先日、政府統計のポータルサイト e-Stat で、まだ公表されていない「消費者物価指数」の一部内容が閲覧できるというミスがありました。総務省の職員が公開日時の設定を間違えたのだそうです。

私たちはニュースなどで、物価が上がるとか下がるとか、耳にすることがあります。その指標の一つに使われているのが「消費者物価指数」です。今回は消費者物価指数にまつわる話を紹介しましょう。

ご存知ですか?「昔と現在の価値」を比較する方法

消費者物価指数,インフレ
(写真=Thinkstock/Getty Images)

たとえば、消費者物価指数を使えば「昭和40年と比べて最近の物価はどうなっているのか?」を調べることができます。平成27年の1万円と昭和40年の1万円の価値を比較する場合、下記のようにそれぞれの年の「消費者物価指数」で求めることができます。

1804.0(平成27年)÷443.2(昭和40年)=約4.1倍

つまり、昭和40年の1万円は、平成27年の物価に換算すると4万1000円の価値があることになります。

1970年代から1990年代までは、どんどん物価が上昇していました。しかし、いまの時代は物価が上がっている感じはしませんね。ほとんど横ばいの状態が、何年も続いているのです。20代、30代の人には「物価が上がる」「インフレになる」というイメージが掴めないのも当然でしょう。

消費者物価指数はどうやって調べるの?

それにしても、この「消費者物価指数」は具体的にどうやって調べているのでしょうか?

まず、家計の中で、一般的に消費される品目(585品目)を選び出します。そして全国に880人いる調査員が、実際にどんな価格でそれらが販売されているのかをスーパー、百貨店などを訪れて調べます。そのようにして調べた商品価格の増減率を加重平均して算出したのが「消費者物価指数」なのです。

この調査対象のお店は、ディスカウントストアなどの量販店のほか、PB(プライベートブランド)が含まれることもあります。これはちょっと意外でした。

「コア指数」「コアコア指数」ってなんだ?

「経済の体温計」とも呼ばれる消費者物価指数ですが、調査対象となる585品目の中でも、生鮮食品の価格は天候要因等で激しく変動します。そのため、この生鮮食品を除いた指数を「コア」指数と呼びます。

また、エネルギー(ガソリンや電気代など)は、原油価格の影響を受けます。これらの一時的な変動要因や外部要因を取り除き、消費者物価の基調を捉える上で有効なのが、「食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数」として「コアコア」指数と呼ばれています。

指数から外れた「お子様ランチ」と「アイロン」

ちなみに、消費者物価指数の調査が開始されたのは1946年、つまり終戦の翌年でした。当時に比べると、私たちの周りの消費財もずいぶん変わりました。

実際、消費者物価指数は、5年ごとに調査する商品(585品目)を入れ替えています。直近では、2016年8月に項目を入れ替えたのですが、その時に外れた商品に「お子様ランチ」と「アイロン」があります。

昔はどこのデパートにもあった「お子様ランチ」ですが、最近は少なくなっているそうです。これも少子高齢化の影響でしょうか? また「アイロン」がなくなったのも意外ですが、最近は自宅でワイシャツにアイロンをかける人が少なくなっているのでしょうか?

「ししゃも」からみる消費動向?

調査対象の585品目をチェックしていたら「ししゃも」がありました。それ以来スーパーに買い物に行くたびに「ししゃも」の値段が気になって、よく観察するようになりました。「なるほど、この値段が消費者物価指数に反映しているのだな、よし、よし」という感じです。

消費動向は、スーパーマーケットの商品価格を定点観測するだけでも面白い、と思いますね。経済というと難しいものと思われがちですが、日々の生活の身近な部分から関心を持つのも一つの方法でしょう。

「お子様ランチ」は対象から外れましたが、「ししゃも」には今後も生き残って欲しいものです。今日は「ししゃも」を買って帰りましょう。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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