RCI(順位相関指数)とは何か?
RCIは「Rank Correlation Index」の略で、順位相関指数(係数)と訳される。
テクニカル指標の一つであり、株価が直近でどのくらい上昇、あるいは下落したかをもとに、相場の過熱感(買われすぎ、売られすぎ)を判断するために用いられる。
その値は、ある期間における日付(時間)と価格にそれぞれ順位を付け、「日付(時間)の順位」と「価格の順位」にどのくらい相関関係があるかを指数化し、−100%から+100%までの範囲で表される。
RCI(順位相関指数)の計算式
n日間のRCIは、以下のように算出する。
①直近を1とし、過去n日目まで順位をつける。
②期間中の終値が高い順に順位をつける。
③各日の順位の差を2乗し、n日分を合計する(この値をここではSとする)。
④以下の式にSを代入する。
RCI(%)={1-(6×S)/n(n2-1}×100
RCI(順位相関指数)の計算例
計算期間を9日間として、実際にRCIを計算したのが以下の表だ。
日付 | 日付 順位 |
A銘柄 | B銘柄 | C銘柄 | ||||||
株価 終値 |
価格 順位 |
順位差 の2乗 |
株価 終値 |
価格 順位 |
順位差 の2乗 |
株価 終値 |
価格 順位 |
順位差 の2乗 |
||
4/1 | 9 | 500 | 9 | 0 | 500 | 1 | 64 | 500 | 7 | 4 |
4/2 | 8 | 505 | 8 | 0 | 495 | 2 | 36 | 510 | 5 | 9 |
4/5 | 7 | 510 | 7 | 0 | 490 | 3 | 16 | 520 | 3 | 16 |
4/6 | 6 | 515 | 6 | 0 | 485 | 4 | 4 | 530 | 1 | 25 |
4/7 | 5 | 520 | 5 | 0 | 480 | 5 | 0 | 525 | 2 | 9 |
4/8 | 4 | 525 | 4 | 0 | 475 | 6 | 4 | 515 | 4 | 0 |
4/9 | 3 | 530 | 3 | 0 | 470 | 7 | 16 | 505 | 6 | 9 |
4/12 | 2 | 535 | 2 | 0 | 465 | 8 | 36 | 495 | 8 | 36 |
4/13 | 1 | 540 | 1 | 0 | 460 | 9 | 64 | 485 | 9 | 64 |
順位差の2乗の合計S | 0 | 240 | 172 | |||||||
RCI | +100% | −100% | −43.33% |
計算期間中に株価が上昇し続けたA銘柄のRCIは+100%、株価が下落し続けたB銘柄のRCIは−100%となる。
計算期間をずらして算出したRCIをつなげたRCIチャートは、証券会社が提供している分析チャートなどで確認できる。
RCI(順位相関指数)はどんな時に役に立つ?
RCIは買われすぎ、売られすぎの目安として、売買のタイミングの判断に役立つ。
一般的にはRCIが+80%を超えると買われすぎ、−80%を下回ると売られすぎと判断される。
実際の売買では、RCIが+80%を超えた後、再び下回ったタイミングが「売り」、−80%を下回った後、再び上回ったタイミングが「買い」のサインとなる。
計算期間が異なる2つのRCIを用い、短期のRCIラインが長期のRCIラインを上回ると「買い」サイン、下回ると「売り」サインと判断する方法もある。
RCIはあくまで目安であり、想定どおりに株価が動くとは限らない。投資判断の精度を高めるには、複数の指標を併用するとよい。売買のタイミングを測るテクニカル指標としては、RCIのほか「RSI(相対力指数)」や「MACD(移動平均収束拡散)」などがよく用いられる。
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