どの投資商品を選べばよいか検討中の投資ビギナーに向けて、メジャー・マイナーな投資商品の種類や投資初心者との相性などを解説。さらに、主な投資商品10種類のメリット、デメリットも紹介します。

目次

  1. メジャー、マイナーな投資商品にはどんな種類がある?
    1. メジャーな投資商品は、「株式投資」「投資信託」「NISA」
    2. 圧倒的に人気なのは約6割に選ばれている「株式投資」
  2. 初心者と相性のよい投資商品の種類は?
  3. 初心者は慎重になったほうがよい投資商品は?
    1. メジャー、マイナーな投資商品問わず、必ずリスクはある
  4. 主な投資商品10種類のメリット・デメリット
    1. 1.株式投資のメリット、デメリット
    2. 2.投資信託のメリット、デメリット
    3. 3.NISAのメリット、デメリット
    4. 4.外貨預金のメリット、デメリット
    5. 5.保険商品のメリット、デメリット
    6. 6.iDeCoのメリット、デメリット
    7. 7.債券のメリット、デメリット
    8. 8.FXのメリット、デメリット
    9. 9.IPO株投資のメリット、デメリット
    10. 10.仮想通貨のメリット、デメリット
  5. 少額でさまざまな投資商品を試してみる手も

メジャー、マイナーな投資商品にはどんな種類がある?

どの投資商品がメジャーかマイナーかについては、さまざまな議論があると思います。ここでは、カルチュア・コンビニエンス・クラブとSBIネオモバイル証券が1万人以上の男女に対して行った「投資に関するアンケート調査」をもとに、メジャー、マイナーの投資商品を仕分けしていきます。

メジャーな投資商品は、「株式投資」「投資信託」「NISA」

アンケート回答者のうち、投資をしている人の割合は約4人に1人です(25.5%)。その中から、さらに「どんな種類に投資をしているか」を確認したところ、次のような結果になりました。

▽メジャーな投資商品の種類:選ばれている割合:40%以上
株式投資、投資信託、NISA

▽準メジャーな投資商品の種類:選ばれている割合:約10~20%
外貨預金、保険商品(積立型)、iDeCo、債券(国債、社債)

▽マイナーな投資商品の種類:選ばれている割合:約10%以下
FX、IPO株、仮想通貨

圧倒的に人気なのは約6割に選ばれている「株式投資」

メジャーな投資商品のなかでも、株式投資をしている割合は約6割と圧倒的な人気です。投資信託とNISAはそれぞれ約4割の結果でした。また、世代によって選ばれている割合の差が大きい投資商品もあります。例えば、債券を持っている割合は60代以上だと20%以上ですが、20代だと10%を切っています。

初心者と相性のよい投資商品の種類は?

注意したいのは、メジャーな投資商品が必ずしも初心者と相性がよいとは限らないことです。一般的に考えて、初心者と相性のよい投資商品の絶対条件はローリスクなことでしょう。 先ほど挙げた10種類の投資商品のうち、ローリスクと考えられるものは次の4種類です。

▽ローリスクと考えられる投資商品
投資信託、NISA、iDeCo、債券

NISA(少額投資非課税制度)は投資で生まれた利益に対して本来かかる約20%の税金が非課税になる制度です(最長5年間)。対象となる投資商品は株式と投資信託ですが、株式投資については銘柄によってはハイリスクなものもあります。そのため、知識を蓄えてから始めるのが無難です。また、損失が発生しても資産全体に影響の少ない範囲内でやることが賢明です。

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初心者は慎重になったほうがよい投資商品は?

逆に、先ほどあげた10種類の投資商品のうち、とくにハイリスクと考えられるものは次の3種類です 。

▽とくにハイリスクと考えられる投資商品

FX(外国為替保証金取引)と仮想通貨の共通点は、値動きが激しく、元手に対してレバレッジをかけて大きな投資資金を動かせることです。急騰したときにはリターンが膨らみますが、急落したときには元手を失うばかりか、追加のお金を求められることもあります。

株式投資については、景気の影響を受けにくい分野の大企業の株式なら、短期間で無価値になるようなリスクは低いと考えられます。とくにその株式の価格が割安であれば急落リスクは低くなります。一方、値動きの激しい分野のベンチャー企業株であれば、わずか数日で数分の1の株価に急落することもあります。

