台風や地震などの災害時に停電となった場合の、車を使用した給電方法が脚光を浴びています。なかには100V、1,500Wまで供給できるものもあり家電も使えるのです。しかし、供給容量や使い方には注意が必要です。

災害や停電対策で車から給電する時代に

金融
(画像= teksomolika/stock.adobe.com)

停電で電化製品が使えず困ったことはありませんか。発電機を持っていれば電気を供給できるのですが、実は車を発電機の代わりにもできるのです。

車からの給電方法は車種によって、USBポート、シガーソケット、コンセント、専用コネクターと大きく分けて4つあります。

USBはスマホの充電程度しか使えず、シガーソケットも直流のため市販のインバーターで交流に変換したとしても100V/100W程度です。

一方、HV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)であれば、コンセントが付いているもの(オプションもあり)もあるため、そのままプラグを差し込めば家電が使えます。

1,500Wまで給電できる車も登場している

コンセントが付いていても、多くは100V/100~150W程度ですが、なかには1,500Wまで給電できる車も登場しています。

例えば「プリウスPHV」ではコンセントが2ヵ所ついていて、100V/1,500Wまで給電可能。ガソリンが満タンであれば一般家庭の約4日分の電力を供給できるのです。

「プリウスPHV」の給電方法は次の2つです。

  • 「EV給電モード」:エンジンをかけずにバッテリーだけで給電し、バッテリー残量が低下すると終了。
  • 「HV給電モード」:はじめはバッテリーのみで、バッテリー残量が下がってきたら自動でエンジンがかかり給電を継続。

どちらにしても給電しすぎて車が動かなくなる心配はありません。

EV(電気自動車)ではコンセントがないものもあり、その場合は充電するコネクターからインバーターを使って電気を取り出します。

ホンダの外部給電器「Power Exporter 9000」を使えば、100V/200Vの同時出力や、最大9kVAもの大出力を給電でき、ホンダ「クラリティFUEL CELL」とつなげば一般家庭の約7日分の電力が供給可能です。

電力の使いすぎでヒューズが飛ぶ場合もある

車が発電機代わりになるのはとても便利なことです。災害時だけでなくレジャーやキャンプでも重宝するでしょう。

しかし、便利だからとついうっかり容量を超えて給電してしまうとヒューズが飛んでしまうおそれがあります。そうならないために、メーカー各社から安心して給電できるセットも販売されているため、安全重視で選んでみるのもいいでしょう。