ポイントを利用した投資が広まり、貯まったポイントを利用して株を買えるサービスが登場してきている。Tポイントを利用して株を買えるのがSBIネオモバイル証券だ。SBIネオモバイル証券の始め方やメリット・デメリットは何か。

1, Tポイントで株が買えるSBIネオモバイル証券とは

Tポイントで株が買えるSBIネオモバイル証券「ネオモバ」とは?特徴や株の売り方・買い方を徹底解説!
(画像= VideoFlow/stock.adobe.com)

SBIネオモバイル証券(以下、ネオモバ)はTポイントで株を買えるのが大きな特徴だ。

ネオモバは、ネット証券No.1のSBI証券と、Tポイント関連などのサービスを提供するCCCマーケティングの共同出資で誕生した。ネオモバの株式取引に関する情報は次のとおりだ。

ネオモバ 株式取引の基本情報
取引対象 現物取引 単元株・S株(単元未満株)
(上場株式、国内ETF、REIT、インフラファンド)
サービス利用料(税込) 月間の国内株式約定代金合計/サービス利用料
・0円~50万円/220円
・~300万円/1,100円
・~500万円/3,300円
・~1,000万円/5,500円
・1,000万円超は100万円ごとに1,100円加算
定期買付 毎月100円から可能
IPO(新規公開株) 1株から申し込み可能
ポイント制度 ・Tポイントを毎月200ポイントもらえる
・Tポイントで株を買える
単元株 取扱市場 東京証券取引所
(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)
名古屋証券取引所
(1部、2部、セントレックス)
福岡証券取引所
(単独上場銘柄のみ、Q-Board)
札幌証券取引所
(単独上場銘柄のみ、アンビシャス)
S株
(単元未満株)
取扱市場
(買付・売却)
東京証券取引所
(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)
取扱市場
(売却のみ)
名古屋証券取引所
(1部、2部、セントレックス)
福岡証券取引所
(Q-Board含む)
札幌証券取引所
(アンビシャス含む)
注文時間
/取引単価
東京証券取引所
(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)
・0:00~7:00/当日前場始値
・7:00~10:30/当日後場始値
・10:30~13:30/当日後場終値
・13:30~24:00/翌営業日前場始値
名古屋証券取引所
(1部、2部、セントレックス)
福岡証券取引所
(Q-Board含む)
札幌証券取引所
(アンビシャス含む)
・0:00~7:00/当日前場始値
・7:00~10:30/当日後場始値
・10:30~24:00/翌営業日前場始値
注文種類 成行注文のみ
取引・管理ツール ・スマホサイト
・スマホアプリ「ネオモバ株アプリ」
※ネオモバ・ウェブサイトより筆者作成

ネオモバの株式取引では、単元株とS株(単元未満株)の両方に対応している。サービス利用料(手数料)は、月間の国内株式約定代金合計に応じて請求される。

定期買付サービスでは株を月100円から購入でき、IPOに1株から申し込めるのが特徴だ。ポイント制度では、Tポイントが貯まり、Tポイントで株を買える。

S株(単元未満株)は少ない株数での取引が可能だが、リアルタイムでの取引に対応しておらず、注文は成行注文のみである。

2,ネオモバの6つのメリット……S株やTポイントの活用など

ネオモバを利用する6つのメリットを確認しよう。

メリット1,スマホだけで株の取引と管理ができる

ネオモバの株の取引・管理ツールはスマホサイトとスマホアプリ「ネオモバ株アプリ」の2つだ。

スマホサイトでは、資金の管理(入出金)、銘柄情報のチェック、株式の注文などが可能だ。ネオモバ株アプリでは、資産推移グラフの確認や株の定期買付、ひとかぶIPOの操作、お得なクーポンの確認などができる。

ネオモバはスマホでの利用が前提であり、PCを利用することなくスマホサイトとネオモバ株アプリだけで簡単に株などの取引や管理ができる。

メリット2,国内株式はS株(単元未満株)を1株から購入できる

国内株式の取引は100株単位での単元株の取引が一般的だが、ネオモバのS株(単元未満株)ならば国内株式を1株から売買できる。

S株でも配当を受け取ることができ、株式分割の割り当ても保有株数に応じて配分される。資金が少なくても、多くの企業の株に分散投資できる。

なお、S株として買える株は東証上場銘柄であり、地方市場(名証、福証、札証)の上場銘柄はS株としては売却のみ可能だ。

メリット3,期間固定Tポイントを毎月もらえる

ネオモバでは、月額最低220円のサービス利用料負担がある(一時停止中は除く)ものの、毎月期間固定Tポイント200ptをもらえる。

ネオモバでもらえる期間固定Tポイントには、有効期限がありネオモバのみで利用できる。

毎月のサービス利用料が220円の場合には、期間限定Tポイント200ptを得ることでサービス利用料の実質的な負担は20円になり、手数料負担を抑えることができる。

メリット4,Tポイントで株に投資できる

ネオモバでは、単元株、S株、定期買付サービスといった国内株式等の購入にTポイントを利用できる。1ポイントは1円換算であり、1ポイント以上1ポイント単位での利用が可能だ。

