金銭的にどれだけゆとりがあるかは、「所得」ではなく「可処分所得」ではかるべき、という考え方があります。では世界的にみて可処分所得が多い国はどこで、日本は何位なのでしょうか。国別の可処分所得ランキングを紹介します。
そもそも「可処分所得」とは?
「可処分所得」と「所得」は違います。給与やボーナスなどの「所得」から社会保険料や税金などを差し引いた額のことを「可処分所得」と言います。一般的には「手取り収入」などと表現される金額が「可処分所得」に相当します。
この可処分所得は個人が自由に使えるお金ですので、その個人の購買力がどれくらいなのか、金銭的なゆとりがどれくらいあるかを数値で表す際に使用されます。
OECD加盟国の可処分所得ランキング
では実際に国別の世帯当たりの可処分所得ランキングを紹介していきましょう。このランキングでは経済協力開発機構(OECD)に加盟する日本を含む35ヵ国の2018年のデータを使います。
1位:アメリカ(50,292ドル)
2位:ルクセンブルク(45,239ドル)
3位:オーストラリア(39,929ドル)
4位:ドイツ(39,444ドル)
5位:スイス(39,397ドル)
1位にランクインしているアメリカはOECD加盟国において首位であり続けています。2位はヨーロッパの小国・ルクセンブルクです。ルクセンブルクは1ヵ月の最低賃金が欧州各国の中でも最高水準であることからも上位にランクインしています。
6~10位は以下のように軒並みヨーロッパの国々がランクインしています。
6位:ノルウェー(38,274ドル)
7位:オーストリア(37,179ドル)
8位:ベルギー(35,416ドル)
9位:オランダ(34,810ドル)
10位:フランス(34,416ドル)
日本はトップ10入りならずの16位
残念ながら1~10位には日本は入っていません。OECDのデータでは日本は16位で世帯当たりの可処分所得は31,003ドル(約336万円:2019年12月12日現在)となっており、カナダやイタリアと同水準です。
日本経済は決して楽観視できない状況が続いている中で、可処分所得が下がることになれば、金銭的なゆとり、そして生活のゆとりにも少なからず影響が出てくるでしょう。