数は少ないながらも、韓国の優良企業を構成銘柄とする株価指数、もしくは韓国経済を牽引するサムスングループ傘下企業で構成される株価指数に連動するETFばかりなので、低リスクで成長力にも期待がもてる。

必然的に、銘柄選択の決め手は各ファンドのコストとパフォーマンスに絞り込まれる。

サムスンKODEX200ETF<069500>……韓国ETFの定番中の定番

「KODEX」とは、サムスンアセットマネジメントが設定・運用する、韓国でもっとも歴史のあるETFのトップブランドである。韓国取引所のKOSPI市場に上場するETFの中でも、サムスンKODEX200ETFは、圧倒的な預かり残高を誇る人気No.1銘柄である。

対象指数は韓国株式市場を代表する「KOSPI200(韓国総合株価指数200)」であり、サムスンKODEX200ETFは、本指数の値動きに連動するように計算・運用されている。

現地市場で取引される韓国株なので、韓国ウォン建てで運用されており、日本円と韓国ウォンの為替取引に為替スプレッドが発生する。

SBI証券の外国株式取引口座、もしくはアイザワ証券のブルートレード口座(オンライン取引)で取引できる。

<サムスンKODEX200ETF(2021/3/19現在)>

2021/3/19終値(円換算 ※1) 4万1,855韓国ウォン(約3,767円)
韓国株の取引手数料(税込)と
為替スプレッド
【SBI証券】
・取引手数料:約定代金の0.99%
・最低手数料:9,900韓国ウォン(891円)
・為替スプレッド:100韓国ウォン(9円)につき20銭
【アイザワ証券:ブルートレード/
オンライン取引】
・取引手数料:売買代金の1.65%
・最低手数料:5,500円
・為替スプレッド:100韓国ウォン(9円)につき10銭
経費率 ※2 0.16%
分配利回り 1.38%
騰落率 3年 36.96%
5年 87.45%
※1,円表示の金額はすべて、1韓国ウォン=0.09円の為替レートで円換算した
※2,経費率、分配利回り、騰落率は、SBI証券の銘柄情報を参照した

サムスンKODEXサムスングループ株ETF<102780>……韓国経済を支えるサムスングループ株で構成

サムスンアセットマネジメントが運用するKODEXブランドの韓国ETFの一つ。

対象指数は「サムスングループ指数」であり、毎日、金融情報提供会社のFnGuideが算出して、KRX(韓国取引所)を通して公表されている。サムスングループ指数は、サムスングループのうち、時価総額1兆ウォン以上の韓国取引所上場企業が構成銘柄となっている、時価総額加重平均型の指数である。

サムスンKODEXサムスングループ株ETFは、日々のサムスングループ指数のパフォーマンスに連動するように計算され、運用されている。

KOSPIに上場している韓国ETFなので、韓国ウォン建てであり、為替取引に為替スプレッドが発生する。同じKODEXブランドのKODEX200ETFより経費率は高いが、パフォーマンスも高い。SBI証券で外国株式取引口座を開設すると購入できる。

<サムスンKODEXサムスングループ株ETF(2021/3/19現在)>

2021/3/19終値(円換算 ※1) 9,860韓国ウォン(約887円)
韓国株の取引手数料(税込)と
為替スプレッド
【SBI証券】
・取引手数料:約定代金の0.99%
・最低手数料:9,900韓国ウォン(891円)
・為替スプレッド:100韓国ウォン(9円)につき20銭
経費率 ※2 0.30%
分配利回り 0.91%
騰落率 3年 42.08%
5年 102.07%

※1,円表示の金額はすべて、1韓国ウォン=0.09円の為替レートで円換算した
※2,経費率、分配利回り、騰落率は、SBI証券の銘柄情報を参照した

サムスンKODEX200ETF<1313>……日本円で取引できる1番人気の韓国ETF

KOSPI上場のサムスンKODEX200ETFを東京証券取引所に上場させた外国籍ETF。

KOSPI上場KODEX200ETFとの違いは主に以下の3つである。
・東証上場銘柄なので、国内のどの証券会社でも購入できる
・売買単位が10口単位である
・決済通貨が日本円であるため、為替取引が不要である