ネオモバで利用できるTポイントには2種類あり、前述の期間固定TポイントとTポイントプログラム参加企業で貯めて利用できる通常のTポイントだ。

貯まったTポイントをネオモバの株の購入に利用すれば、Tポイントの有効活用を期待できる。

メリット5,IPOに1株から申し込める「ひとかぶIPO」

IPO(新規公開株)は、株式市場での初値が上昇しやすいことから人気の投資方法だ。IPOは通常100株単位で申し込むが、ネオモバのひとかぶIPOは1株から申し込みできる。

ひとかぶIPOはネオモバ株アプリ専用のサービスである。申し込みは、IPOの発行価格を確認して、欲しい株数を入力するだけの簡単操作で利用できる。手軽にIPOを申し込めるのは大きなメリットだ。

メリット6,定期買付サービスでは毎月100円の少額から株を買える

定期買付サービスでは、株を毎月100円以上100円単位での購入に対応している。買付の指定は金額で行い、購入する株数は指定した金額により決まる。

株のスポット購入と同様に、定期買付でも東証上場銘柄はS株(単元未満株)での購入が可能だ。地方市場(名証、福証、札証)上場銘柄は単元株(100株単位)での購入になる。

少額からの株の定期購入は、購入タイミングを判断する必要がなく、投資初心者にとっても嬉しいサービスだ。

3,ネオモバの始め方……口座開設と入金方法

ネオモバを始めるには、口座を開設して入金する必要がある。それらのステップを確認しよう。

ステップ1,口座開設はスマホサイトまたはウェブサイトのトップページから

ネオモバの口座を開設するには、メールアドレスの登録から進める。メールアドレスの登録は、ネオモバのスマホサイトまたはウェブサイトのトップページから「口座開設はこちら」へ進む。

メールアドレスを登録するとメールが送られてくる。受信したメールのURLにアクセスして口座開設申込の情報を登録する。そして、初期設定として出金先口座や勤務先情報などを登録する。

その後に本人確認書類をアップロードする。その際に、取引パスワードの設定を自分で行うか、郵便物により受け取るかを選択する。

取引パスワードを設定または受け取ったら、サービス利用料の支払方法を設定する。支払方法はクレジットカードのみであり、スマホサイトまたはネオモバ株アプリから設定できる。

セキュリティ強化のためにログインパスワードを変更したら口座開設は完了だ。

ステップ2,入金は住信SBIネット銀行からの即時入金なら手数料無料

口座が開設できたら取引のための資金を入れる。入金方法は「即時入金」と「銀行振込」の2種類だ。

即時入金とは、提携する金融機関のインターネットバンキングを利用した入金方法だ。入金後すぐに買付可能額に反映され、手数料無料で利用できる。提携金融機関は住信SBIネット銀行のみである(2021年3月21日時点)。

銀行振込は、インターネットバンキングやATMなどから振込で入金する方法だ。都市銀行、ネット銀行、地方銀行、信用金庫など多くの金融機関から入金できる。入金のための振込手数料は利用者負担である。

