英国の大衆の間では日常的に使われているにも関わらず、英国ロイヤルファミリーは絶対に口にしない英単語があります。意外なことに、日本人にも馴染みのある「あの英単語」も、王室では禁句なのです。

1 リビングルーム

金融
(画像=Renáta Sedmáková/stock.adobe.com)

宮殿にはたくさんの部屋がありますが、家族が集う居間として使用している部屋は、「ドローイングルーム(応接室=Drawing Room)」や「シッティングルーム(居間=Sitting Room)」です。リビングルーム(Living Room)やラウンジ(Lounge)とは、言いません。

2 パフューム

英王室では、香水=パフューム(Perfume)ではなく「セント(香り=Scent)」が使われます。したがって、「香水をつける」とは言わず、「香りを身にまとう」と言います。この上ない気品を感じさせる、優雅な表現ではないでしょうか。

3 パードゥン

相手の言ったことが聞き取れず、もう一度繰り返してくれるよう頼む際、「ソーリー(Sorry)?」より「パードゥン(Pardon)」のほうが丁寧と思っているのは、庶民だけのようです。王室では、「ソーリー、ワット(Sorry, What)?」と聞き返します。

4 トイレット

王室でトイレを利用する際は、「ルー(Loo)」か「ラヴァトーリィ(lavatory)」。英王室で使われていない理由は、トイレット(Toilet)という単語の起源が、フランス語のオード・トワレ(Eau de Toilette)だからという説もあります。

5 デザート

食後のデザート(Dessert)は、アメリカン・イングリッシュ。そのため、英国では王室に限らず、プディング(Pudding)と言います。近年は、アメリカン・イングリッシュの影響を受けたアッパー・ミドルクラス(上位中流階級)の若者の間で、あえて「デザート」という言葉を使う傾向が見られるそうです。

6 マム、ダッド

英国の子どもはある程度の年齢になると、両親の呼び方を「マミー(Mummy)、ダディー(Daddy)」から、「マム(Mum)、ダッド(Dad)」に変えるのが一般的。

しかし、王室のメンバーは、いくつになっても「マミー、ダディー」。チャールズ皇太子も公式の場では、エリザベス女王を「陛下」と呼んでいますが、女王の92歳の誕生日コンサートで、うっかり「マミー」と呼んでしまったシーンがテレビで放送されました。

7 ポッシュ

上流階級的な、高級な、という意味の「ポッシュ(Posh)」ですが、「下層階級の人々が自分より身分の高い層を羨む」というニュアンスが含まれています。そのため、王室や本当の上流階級の人々は、「スマート(Smart)」と表現します。あえて「ポッシュ」という言葉を使うときは、侮蔑や冗談の意味合いがあります。

ロイヤルファミリーの品格は言葉選びに宿る

以上の「英王室の禁句」は、社会人類学者で『イギリス人ウォッチング』の著者、ケイト・フォックス氏と、王室のエチケット専門家マイカ・マイヤー氏が明かしたもの。ロイヤルファミリーと大衆の違いは、些細な言葉にも表れているという一例です。