ただし、東証上場の外国籍ETF、しかもあまり国内で取引されていない韓国株ということで、日々の取引量はそれほど多くない。

さらに、マーケットメイク制度対象外であるため、指値で取引したくても、希望通りの価格で取引が成立しない、あるいは取引そのものが成立しない可能性もあるので注意が必要だ。

<サムスンKODEX200ETF(2021/3/19現在)>

2021/3/19終値(最低買付金額) 4,010円(4万100円)
取引手数料(税込) 国内の各証券会社が設定する取引手数料
信託報酬 ※1 0.15%
分配利回り 1.30% ※2
騰落率 3年 11.71%
5年 66.95%
※1,信託報酬、分配利回り、騰落率は、東京証券取引所公表資料を参照した
※2,2021年1月29日までの直近12カ月間の実績をもとに算出された分配利回り(東京証券取引所公表資料より)

サムスンKODEXサムスングループ株ETF<1584>……サムスングループの中核企業に一括投資

上述の、KOSPIに上場するサムスンKODEXサムスングループ株ETFの東証上場版。

韓国経済を支えるサムスングループの中でも、規模の大きな企業にまとめて投資できるメリットがある。外国籍であるが東証上場ETFなので、日本円で決済できるのも魅力である。

東証上場のサムスンKODEX200ETFと同じく、投資単位は10口単位。マーケットメイク制度対象外なので、流動性リスクがある。

KOSPI上場ETFと同様に、KODEX200ETFより信託報酬は若干高くなるが、パフォーマンスも高い。

<サムスンKODEXサムスングループ株ETF(2021/3/19現在)>

2021/3/19終値(最低買付金額) 954円(9,540円)
取引手数料(税込) 国内の各証券会社が設定する取引手数料
信託報酬 ※1 0.25%
分配利回り 0.82% ※2
騰落率 3年 20.18%
5年 91.31%
※1,信託報酬、分配利回り、騰落率は、東京証券取引所公表資料を参照した
※2,2021年1月29日までの直近12カ月間の実績をもとに算出された分配利回り(東京証券取引所公表資料より)

iシェアーズ MSCI 韓国キャップトETF……米国株として購入できる韓国株ETF

米国の投資運用会社であるブラックロックが設定・運用するETFブランド、iシェアーズシリーズの一つ。NYSE Arcaに上場しており、米ドルで運用されている韓国株を対象銘柄とするETFである。

対象指数は、モルガンスタンレーキャピタルインターナショナルが算出、公表している「MSCI韓国25/50インデックス」。本指数は韓国取引所の株式部門に上場する銘柄で構成され、キャッピング方式という所定の計算方法を用いて算出されている。

米ドル建てのETFなので、日本円と米ドル間の為替取引が必要になり、その際に為替スプレッドが発生する。

韓国を投資地域とするETFであるが米国株の一種である。そのため、外国株式取引口座を開設すれば、米国株を取り扱うSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入することができる。

<iシェアーズ MSCI 韓国キャップトETF(2021/3/19現在)>

2021/3/19終値(円換算 ※1) 88.88米ドル(9,599円)
米国株の取引手数料(税込)と
為替スプレッド(片道)
【SBI証券】
・取引手数料:約定代金の0.495%
・最低手数料:0米ドル
・最高手数料:22米ドル(2,376円)
・為替スプレッド:25銭
【楽天証券】
・取引手数料:約定代金の0.495%
・最低手数料:0米ドル
・最高手数料:22米ドル(2,376円)
・為替スプレッド:25銭
【マネックス証券】
・取引手数料:約定代金の0.495%
・最低手数料:0米ドル
・最高手数料:22米ドル(2,376円)
・為替スプレッド:買付時は0銭、売却時は25銭
経費率 ※2 0.59%
分配利回り 0.71%
騰落率 3年 21.04%
5年 86.05%
※1,円表示の金額はすべて、1米ドル=108円の為替レートで円換算した
※2,経費率、分配利回り、騰落率は、SBI証券の銘柄情報を参照した

db X-トラッカーズMSCI 韓国 UCITS ETF<02848>……香港市場上場の韓国株ETF

db X-トラッカーズはドイツ銀行が設定・運用するETFブランド。韓国株式を構成銘柄としたファンドを香港証券取引所メインボードに上場させて、香港ドル建てで運用するファンドである。