銀行振込の利用には利用者専用の入金口座が必要であり、初回のみ専用入金口座を発行する必要がある。

住信SBIネット銀行を利用していれば即時入金を手数料無料で利用でき、そうでなければ銀行振込を利用して入金する。

ステップ3,銘柄の情報確認はスマホサイトとネオモバ株アプリのどちらでも可

入金したら、買いたい銘柄の情報を確認してみよう。銘柄の確認はスマホサイトとネオモバ株アプリのどちらでも可能だ。

スマホサイト、ネオモバ株アプリともに株主優待などでの銘柄検索もできる。

4,ネオモバでの株の買い方……金額指定と株数指定

株を検索したら買い注文を出せる。買い注文には、金額指定と株数指定の2種類がある。

金額指定で株の買い注文を出す

金額指定での株の買い注文をスマホサイトの場合で紹介しよう。

(1) 銘柄の画面にて「この株を買う」をタップ
(2) 「金額指定」を選択し「買いたい金額」を入力して「枚数を算出」をタップ

(3) ポイント利用を設定し「次へ進む」をタップ
(4) 注文内容を確認し「取引パスワード」を入力して「注文を確定する」をタップ

金額指定での株の買い注文では、指定した金額から注文する株数が算出される。

株数指定で株の買い注文を出す

株数指定での株の買い注文をスマホサイトの場合で紹介しよう。

(1) 銘柄の画面にて「この株を買う」をタップ
(2) 「株数指定」を選択し「買いたい株数」を指定して「数量」を入力

(3) ポイント利用を設定し「次へ進む」をタップ
(4) 注文内容を確認し「取引パスワード」を入力して「注文を確定する」をタップ

5,ネオモバでの株の売り方……口座管理(ポートフォリオ)の銘柄選択から

株の売り注文をスマホサイトの場合で紹介しよう。

(1) メニューから「口座管理(ポートフォリオ)」をタップ
(2) 売る銘柄を選択

(3) 「この株を売る」をタップ
(4) 「売りたい株数」を指定し「数量」を入力

(5) 「次へ進む」をタップ
(6) 注文内容を確認し「取引パスワード」を入力して「注文を確定する」をタップ

6,ネオモバの5つのデメリット……取引がなくても負担するサービス利用料など

ネオモバはメリットが多く魅力的だが、デメリットもある。ネオモバを利用するならデメリットを正しく把握しておきたい。

デメリット1,取引の有無にかかわらずサービス利用料が毎月かかる

ネオモバでの国内株式等の取引などを含む証券総合サービスを利用するには、サービス利用料を支払う必要がある。一般的に株式取引では取引による手数料負担があるが、ネオモバの場合はサービス利用料のみで株式取引ができる。

サービス利用料は、月間の株式取引約定代金合計額により決定される。

月間国内株式約定代金の合計額 月額サービス利用料(税込)
0円~50万円 220円
50万円超~300万円 1,100円
300万円超~500万円 3,300円
500万円超~1,000万円 5,500円
1,000万円超では100万円ごとにサービス利用料1,100円が加算される
※ネオモバ・ウェブサイトより筆者作成

月間の取引がなくても、月額サービス利用料の最低額220円が請求される。

なお、一時停止手続きによりサービスの利用を一時停止すれば、サービス利用料は無料になる。一時停止中であっても、株式注文が約定すると自動的に一時停止が解除されるため注意したい。

デメリット2,S株(単元未満株)は市場でのリアルタイム取引に対応していない

S株(単元未満株)は少額の取引ができるメリットがあるものの、ネオモバはリアルタイム取引できないデメリットがある。

約定するタイミングは、注文時間に応じて「前場始値」「後場始値」「後場引値」から決まる。

証券取引所 注文時間 約定タイミング
東証上場銘柄 0:00~7:00 当日前場始値
7:00~10:30 当日後場始値
10:30~13:30 当日後場引値
13:30~24:00 翌営業日前場始値
名証、福証、
札証上場銘柄 (売却のみ)
0:00~7:00 当日前場始値
7:00~10:30 当日後場始値
10:30~24:00 翌営業日前場始値
※筆者作成

このように、注文時間に応じて約定タイミングが決まる。

もし、単元未満株のリアルタイム取引を希望するなら、大和証券グループのCONNECT、LINE証券、PayPay証券などを検討したい。

デメリット3,NISAでの株取引に対応していない

ネオモバでは、NISA・つみたてNISAの口座は開設できない。原則として、取引は特定口座で行うことになる。

NISAでの株取引を希望するなら、NISAに対応する証券会社の利用を検討すべきだ。単元未満株のNISAでの取引に対応するのは、大和証券グループのCONNECTやSMBC日興証券のキンカブなどがある。

デメリット4,毎月もらえる期間固定Tポイントはネオモバ以外で利用できない

ネオモバの利用で毎月もらえる200ポイントは期間限定Tポイントだ。このポイントは、ネオモバでの株式などの購入に利用できるが、ネオモバ以外では利用できない。

また、ネオモバの期間限定Tポイントは、サービス利用料の支払いに利用できないことも把握しておきたい。

デメリット5,外国株式を取引できない

ネオモバで取引できる株式は、国内株式のみであり、外国株式の取引には対応していない。

外国株式を取引するなら、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの証券会社が人気だ。なお、これらの証券会社での米国株式は1株単位での取引が可能なため、ネオモバの国内株式のS株(単元未満株)のように少額から取引可能である。

7,ネオモバの利用がおすすめの人

ネオモバはスマートフォンでの取引を前提としているため、スマホだけで、いつでもどこでも株の取引や管理をしたい人におすすめだ。

国内株式を少額から少ない手数料で取引できるのも特徴だ。単元未満株の取引は約定ごとに手数料を負担する証券会社が多いが、ネオモバでは月間合計50万円までの取引ならサービス利用料は月額220円のみで利用できる。株はTポイントでも投資できるので、株式投資初心者でも手軽にチャレンジできる。

IPOを気軽に始めたい人にもネオモバが適している。ひとかぶIPOでIPOに1株から申し込めるからだ。

定期買付サービスを利用すれば、株を少額から積立のように購入できる。定期買付なら株の購入タイミングの検討が不要なため、投資初心者や普段忙しい人にもおすすめである。

執筆・松本雄一(セキュリティ・金融アドバイザー)
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

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