メジャー、マイナーな投資商品問わず、必ずリスクはある

もう1つ注意したいのは、どの投資商品にも必ずリスクがあるということです。そしてリスクとリターンは関連性があるというのが原則です。ローリスクな商品はローリターンの傾向があり、ハイリスクな商品はハイリターンの傾向があります。

主な投資商品10種類のメリット・デメリット

ここからは、主な投資商品10種類のメリット・デメリットを紹介していきます。

1.株式投資のメリット、デメリット

株式投資とは、上場株式の売買・保有によってリターンを目指すものです。

・株式投資のメリット

株式投資の1つ目のリターンは、株価の値上がり益です。売却時の株価が購入時よりも高ければ、その分がリターンになります。2つ目は配当金です。一般的に年に1~2回、利益の一部が株主に還元されます。3つ目は、株主優待制度です。決算期などにその会社の商品や優待券、クオカードなどの金券が配布されます。

※配当金や株主優待がない銘柄もあります

・株式投資のデメリット

株式投資のデメリットは、比較的投資の元手がかかることです。株式投資は100株単位で売買するのが通例です。そのため最低でも数万円、大半の銘柄は数十万円以上の元手がかかります。

※証券会社によっては、1株単位で売買することも可能です

また、株式投資は一般的にハイリターン(またはミドルリターン)の投資に分類されます。企業の不祥事や開発頓挫などの局面で大きく値を下げるリスクもあります。また、急落時などに売却しようとしても、なかなか取引が成立しないような流動性リスクもあります。

2.投資信託のメリット、デメリット

投資信託とは、投資家から集めた資金で投資のプロが株式や債券を運用し、リターンを投資家に還元する投資商品です。

・投資信託のメリット

投資信託のメリットは、数多くの株式や債券に分散投資をするため、1つの国や企業の不祥事・不振などによって急落するリスクが低いことです。加えて、プロのファンドマネージャーが運用したり、経済指数に連動するように運用するため、投資家の手間がかからないのも利点です。

・投資信託のデメリット

投資信託のデメリットは、信託報酬といわれる運用コストが継続的にかかることです。また、分散投資を基本とした投資商品のため、株式投資のように短期間で価格が値上がりすることはほとんどありません。

3.NISAのメリット、デメリット

NISAとは、株式投資や投資信託で生まれた運用益などにかかる税金が非課税になる制度です。

・NISAのメリット

証券会社の課税口座で株式投資や投資信託を運用してリターンが出れば約20%の税金がかかります。NISA口座ならこの税金が非課税になります。非課税期間は、一般NISAが5年、つみたてNISAが20年です。

・NISAのデメリット

NISAのデメリットは、損益通算ができないことです。NISA以外の課税口座で株式投資や投資信託を運用して損失が発生した場合、他の課税口座の利益と相殺する損益通算が可能です。一方、NISA口座で損失が発生しても、他の課税口座の利益と相殺できません。

4.外貨預金のメリット、デメリット

外貨預金とは、米ドルや豪ドルなどの外貨で預金することです。

・外貨預金のメリット

外貨預金のメリットは、将来の円安が進んだ場合、リスクヘッジになることです。円建てで預金をしていて円安が進めば、預金の実質上の価値が減ってしまいます。外貨預金をしていれば円安リスクを回避できます。

・外貨預金のデメリット

外貨預金のデメリットは、円高に振れたときに受取額が目減りしてしまう可能性があることです。預金の利息と為替損益のトータルが外貨預金の最終的な利益・損失になる点には注意が必要です。

5.保険商品のメリット、デメリット

保険といえば将来の備えのためのものというイメージが強いですが、資産運用の目的で契約する選択もあります。

・保険商品のメリット

資産運用目的の生命保険の一例は、養老保険です。契約者が死亡したときだけでなく、満期になったときにも保険金が支払われます。養老保険は、一般的な生命保険と比較すると、解約返戻金や配当金が高額な傾向があります。

・保険商品のデメリット

養老保険はさまざまな魅力がある分、保険料が割高です。セールストークなどで紹介される配当金はあくまでも試算に過ぎません。それぞれの保険でサービス設計が異なるため、その内容をしっかり把握してから加入するのが賢明です。

