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株式投資と聞くと、デスクの前に並んだ何台ものモニターを凝視しつつ、瞬時に取引を成立させ利益を上げている人を思い浮かべることも多いでしょう。しかし株式投資は、購入した株式を長期保有することで利益を得ることもできます。そこで今回は、長期投資の特徴とコツをまとめました。どんな銘柄を選び、どのように投資すればよいのか、解説します。
短期投資と長期投資の特徴を比較
株式投資の時間軸には、大きく分けて2つあります。「短期投資」と「長期投資」です。まずはそれぞれの違いやリスクとリターンを比較してみましょう。
短期投資とは
短期投資とは、名前の通り「短期で売買する」取引のことです。主な手法には、一日で売買を完結させる「デイトレード」や、数日から数週間の間で売買を完結させる「スイングトレード」があります。短時間で利益を出すため、資金を持ち越すことによる株価の下落リスクを抑えることができます。
短期投資は、長期投資より一回の売却益が小さいため、複数回取引をして利益を積み上げていく必要があります。また、マーケットの値動きを頻繁に監視しなければいけないため、日中仕事をしている人などには難しいでしょう。
長期投資とは
長期投資とは、1年以上の年単位で長期的に保有することを指します。長いと10年以上保有することもあるため、購入後は株価のチェックを1日に何度もすることはありません。結果的に成長する株を保有できた場合のリターンは大きくなるのが特徴です。
長期的に成長する銘柄を見極めるためには、「ファンダメンタルズ分析」と呼ばれる、国や企業などの運営、経済状況をチェックする必要があります。この見極めがうまくいかなかった場合は、含み損を抱え続けることになります。
長期投資のリターンの源泉は企業の成長による業績の向上
長期投資のリターンは、企業が成長していくことにより得られます。そのため、企業の業績が伸び続けており、今後も成長が望めることが必須条件となるでしょう。企業の業績がよければ株価の上昇に繋がります。値上がった株を売却すれば、購入時との差額による利益「キャピタルゲイン」が得られます。
また業績がよい企業は、配当金も増配する傾向にあります。そのため、配当金や株主優待による「インカムゲイン」を狙うことも可能です。
株の長期保有に向いている人の特徴
次に、長期投資に向いている人の特徴を見ていきましょう。
会社員など日中忙しい人
短期投資は短時間で利益を確定させなければいけないため、株価を日常的にチェックし続ける必要があります。また、一日に何回も売買することもあります。反対に、長期投資では数年から10年以上かけて保有するため、日ごろから株価をチェックする必要がありません。売買も頻繁に行うことはないでしょう。
そのため、長期投資は日中忙しい会社員の人などに向いているでしょう。
企業の長期的な成長にかけたい
投資の世界では、世界経済や政治など外的要因が株価などに大きな影響を与えます。短期投資の場合、世界的不況や一企業の暴落などの自体をいち早く察知し、保有株を売り抜けるような嗅覚が求められます。
長期投資では外的要因や経営の一時的な不振などの荒波があったとしても、それに耐えながら長い時間をかけて成長を続ける企業の株を粘り強く保有し続けることになります。つまり、長期保有では、短期投資のような短期的な経済的トレンド、日々上下動する株価に一喜一憂する必要はありません。株価をこまめにチェックするのではなく、悠然と構えながら投資銘柄(企業)の成長を見守れるような人に向いているでしょう。
長期投資の難しさは?