対象指数の「MSCI韓国トータルリターンネットインデックス」は、時価総額加重平均型の指数であり、韓国株式のパフォーマンスをトータルリターンベースで指数化している。db X-トラッカーズMSCI 韓国 UCITS ETFは、本指数の値動きに連動した投資成果を目的としている。

香港ドル建ての中国(香港)ETFであり、中国株を取り扱っているSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入できる。

<db X-トラッカーズMSCI 韓国 UCITS ETF(2021/3/19現在)>

2021/3/19終値(円換算 ※1) 813.0香港ドル(1万1,382円)
米国株の取引手数料(税込)と
為替スプレッド(片道)
【SBI証券】
・取引手数料:約定代金の0.286%
・最低手数料:51.7香港ドル(723円)
・最高手数料:517香港ドル(7,238円)
・為替スプレッド:15銭(片道)
【楽天証券】
・取引手数料:
約定代金10万円まで→550円
約定代金10万円超100万円未満→約定代金の0.55%
約定代金100万円以上→5,500円
・為替スプレッド:15銭(片道)
【マネックス証券】
・取引手数料:約定代金の0.275%
・最低手数料:49.5香港ドル(693円)
・最高手数料:495香港ドル(6,930円)
・為替スプレッド: 1香港ドルあたり15銭
経費率 ※2 0.65%
分配利回り 0.00%
騰落率 3年 24.60%
5年 97.79%
※1,円表示の金額はすべて、1香港ドル=14円の為替レートで円換算した
※2,経費率、分配利回り、騰落率は、SBI証券の銘柄情報を参照した

4,韓国株ETFを購入するときの2つの注意点

韓国株の株価指数をベンチマークとするETFは、韓国個別銘柄と同じく、日本の投資家にはあまりなじみがない。それだけに、韓国株ETFを投資対象にする場合には、以下の2点について、十分注意を払ってほしい。

注意点1,狙ったとおりの条件で約定できるとは限らない

KOSPIに上場しているサムスンKODEX200ETFとサムスンKODEXサムソングループ株ETFを除くと、それぞれのファンドの流動性は決して高くない。

指値や逆指値で注文を出しても、取引が成立しない可能性すらある。成行注文でも、想定外の価格で約定するリスクもある。

こうしたリスクを軽減するために、韓国ETFを発注する際には注文有効期間を長くとらず、適宜注文内容を訂正する、あるいは注文をキャンセルするなど、できる限り、その場で取引状況と約定を確認することをおすすめしたい。

注意点2,トータルコストを意識した取引をする

日本で購入できる韓国ETFは優良銘柄ばかりで構成されていることから、表面的にはトータルリターンが良好である。

ただし、韓国ウォン建て、米ドル建て、あるいは香港ドル建ての韓国ETFの取引手数料は、国内株式の取引手数料に比べて割高であり、為替手数料も発生する。コストがかさむと、せっかくの値上がり益を相殺してしまう可能性がある。

ファンドを選択する際には、トータルリターンだけに注目せず、取引手数料や為替レートにも気を配って、発注するタイミングを慎重に選ぶべきだろう。

5,韓国ETF構成銘柄の成長力に期待、中長期投資を視野に入れて取引を

韓国の株式市場には、サムスン電子や現代(ヒュンダイ)自動車など、世界市場で存在感を発揮している優良企業が多数上場している。こうした企業に一度に投資するなら、韓国ETFはもっとも簡単で効果的な投資対象になる。

残念ながら、国内の証券会社で購入できる韓国ETFは限られてしまう。国内株式の取引に比べて、コストがかかる、流動性リスクがあるなどのデメリットもある。

上場市場や銘柄のスペックなど、自分にとってベストな韓国ETFを選択したら、韓国企業の成長性に期待して、中長期的にETFを保有することを検討してほしい。これによって、韓国ETFの取引によって生じるデメリットを軽減することもできる。

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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