6.iDeCoのメリット、デメリット

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、個人で加入できる私的年金です。毎月一定額を積み立てていくと、将来年金を受け取ることができます。

・iDeCoのメリット

iDeCoのメリットは、税制上の優遇措置です。まず、掛金すべてが所得税控除の対象になります。さらに運用益に対する税金が課税されないのも魅力です。例えば、定期預金の利子には約20%の税金がかかりますが、iDeCoの運用益には税金がかかりません。

・iDeCoのデメリット

iDeCo は老後資金のための年金制度です。そのため原則60歳になるまで掛け金と運用益を引き出せません。お金が急に入用になっても引き出せないのがウィークポイントです。また、iDeCoの投資対象のなかには元本保証のない商品もあります。

7.債券のメリット、デメリット

国・地方公共団体・企業などがお金を集める目的で発行するのが債券です。これを償還日まで保有することで利子を得られます。

・債券のメリット

債券の魅力は、将来のリターンを見積もりやすいことです。あらかじめ設定された期日(償還日)まで保有すれば、額面金額と利子が得られます。債券は償還日前に売却することも可能です。知名度が高く発行量の多い債券なら比較的容易に売却できます。

・債券のデメリット

債券の安全性が高いといっても、償還日に必ず額面金額が返済されるとは限りません。なかには格付け機関に「投機的水準」といわれるほど信用力が低下している債券もあります。

8.FXのメリット、デメリット

FXとは日本円と外貨を売買して、その差益を狙うものです。

・FXのメリット

FXのメリットは、小さい元手(証拠金)で大きな金額を動かせるレバレッジ効果にあります。株式投資の信用取引でもレバレッジは可能ですが、約3倍までです。これに対してFXのレバレッジ率は25倍と圧倒的です。

・FXのデメリット

元手に対してレバレッジをかけすぎると、含み損が一定ラインを超えたときにロスカット(強制終了)される確率が高まります。これにより投資家は、元手を失う、追加のお金を払うなどの損失をこうむります。

9.IPO株投資のメリット、デメリット

IPO株投資とは、新規上場する会社の株式を公開価格(株式市場に出す前の価格)で購入し、上場後に値上がり益を狙う方法です。

・IPO株投資のメリット

IPO株は初値が公開価格を上回りやすいため、タイミングを見計らって売り抜けられれば利益確定が比較的容易です。一方、通常の株式投資でまとまったリターンを得るには、労力をかけて割安な優良企業銘柄を見つけ出さなければなりません。

・IPO株投資のデメリット

IPO株は初値が公開価格を上回りやすいといっても100%ではありません。ときには初値が公開価格を下回ることもあります。また、IPO株は申し込みが殺到し抽選になるのが普通です。抽選落ちが続いてIPO株が購入できない時期が長引く可能性もあります。

10.仮想通貨のメリット、デメリット

ビットコインなどに代表される仮想通貨を取引して売買差益を目指すものです。

・仮想通貨のメリット

仮想通貨のメリットは、株式投資と別の値動きをすることといわれます。そのため、リスクヘッジとして資産の一部を仮想通貨で保有する人もいます。また、価格変動幅が大きいため、短期間で大きなリターンを狙う人には相性がよいかもしれません。

・仮想通貨のデメリット

仮想通貨にはビットコイン以外のアルトコインと呼ばれる銘柄が多数存在しますが、マイナーな仮想通貨ほど乱高下リスクがあります。また、秘密鍵やパスワードの紛失やサイバー攻撃などのリスクもあります。

少額でさまざまな投資商品を試してみる手も

この記事の前半でお話した通り、投資商品には初心者向きのものとそうでないものがあります。ただし、ここで挙げたのはあくまでも一般論として「初心者向きの投資商品」です。実際には、その人との相性もあるでしょう。まずは、最小限の投資金額でたくさんの投資商品との相性を気軽に確認してみるのも一案です。

本間 貴志
ビジネス書に特化した編集会社のサラリーマン・ライターを経て、資産運用や税務の分野を専門とするライターとして活動。自身で賃貸物件の経営や、年間で億単位の株式売買も行っている。