長期投資は、一度購入すれば保有するだけなので簡単なように思えますが、難しい面もあります。長期投資の難しさもチェックしておきましょう。
3年~5年の間に大きな下落はつきもの
上昇を期待して購入した株が下落するのは、精神的にも落ち着かないでしょう。しかし、株価は常に上下動を繰り返しながら成長していきます。さらに、3年~5年に一度は大きな下落がくることもあるのです。そのため、保有している銘柄の株価が一時的に大きく下げる場合があります。
その時点で、これ以上の損失を防ぐために売却してしまうこともあるでしょう。手放さず株価が回復するところまで保有しておくことが難しいのです。
下落したり、「ヨコヨコ」の展開が続くと不安になる
長期で投資する銘柄は、成長が望めるものが基本です。そのため株価は右肩上がりになっていくことを期待するでしょう。そんな期待とは裏腹に、株価が下落するときやヨコヨコと呼ばれる横ばいが続くと不安になるものです。
株価の下落や横ばいの理由には、企業の業績悪化だけでなく世界経済や市場の動きによる場合もあります。その場合は市場や経済が落ち着いたら株価が戻る可能性が高いのですが、やはり焦らず保有しておくことが難しいでしょう。
不安にならない資金管理や分散投資も重要になる
10年先の経済状況はおろか、1年先の株価でさえも予測することは難しいでしょう。そのため、資金管理と投資先の分散が長期投資には重要になってきます。分散投資は機関投資家も採用している方法で、投資先を株式や債券、不動産などに分散させたり、日本株や米国株など投資する国・地域を変えたりする方法です。投資先を分散させることで、1つの投資先が下落してもほかでカバーすることができます。また、投資する時間を分散することで、高値で投資するリスクを減らす方法もあります。
また資金管理は株式投資において、重要視されています。なぜならば、資金管理ができていないと下落局面で守りの体制が取れず損失になり、株式投資から引退せざるを得ないからです。自身の資産からいくら投資に使えるのかを知っておく必要もありますが、投資に使える資金からいくら分を株投資に使うのかといった資金管理も必要です。
生活費まで投資資金に回してしまったり、余力がなくなるほど株を買い付けてしまったりすると、長期保有が不可能になります。
長期投資に向いている銘柄の選び方
日本を含む世界経済は成長していきます。そのため、長期保有であればどの銘柄を保有していてもよいと思いがちです。しかし長期投資に向いている銘柄こそ、ファンダメンタルズ分析が重要になるでしょう。では一体、どのような銘柄が長期投資に向いているのでしょうか?以下では長期投資を行っており、投資の神様と呼ばれているウォーレン・バフェット氏率いる投資会社、バークシャー・ハサウェイが保有する銘柄を紹介します。
合わせてバフェット氏が保有する銘柄の特徴や、どのような点が長期投資に向いているのかも見ていきましょう。
世界一の投資家といわれるウォーレン・バフェットの銘柄を紹介
バフェット氏は、購入した株式は長期保有することでも知られています。2020年11月10日現在バークシャー・ハサウェイが保有している銘柄のなかから、保有株式数が多い3つの銘柄について、特徴と合わせて紹介します。
・バンク・オブ・アメリカ
バンク・オブ・アメリカはアメリカの銀行で、預金や住宅ローンなどのローンのほか、投資信託やクレジットカード業務を担っています。バンク・オブ・アメリカを含む、米国の大手5銀行は、経済が低迷した際の株価の回復も速く、トレーディング業績も好調です。
・アップル
iPhoneが日本でもお馴染みのアップルは、「バフェット銘柄」と呼ばれるほどバフェット氏には馴染みがある銘柄の1つです。アップルは、現在大きな影響力を持つとされる5大企業の総称「GAFAM(ガファム)=アルファベット(Googleの持株会社)、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト」の一角であり、今後も伸びていくであろうと期待されています。
・コカ・コーラ
日本でも愛飲している人も多い清涼飲料メーカーのコカ・コーラは、ソフトドリンクの製造から販売、流通まで手掛けています。現在は株価が割高になっていますが、配当金が高く、長期保有することでインカムゲインを受けられるでしょう。
また、コカ・コーラの商品を知らない人はいないくらい、世界的なブランド力があります。生活必需品セクター(グループ)として一定の需要が望めるのも、バフェット氏に選ばれている理由の1つです。
長期投資に向くバフェット銘柄の特徴
バフェット氏に選ばれている銘柄に共通することは、四半期ごとに発表される決算の業績に安定感があることです。さらにブランド力に優れていることや、同業界のなかでも市場占有率が高いことなどが挙げられます。
長期保有が前提のため、ローリスクローリターンな銘柄がバフェット銘柄の特徴です。なかでもバフェット氏は、大企業で事業規模が大きい銘柄を好んでいることもわかります。
株式の長期保有を成功させるコツは?
株式投資で長期保有するということは、市場の下落に耐えられる精神や銘柄選びが重要だということがおわかりいただけたでしょうか。最後に、具体的にどのようなことを意識すればよいのかを紹介します。また、長期投資との相性がよいNISA(ニーサ)制度も合わせて見ていきましょう。
日中忙しい人のための、長期投資を成功させる2つの知恵
長期投資は頻繁に株価のチェックも必要なく、株を購入したあとは長期保有しておくだけです。そのため単調な取引に飽きることや、反対に放置しすぎて業績が悪化していた。ということもあるでしょう。なかでも意識したいのが「楽しみながら続けること」と「決算の確認と株価の検討を定期的に行う」ということです。
・楽しみながら続けること
長期投資は購入すると売却まで行うことは基本的にありません。そのため保有期間中は、配当金や株主優待を楽しんでいる人も多いようです。企業によっては高配当の銘柄もあり、保有することで受け取れるインカムゲインは、長期投資の魅力でしょう。
また、日本の株式では株主優待を設けている企業が多く、2019年9月時点で1,500銘柄を超えています。株主優待には食品やクオカード、サービス券などがあり、投資家から人気です。さらに保有期間に応じて株主優待をグレードアップしている企業もあります。1年以上の保有から5年以上の銘柄もあるため、長期投資家にとっては魅力的でしょう。
・決算の確認と株価の検討を定期的に行う
また、長期投資だからといっても放置しすぎないこともポイントです。企業は年に4回、四半期決算を発表します。四半期決算で発表されるものは、お金の動きや事業の推移、今後の動向などをまとめたものです。
そのため、購入時は今後盛り上がる事業だと思って購入したものの、将来の展望が変わってしまった場合には、再度考察する必要があるでしょう。投資先の企業の定期的なチェックも忘れずにしたいものです。
長期投資を前提としたNISA制度の活用も
株式へ長期投資するとき、大きなメリットが得られる税制制度として「NISA」があります。 NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つの制度がありますが、なかでも一般NISAは株式や投資信託などに投資でき、年間120万円、最長5年までの運用で得た利益が非課税になります。通常の株式投資では、売買によって得た売却益と、株を保有しておくことで得られる配当金の両方に約20%の税金がかかります。その両方が非課税になることから、長期投資を目的とするなら一般NISAで運用するのが賢いでしょう。
以下では、2020年11月6日現在、SBI証券が発表している一般NISAの週間保有残高ランキングに入っている銘柄を紹介します。
・日本たばこ産業
JTの愛称で親しまれている「日本たばこ産業」は、高配当銘柄として長期投資家から支持されています。長年増配を続けており、2020年度の年間配当金は、1株あたり154円が予想されています。純利益のなかからどれだけ配当金として株主に還元されたかを表す配当性向は、89.6%を予想されており、驚異の高さです。長期投資家は、株式を保有していることで得られる配当金に魅力を感じることでしょう。
・みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループは、銀行や証券などの持株会社です。2020年の1株あたりの配当金は、年間で7.5円を予想しています。2020年11月現在の株価が1,300円台から1,400円台を推移していることを考慮すると、銀行の預金より高いのがわかるでしょう。
・オリックス
オリックスは、金融業や生命保険、不動産など多岐にわたった事業を展開している会社です。2021年の年間配当金は、76円を予定しています。配当性向も高く、2020年現在も32%と高水準ですが2021年は50%を予定しています。
NISAで長期保有されている銘柄の共通点は、どれも高配当で株主へ還元してくれている企業ということです。なお、株式の売買には手数料がかかります。手数料はコストとなるため、SBI証券や楽天証券など、手数料が安い証券会社で口座を開くことを検討しましょう。
まとめ:長期保有はファンダメンタルズ分析が重要
長期保有は、短期投資と違って刺激も少なく単調な取引になります。しかし短期投資より株価を頻繁にチェックしなくてすむことや、購入後は決算時など定期的な確認程度ですむことから、日中仕事などで忙しい人には向いている投資法といえます。また、保有中に得られる配当金や株主優待などのインカムゲインを楽しめるのも長期投資ならではです。
長期投資にとって重要となる銘柄選定は、ウォーレン・バフェット氏が成績をあげている銘柄が参考になるのではないでしょうか。四半期決算の業績が安定しており、ブランド力がある銘柄を選ぶというものです。これは、なにも超有名企業銘柄を選定せよ、というものではありません。その業界やセクターにおいて、安定した成長を見せている企業でもよいのです。
世間での認知度などに頼らず、優良銘柄を探すためには、収益力や資本の安定性を見るファンダメンタルズ分析が欠かせません。国や企業などの運営、経済状況をよくチェックし、自身に合った銘柄を探し根気よく持ち続けることが、長期保有の成功の秘訣かもしれません。
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